さあ年末。さあ大掃除。今年もこの季節がやってきた。「捨てる」のが苦手な私には試練の時である。たまった空き瓶コレクション、美しき紙袋達、まだ着るかもしれない服、また見るかもしれない書類の山…。

子どもがいると、更に劇的に増える「捨てられないもの」。体は大きくなり、発達とともに興味は移り変わり、身につける物も遊ぶ物も、捨てない限りは雪だるま式に増える一方。さあどうする。
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「保管するコスト」を知る

町で見かけたトランクルームの広告、「おぉこれだ!」。いや、借りるのではなくて、そのコストに注目。東京都内、たった半畳程のクローゼットタイプが1ヵ月8,840円~。しかし「あまり使っていないもの」のために、このコストをかける気があるかと問われれば、それはやっぱり払えない。

これを家賃やら住宅ローンやらに置き換えてみれば、月々の支払いのそれ相応の割合をその不要品(のつもりではないんだが)を置くスペースのために払っているということになる。ただ「置いておく」ことにもコストがかかっている、という現実。

豪邸ならともかくこのあまりに限られた居住スペースにおいて。これはまずい、どうにかしなければ。数々の「捨てる」特集を見ても今いち本気になれなかったけれど、ようやくスイッチが入った。

「また使うかも」の気持ちをどうするか?

子ども関連の物を処分できない大きな理由のひとつが もしかするとまた使うかも?という漠然とした思い。ベビーグッズのように用途が限定されている物品というのは、またゼロからそろえるのはとても大変。

でも、結局全く使わずに何年経過したか数えてみる。そしてここからまた何年、不確実な未来への備えをする気なのか。保管にかかるコストと必要になったときに手配するコスト、果たしてどっちが無駄なのか。どこかの時点で判断する必要がある。

「もったいない」気持ちをどうするか?

「まだ十分使えそうだから捨てるのは絶対にもったいないなぁ」。これ、本気で見直すことに決定。きれいだからって持っているだけで誰も使わないのなら意味がない。「中古だけどよかったら…」と誰かにあげられるレベルかどうか、自分の思い入れを徹底的に排除して客観的によく点検する。

子どもの服はよくみたらシミがはっきりついていたり、おもちゃは口に入れる種の物はさすがにいらないだろうし、何らかの機能が壊れていたら嫌だろうし、「自信を持って人にあげられる」という観点でいくと、けっこうダメな山ができた。これらは思い切って処分しよう。あ、服はもちろんボロキレコーナーに。
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「捨てる罪悪感」を「第二の人生探します」でカバー

捨てなければ、と思うとため息が出る。どうやら捨てることに強い罪悪感があるらしい。ならば使える物は極力第二の人生を歩めるようにしよう。最近子どもの生まれた友人に、中古だけどいる物ある?と打診して、大型ベビー用品や、きれいな洋服を使ってもらう事に。

おもちゃは地域イベントのおもちゃ物々交換コーナーに持ち込んだり。そのうち誰かにあげられれば…のままではまた保管し続けてしまうから、 積極的に今、行き場所を探すべく努力。

中古の服やおもちゃを受け入れている仕組みや施設は結構あるものだ。誰かに使ってもらえるといううれしい気持ちと、やむを得ず処分する物があるという申し訳ない気持ちとで、バランスを取る。

「思い出」は形を変えて保存する

思い出、つまりは、自分が数年後に感じるであろうノスタルジーのために残している物というのが実は結構多い。個人的ノスタルジーに月8,840円?よし、考え直そう。書類や資料は自分の糧になったと考え、思い切って大量処分。

しかし、あぁ、子どもが初めて自分の力で持てたガラガラ、ひとりで歩けるようになって履いた靴、それらを私に捨てろというのか!つらすぎる…。そうだ、かさばらなければいいんだ!形を変えよう。写真に撮っておくのは、絵に描いておくのはどうだ? 段ボール一箱よりも、数メガのデジタルデータと一冊のスケッチブックで。

思い出の減価償却

思い切って捨てる物を選り分け始めると、今これを捨てるならなんだって今までとっておいたんだろう、とちょっとばかばかしくなる瞬間がある。これを捨てるならこれも同じ理由で捨てるべきだ、とか、どうせこうして捨てるのなら物を持つこと自体が無駄で…とか何やら極論に陥って身動きがとれなくなりそうになる。これはいけない。

保管してきた物は、思い出としての役割や再利用の機会を待つという役割を、それぞれこれまでの期間それなりに果たして来たわけだと考える。数年かけてその役割を「減価償却」して、処分する心の準備ができたと思えばいい。

いろいろと自分を説得してがんばったとはいえ、やっぱり捨てるのは苦手だ。あふれかえったボロキレコーナー、更に厳選されただけの紙袋、それでもまだ捨てられずに残った子どもの物を眺め、小さなため息をつく。

さて、捨てるのが苦手な皆さん、この年末、がんばれそうですか?


狩野さやか狩野さやか
ウェブデザイナー、イラストレーター。企業や個人のサイト制作を幅広く手がける。子育てがきっかけで、子どもの発達や技能の獲得について強い興味を持ち、活動の場を広げつつある。2006年生まれの息子と夫の3人家族で東京に暮らす。リトミック研究センター認定指導者。