「手足口病」が全国的に流行しているという。筆者の知人友人でも罹患報告が目立つ。一般的にはあまり知られていない病名だが、とくに初めて子を持つ親にとっては、「ヘルパンギーナ」と並んで、“病名だけでショック”な2大疾病かもしれない。この得体の知れない病気について、日本医師会の協力を得て、関連情報をいただくことができたので紹介したい。
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Q1.手足口病とはどのような病気?


手足口病は、口の中や、手足などに水疱性の発疹が出る、ウイルスの感染によって起こる感染症です。こどもを中心に、主に夏季に流行します。感染症発生動向調査によると、例年、報告数の90%前後を5歳以下の乳幼児が占めています。


Q2.どのように感染する?


感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染(便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染することです)が知られています。特に、この病気にかかりやすい年齢層の乳幼児が集団生活をしている保育施設や幼稚園などでは、こどもたち同士の生活距離が近く、濃厚な接触が生じやすい環境であることや、衛生観念がまだ発達していないことから、施設の中で手足口病の患者が発生した場合には、集団感染が起こりやすいです。


Q3.どのような症状が出る?


感染してから3~5日後に、口の中、手のひら、足底や足背などに2~3mmの水疱性発疹が出ます。発熱は約3分の1にみられますが、あまり高くならないことがほとんどであり、高熱が続くことは通常はありません。ほとんどの発病者は、数日間のうちに治る病気です。


Q4.感染しないようにするために、どのようなことに注意すればよい?


手足口病には予防接種はなく、また手足口病の発病を予防できる薬もありません。治った後でも、比較的長い期間、便などからウイルスが排泄されることがあります。また、感染しても発病はせず、ウイルスを排泄している人もいると思われます。

これらのことから、発病した人だけを長期間隔離しても有効な感染対策とはなりませんし、現実的でもありません。前述したように、衛生観念がまだ発達していない乳幼児の集団生活施設では、施設内での感染の広がりを防ぐことは難しいです。

しかし、手足口病は、発病しても、軽い症状だけで治ってしまうことがほとんどであり、感染してはいけない特別な病気ではありません。これまでほとんどの人がこどもの間にかかって、免疫をつけてきた感染症であるということも知っておいていただきたいことです。

一般的な感染対策は、接触感染を予防するために手洗いをしっかりとすることと、排泄物を適切に処理することです。特に、保育施設などの乳幼児の集団生活では、感染を広げないために、職員とこども達が、しっかりと手洗いをすることが大切です。特におむつを交換する時には、排泄物を適切に処理し、しっかりと手洗いをしてください。

手洗いは流水と石けんで十分に行ってください。また、タオルの共用はしてはいけません。 手足口病は、治った後もしばらくは便の中にウイルスが排泄されますし、感染しても発病しないままウイルスを排泄している人もいると考えられることから、日頃からのしっかりとした手洗いが大切です。


Q5.治療方法はありますか?


手足口病に特効薬はなく、特別な治療方法はありません。また、基本的には軽い症状の病気ですから、経過観察を含め、症状に応じた治療となります。

しかし、まれに髄膜炎や脳炎など中枢神経系の合併症などが起こる場合がありますから、経過観察をしっかりと行い、高熱が出る、発熱が2日以上続く、嘔吐する、頭を痛がる、視線が合わない、呼びかけに答えない、呼吸が速くて息苦しそう、水分が取れずにおしっこがでない、ぐったりとしているなどの症状がみられた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう


▼情報提供
日本医師会ホームページ