今日、オーガニックや保湿効果のあるモノなど、赤ちゃんにとって高機能なベビーウェアが数多く登場している。選択の幅が広がってきているということは、どれを選べば良いのか、悩む場面も増えてきているということだ。

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赤ちゃんの肌着を選ぶポイント


sensei和洋女子大学生活科学科教授の布施谷節子先生(右写真)によれば、「綿100%にこだわる必要はない」という。
ベビーウェアのなかでも肌着は綿100%のものでなければと考えるお母さんがたくさんいますが、最近は化繊を使っていても吸湿性にすぐれ、しかもムレにくいなど赤ちゃんにとって大変良い素材が出てきています。綿100%にこだわりすぎず、時期や用途に適した素材を選んでいただきたいと思います

さらに、衣服の伸縮性を調べるときにも重要なポイントが。
衣服の伸びを見る時、横方向に引っ張ってみることが多いと思いますが、ベビーウェアでは縦や斜め方向の伸びも重要なポイント。これまでは縦方向の伸びに対応するベビーウェアが少なかったのであまり話題にされていませんが、この点に気をつけてあげると赤ちゃんの動きが格段に楽になります。


そして、サイズに関してついついやってしまいがちなある行動にもご指摘が。
すぐにからだが大きくなるので少し大きめのサイズを着せようと考えるのはあまりよくありません。一般にベビーウェアは身長や体重に合わせて区分されていますが、生後1年くらいまでの発育はめざましいので、単純に身長や体重でサイズを考えると赤ちゃんの動きに追いつけなくなる可能性があります。

ですから、1歳半頃まではおすわりやハイハイなど、お子さんができる動きにしっかり対応できるウェアを選ぶようにしてほしいですね。無理なくフィットするウェアを着せてもらうと、赤ちゃんは思った通りにすっと動くことができ、動くのが楽しくなります。


赤ちゃんの研究を重ねた「ワコール」


では一体、赤ちゃんにとって最適な肌着とは、例えばどんなものか。その答えは、日本女性なら誰もが知っている女性用下着メーカー「ワコール」にあった。

1964年の発足以来、ワコールはのべ4万人以上の日本人女性のバストなどのデータを集積し、商品に生かしているというのは有名な話だ。そんなワコールがその研究技術を活かし、ベビーの体に関する多くのデータをもとに開発したベビー肌着「ワコールベビー」をご存知だろうか。

ワコールベビーは、ワコール人間科学研究所と京都女子大学の共同開発で生まれた。約340人の乳児の身体を調査し、静止状態に加え、身体を伸ばしたときやお座りした時のサイズも計測。そのデータを基に、赤ちゃんの動きや成長段階に合わせて開発されている。

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そんな、繊細なベビーウェアを生み出す機械(上写真)はコンピューター制御で約1000本の針を高速で正確に動かし、糸から筒状の布地へと編み上げていく。これは女性用の高級インナーウェアやシームレスストッキングにも多く用いられている技術である。このマシンは日本で数台しか稼働しておらず、操作できる人間も限られているため、非常に貴重なのだ。

機能性、デザイン性、価格……。ベビー肌着には、親が選びきれないほど多くの種類があふれている。しかし、赤ちゃんの肌に直接触れるものだからこそ、赤ちゃんの体型に合わせた1枚を選んでいきたいものである。


baby_kenkyujyoワコール ベビー研究所
各¥5,250
・STEP1……誕生~首がすわるくらいまで(50~60cm)
・STEP2……寝がえり~ひとりすわりくらいまで(60~70cm)
・STEP3……はいはい~ひとり歩きくらいまで(70~80cm)


nobichaoワコール ノビッチャオ
・ベビーTシャツ(フードつき) ¥4,515
・ベビーレギンス ¥2,625

ワコールベビー


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2006年創刊。雑誌、ウェブサイト、イベントを通じて父親向けの子育て情報を紹介するイクメン雑誌。旬のベビーカーやチャイルドシートなどの育児アイテムから、マタニティ&ベビー向けの基礎知識、ファッションに至るまで様々なライフスタイルを提案。「男の育児 online