上海市の中心部、静安区にある「華山美術幼稚園」。その名のとおり、美術教育に特化した幼稚園だ。教室内や園内の造作はもちろん、園児たちの活動など、下の写真のように至るところで美術幼稚園らしいようすを見ることができた。取材してきた園内の様子や子どもたちの活動を写真で紹介する。
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▲白い運動靴に自由に模様や絵を描く。

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▲造花のアレンジ。もちろん子どもたちの作品。

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▲黒の画用紙に金のペンで絵を描くというのは日本ではあまり見られない。
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▲階段の踊り場に子どもたちの作品。園内の随所にこうしたオブジェが見られる。

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▲トイレも美術幼稚園らしいおもむき。

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▲水墨画の風景が保育室内に再現されている。

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▲ポスターカラーを使った表現活動。

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▲本物のフルーツを使ったスケッチ。

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▲おままごとも本物の野菜を使っていた。

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▲京劇のお面の模様をブラシに描く。

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▲ハサミを使って対称模様を作り、服のデザインにしていく。

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▲こちらでは壺の模様をひとつひとつ描いている。

華山美術幼稚園は公立で、一日の保育時間は7時半~16時半まで。月謝は月200元、食事が一日6元、また日本でいうところの延長保育が一日あたり10元と設定されている。(※2010年のデータによると、中国国有企業職員の平均月収は4,500元[※=日本円で約55,000円]である。

この費用は政府の補助により実現されているそうで、静安区の教育課長の話によると、同区の収入の3%程度が教育予算として組まれており、昨今の著しい経済成長に連動して教育関連の予算は上昇傾向にあるという。中国でも上海のような大都市は地方からの人口流入により、幼稚園も不足傾向になっているそうで、今後は公立幼稚園への全入制度の実現にも教育予算を増やしていくとのことだ。華山美術幼稚園のような特化教育型幼稚園だけでなく、今後は教育レベル全体の底上げがなされるのだろう。

▼取材協力
mmchina.jp 日中幼児教育交流


深田洋介深田洋介
学研の編集者、AllAboutのWebエディターを経て、サイバーエージェントの新規事業コンテストでは子育て支援のネットサービスでグランプリを獲得、その後独立。現在は子育て・教育業界×出版・ネット媒体における深い知識と経験・人脈を駆使して活動中。2001年生まれの娘の父。