自民党の中長期政策の方向性を定めた報告書「日本再興」の内容をめぐり、子育て世代による議論がネット上で交わされている。
問題となっているのは、第6分科会「教育」の以下のくだりだ。
民主党は(中略)、子ども手当に見られるように、「子どもは親が育てる」という日本人の常識を捨て去り、「子どもは社会が育てる」という誤った考え方でマニフェストを作り、その予算化を進めている。
【「はじめに」より抜粋】

子どもの健全な発育にとって、乳幼児に対し親の愛情、スキンシップを最大限に注ぐことが大切である。そのため、父母ともに育児休業制度を十分に活用するとともに0歳児については、家庭で育てることを原則とし、家庭保育支援を強化する。
【2.家族の絆を大切にする家庭教育と幼児教育の充実(1)より抜粋】

「子どもは親が育てる」を“日本人の常識”と言い、さまざまな家庭の事情を考慮せず、「子どもは社会が育てる」ことは誤った考え方と断じていること、さらに0歳児保育の必要性を否定していると受け取られるような内容である。

内閣官房「社会保障改革に関する集中検討会議」委員もつとめ、病児保育のNPO法人フローレンスの代表である駒崎弘樹氏は、昨日自身のブログで、
自民党国会議員の中に、ひとりでも0歳児を家で育てた経験のある議員がいるのでしょうか?ひとりでも育休を取ったことのある議員がいるのでしょうか?

まさに「お前が言うな」という状態なのです。
僕はこの中長期政策体系「日本再興(笑)」を自民党が取り下げるまで、彼らに対してNOを言い続けたいと思います。

と強く非難しているほか、Twitter上でも、
  • 育休を利用できる企業や雇用形態で働いてる人は一握り。
  • 家庭で育てろというのなら父親の育休を強制させろ。
  • 子育てを家庭だけで完結させるなんて時代錯誤もはなはだしい。
  • 経済事情、病気など各家庭で事情を抱えてる。やっぱり政治家は国民生活をわかっていない。
  • 言葉の表面が一人歩きしてる?どのような施策を打ち出すのか注目したい。
  • さらに少子化が進むのではないか?

といった意見が飛び交っている。

自民党にも、閣僚として史上初の妊娠、また産休経験のある小渕優子議員、また50歳での初産となった野田聖子議員など、0歳児家庭の多様な事情を肌で感じている議員はいる。

いずれにしても、言葉尻を捉えての不毛な議論ではなく、提言のアウトラインから真意を汲み取った上でこの問題に関する対話と議論を重ね、よりよい政策をアウトプットさせていくことが大事なのは間違いない。その“引き金”となったという点では、子育て世代からの「日本再興」を考えるいい機会になったのではないかと思う。

日本再興|自民党の中長期政策体系
NPO法人フローレンス代表 駒崎弘樹氏の該当blog記事


深田洋介深田洋介
学研の編集者、AllAboutのWebエディターを経て、サイバーエージェントの新規事業コンテストでは子育て支援のネットサービスでグランプリを獲得、その後独立。現在は子育て・教育業界×出版・ネット媒体における深い知識と経験・人脈を駆使して活動中。2001年生まれの娘の父。