このたびの3連休に青森を訪れる機会があった。個人的にゆかりのある土地なのだが、今ではめったに来ることもないので、このタイミングで青森県六ヶ所村にある、「六ヶ所原燃PRセンター」に足を運ぶことにした。

青森県の下北半島にある六ヶ所村周辺には、ウラン濃縮工場や再処理工場、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターなどの原子燃料サイクル関連施設が点在するほか、となりの東通村にも東通原発が、またマグロで有名な大間にも建設中の大間原発があり、下北半島は「原発半島」の様相である。
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だが、車で下北半島をドライブすると意外にも、クリーンエネルギーの象徴的な建造物のひとつでもあるたくさんの風力発電施設が散在していることに気づく。さらに六ヶ所村周辺にはむつ小川原国家石油備蓄基地があるほか、バイオマス関連施設や地熱利用ヒートパイプを使った次世代ニュータウンの整備なども検討されており、同地域は「次世代エネルギーパーク」構想をうたっているほどである。
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そのなかでこのたび訪れた「六ヶ所原燃PRセンター」は、大型模型やタッチパネルなどを使って原子燃料サイクルについて紹介する施設、という触れ込みだ。実際にどんな施設かと訪れたところ、まず目に入ってきたのが、写真のふわふわ遊具であった。
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そして、訪問者のほとんどを占めていたのは、小さな子連れファミリーである。
それは無理もない。この3連休、同施設では「オータムフェスティバル」と称して、仮面ライダーフォーゼをはじめとしたステージショー、東北が生んだ偉大な漫画家、石ノ森章太郎氏をリスペクトした「萬画の国・いしのまき展」が開催され、「豆乳鍋」対「キムチ鍋」のグルメ対決、「奥様うっとりロール」といったスイーツ販売、スタンプラリー&ガラポン抽選会などが開催され、まるでどこぞの住宅展示場やショッピングモールと大差ないファミリー向けイベントが開催されていたからだ。
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PR施設としての使命を果たすための人集め企画として、その催し自体が悪いとは言わないが、なんとも大衆迎合的な手法にはかなり拍子抜けをしてしまった。ただ、実際に館内を見学してみると、周辺の原子力関連施設が双眼鏡で見られる展望ホール(3F)をはじめ、放射線についてわかりやすく学習できる展示物やクイズ形式のタッチパネル(2F)のほか、放射性廃棄物の貯蔵管理施設の模型による解説展示(1F)など、今こそ知っておきたい数々の情報が、わかりやすくキャッチーな構成による展示コーナーで充実していた。
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さらに学校や子供会などの団体向けには、「ペットボトル空気砲作り」や「光の万華鏡作り」といった科学工作のほか、放射線測定器を使って、乾燥昆布や御影石、湯の花や肥料などの放射線測定をする実験メニューも用意されているようだ。

いずれにしても、原子力エネルギーの「賛・否」「脱・減」について、双方の立場が理性的に噛み合いながら議論を重ねていく上でも、今こそこの施設がもつコンテンツを正々堂々と広く全国に向け、キャラバン的に発信し、より多くの大人から子どもたちまで知ることが必要なのではないかと強く感じた次第である。(…何しろ六ヶ所村は遠いわけであるし)


▼蛇足:余計なお世話かもしれないがこの情報は要改訂では?
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六ヶ所原燃PRセンター
六ヶ所村次世代エネルギーパーク


深田洋介深田洋介
学研の編集者、AllAboutのWebエディターを経て、サイバーエージェントの新規事業コンテストでは子育て支援のネットサービスでグランプリを獲得、その後独立。現在は子育て・教育業界×出版・ネット媒体における深い知識と経験・人脈を駆使して活動中。2001年生まれの娘の父。