image

母・主婦の生きる世界、ママ友コミュニティ。幾分地域性によって差異があるものの、その場のどこかSFっぽい時空の歪みぶりは、全国共通ではないかと思う。

それは朝から晩にかけて行われる、各種送り迎え活動。ゲリラ的に発生する、立ち話。その場にいないと話題の的になりかねない、ママお茶。時間は間延びし、永遠のように思われつつ、気付くと日が暮れている……不可思議……。

だから母は忙しい、毎日。ゆえに敢えて「私はインターネットなんてやんない」と明言するのも見識のひとつだ。しかし「パソコンてどうやったら電源入れられるのかすら分かんない」。それは幼稚園の保護者会で小学校のPTAで、「パパに聞くのもちょっとねぇ」「うちのパソコン触ると怒られるのよ」と続く、母・主婦のありふれた言葉。でも耳にする度、どこか魚の骨が刺さったかのような違和感のある、言葉では?
もしかしたら個人的過ぎるかもしれないこんな「違和」を、「問題」視し得るのかという基本的な問いからして複数の課題を同時に提示している気がしてならない。それは一方的に善だ悪だと断じたり、進んでる遅れてると斜め上から切り捨てることができるほどに、単純なものではない。前後左右縦横斜めにこの根は深く伸び、ひいては教育問題をはじめとした社会問題にも通底している(はず)。

母・主婦のデジタルディバイドと名づけたこの違和感に、ツイッターを通して寄せられたさまざまな角度からの呟きに含まれた現実が、このトゥギャッターには散りばめられている。どうかあなたもご一読の上、ぜひ、一度考えてみて欲しい。

2010年、母・主婦のデジタルディバイドを考える。

藤原千秋藤原千秋
大手住宅メーカー営業職を経て2001年よりAllAboutガイド。おもに住宅、家事まわりを専門とするライター・アドバイザー。著・監修書に『「ゆる家事」のすすめ いつもの家事がどんどんラクになる!』(高橋書店)『二世帯住宅の考え方・作り方・暮らし方』(学研)等。8歳4歳0歳三女の母。