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ドラマを終えたシャンデリアは次の世代へ受け継がれてく

ヨーロッパ一多忙な都市ロンドンで、あえてスローライフにこだわるグレンさん。写真家のライフワークとして長年ロンドンの若者と自分が生まれて育ったアメリカの田舎の若者を撮り続けているという。
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「ロンドンのような都会は毎日刺激に満ちたことが山のようにあるのに、実は毎日何をやったら良いかわからず倦怠感に落ち込む若者がたくさんいるんだ。なぜ都会の若者が暇に悩むんだろうか? それは時間と情報が猛スピードで流れる都会の生活のどこかに人間性を疎外する要素があるからだと思う。そんな都会に住むと、シンプルなことがどんどん複雑になり失われていく。例えば毎日庭の木に水をやったりして、植物や土に触れる喜びを感じること。そんな簡単なことがなかなかできないのが都会の生活。だからこそ、スローなライフスタイルを維持することが重要なんだと思う。娘たちにはそんな生活の中で温かい心を養ってほしい」。

そんなグレンさんが一番気に入っている家具は、ダイニングルームの食卓の上に吊るされた、ステンドグラスのようにカラフルなシャンデリア。近付いてよく見ると1つ1つのガラスが違う形をしていて、色も明らかに手で色を塗ったことがわかる。確かに他では見たこともない逸品だ。

「アンティーク店のカウンターの上に吊るされているのを見つけて一目惚れしたんだ。残念ながら『売り物ではない』と言われたので、理由を聞くと店主の友人のモノだからだという。その友人とはバースに住む75歳になる元電気工の老人。何年か前に妻に先立たれ、生きる勇気をなくしていたところ、妹に励まされて供養の目的で一緒にシャンデリアを作り始めたという。そのエピソードを聞いてさらに惚れ込んで、住所を聞いてバースまで車で出かけたんだ。老人は自宅に快く迎えてくれて、シャンデリアを譲ってくれたよ。おまけに老人は何時間もかけて車を運転して自ら取り付けにこの家に来てくれたんだ」。

そんな話が背景にあるとはまだ知るよしもない娘のデヴィちゃんとリラちゃん。熱心に語るグレンさんの傍らでテーブルの上にのぼって、ガラスを手にして遊んでいた。

PROFILE:グレン・エラーさん(45歳)/フォトグラファー。奥さんのジャニさんと2歳になる双子のデヴィちゃん、リラちゃんとロンドン北部のドリスヒルで暮らす。


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2006年創刊。雑誌、ウェブサイト、イベントを通じて父親向けの子育て情報を紹介するイクメン雑誌。旬のベビーカーやチャイルドシートなどの育児アイテムから、マタニティ&ベビー向けの基礎知識、ファッションに至るまで様々なライフスタイルを提案。「男の育児 online