igakubuわが子の将来を考えたとき、「医者になって欲しい」とせめて一瞬くらいは考えたことがあるのではなかろうか。しかし現実と向き合うと、「どうせうちの子はムリだし」「うちはお金がないから」とハナからあきらめてしまいがちだ。

たしかに私立大の医学部などは、6年間の学費が2,000~5,000万円程度が一般的といわれているが、国公立大であれば350~400万円程度で、これは私大文系4年間の学費とほぼ変わらない。

であれば、国公立大医学部に入るにはどの学校が近道となるのかを検証してみたいと思い、すでに東大京大編でお届けした「合格バリュー値」をさらに進化させて、国公立大医学部合格に特化した合格バリュー値を算出してみた。
今回は私立・公立問わず、“現役”合格者数20名以上の学校をピックアップ。その学校の卒業生数のうち、国公立大学医学部医学科の現役合格者の割合を、公立高校授業料無償化がスタートした昨年と今年の2年ぶんの実績で合計した。

また、この時点ですでに実力校が全国各県に分散していることがわかったので、「医学部合格への近道なら全国どこへでも!」というケースを考え、各地の下宿費用の情報も集めた(寮がある学校の場合は寮費)。

そして、その下宿費用と年間授業料の合計を100万円から割った数(=費用が高いほど1から低い数値になる)、また各校合格偏差値を標準値50から割った数(=難関校ほど1から低い数値になる)、以上を積算したのが、国公立大医学部版「合格バリュー値」である。そして以下がそのランキング表だ。

なお、現役合格者数・卒業生数は「週刊朝日」「サンデー毎日」のデータを、偏差値については「日能研」、学費については「ベネッセ教育情報サイト」、下宿費用については「下宿ガイド」「学生寮ガイド」で各校周辺のまかない付きの費用を調査、またそのほか各校のホームページなども参考にさせていただいている。(黒字は男子校、赤字は女子校、青字は共学校、※印は公立校)

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国公立大医学部合格バリュー値公式=(2011年&2010年国公立医大現役合格者数÷2011年&2010年卒業生数)× [100万円÷(年間授業料+下宿費用)] × [50-各校合格偏差値]×100


まず貫録の1位は灘。やはり絶対的な医学部合格力が高いことはもちろん、医学部を目指す仲間が多く切磋琢磨できる学校風土であることも大きいだろう。しかしご存じのように同校は中学受験時点ですでに全国最難関校なので、早いうちからの受験対策で費用がかさむことは避けられない。

そういう点では、3位の兵庫・白陵、4位の北海道・北嶺、5位の長崎・青雲といった学生寮完備の地方私立校がねらい目かもしれない。近隣在住でないかぎりは12歳から入寮となり不安もあるかもしれないが、医者を目指すくらいだ、早くから親元を離れて強い自立心を育て、寮生活できっちりした学習管理のもと実力を蓄えながら医学部合格を目指す、というのもひとつの選択肢であろう。

また、近年は地方の国公立大が地元高校出身者を特別枠で選抜する「地域枠」も広まっている。わが子に医者の夢を託し、思い切って地方にU・Iターンして家族が一緒にバックアップする、という方法もある。

今春の医学部定員は過去最高になったとはいえ、たったの約8,900人。同年代が100数万人だとしても、1%にも満たない超狭き門だ。家庭の経済力、わが子の能力、限られた条件のなかでも本気でわが子に医者の夢をかなえるとしたら、大きな決断をすることが案外近道なのかもしれない。

深田洋介深田洋介
学研の編集者、AllAboutのWebエディターを経て、サイバーエージェントの新規事業コンテストでは子育て支援のネットサービスでグランプリを獲得、その後独立。現在は子育て・教育業界×出版・ネット媒体における深い知識と経験・人脈を駆使して活動中。2001年生まれの娘の父。