ある一人の女の子の日常を1年以上にわたって撮り続けた写真集が、テレビや新聞・雑誌の書評で話題になっている。写真家の川島小鳥さんによる「未来ちゃん」(ナナロク社刊)。すでに7万部を発行し、アート系写真集としては異例の売れ行きだという。さらに東京・渋谷や大阪・梅田、さらには台湾でも写真展「未来ちゃん」が開催され、2万5千人以上が来場したそうだ。
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カメラをまったく意識していない「未来ちゃん」の自然体の表情はもちろん、写真の情景からにじみ出る、まるで昔のアルバムを見ているかのような郷愁感も相まって、一目見たらそのワンカットを目に焼き付ける強烈な個性を放っている。

もちろん、子どもを持つ親にとって最高の被写体はわが子なのだが、ではどうしたらこのように印象的で魅力的な写真を残すことができるのかに興味がわいた。

「子どもを撮るときの目線がポイントなのだと思います。被写体のお子さんに対して、『かわいい顔して!』『いいポーズとって!』という上からの目線で撮ってしまうと、どうしても“お膳立て”された写真になってしまうのではないでしょうか。」と話すのは発行元の出版社、ナナロク社の発行人である村井光男さん。

写真家の川島さんが、被写体である「未来ちゃん」と向き合い、子どもではなく一人の人間としてリスペクトしながら撮り続けてきたことで、子どもの写真の予定調和が一切ない“作品”を積み重ねることができたという。

子どもに対する目線の大切さは、写真の撮り方だけでなく、子どもの個性を引き出すための親子関係の在り方にも通じるのでは、と思った。

では結論、写真家のように被写体の決定的瞬間をとらえる嗅覚を持ち合わせない私たちはどうしたらいいか。最近では連写機能の充実したデジカメも普及している。子どもにポーズをとらせたり、表情待ちをするのではなく、日常のちょっとしたシーンを連写でこまめに取り続けるなかから、きっととっておきのわが子の1枚が残せるのだろう。

「未来ちゃん」(ナナロク社)
川島小鳥オフィシャルウェブサイト


深田洋介深田洋介
学研の編集者、AllAboutのWebエディターを経て、サイバーエージェントの新規事業コンテストでは子育て支援のネットサービスでグランプリを獲得、その後独立。現在は子育て・教育業界×出版・ネット媒体における深い知識と経験・人脈を駆使して活動中。2001年生まれの娘の父。