毎年3月を過ぎたころから、一部週刊誌では高校別大学合格者数が毎週のように誌面をにぎわす。ただ、単純な合格者数の多寡だけで、その学校の真の実力を測れるのか、どうも違和感を感じていた。とくに近年は、高校無償化だったり中高一貫校もぞくぞく設置されたりと公立校の復権・躍進も著しいだけに、私立校についてはその思いを強くしていた。

私立校の場合は進学校はたいてい中高一貫校だけに、中学受験は避けて通れない。ただ早くからわが子に投資する親の心理としては、進学実績がいいことはもちろんだが、少しでも入りやすく、学費も安い学校に入れたい本音もあるだろう。

そのような思いで、「合格バリュー値」という新たな指標を独自に作り、そのふるいでランキングしたのが下の表だ。(※現役合格者数5名以上の私立校のみ)なお「合格バリュー値」の算出方法だが、その学校の卒業生数のうちの東京大学“現役”合格者の割合(=学校の合格力)、中学受験時の偏差値を標準値50から割った数(=難関校ほど1から低い数値になる)、入学時の初年度納付金を100万円から割った数(=学費が高いほど1から低い数値になる)を積算している。これにより、進学実績がよく、しかも入りやすく学費も安い「バリュー校」が浮き彫りになるのでは、と考えた。
なお、現役合格者数・卒業生数は「週刊朝日」のデータを、偏差値については「日能研」、学費については「私立中学受験年鑑」「ベネッセ教育情報サイト」、また各校のホームページなども参考にさせていただいた。(黒字は男子校、赤字は女子校、青字は共学校)

東大バリューこの指標で見ると、まず東大合格者数トップの開成と灘の順位が入れ替わる。これは卒業生総数のうちの合格者数が異なる点が大きい。

ベスト10に入った兵庫の白陵は、多くの進学校が高校1年の理科で2教科選択のところを3教科選択だったり、理系生徒でも3教科の社会を選択させるなど、センター試験や難関国立大学向きなカリキュラムが組まれているのが特徴だという。

13位に入った智辯和歌山だが、こちらは私学にしては学費が安いことも、ランキングを押し上げる要因となっている。

東大に限らず、難関大学の合格者数だけではなく、卒業者数のうちの合格者数、中学受験時の偏差値、そして学費面から総合的に判断することで、私学の「コストパフォーマンス」が見えてくる。
深田洋介深田洋介
学研の編集者、AllAboutのWebエディターを経て、サイバーエージェントの新規事業コンテストでは子育て支援のネットサービスでグランプリを獲得、その後独立。現在は子育て・教育業界×出版・ネット媒体における深い知識と経験・人脈を駆使して活動中。2001年生まれの娘の父。