「美人すぎる区議」としてメディアの注目を集める港区議の小田あきさん(30)。人気女子アナ似のルックスばかりが取りざたされがちだが、実は彼女は2歳になったばかりの女の子のママでもある。出産・子育てがきっかけで政治の世界に足を踏み入れた小田さんに、子育て支援施策の拡充に奔走した議員生活1年目を振り返ってもらった。

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昨年4月の港区議選で、3位当選。資生堂の総合職としてバリバリ働いていた小田さんが政治家を志したそもそものきっかけ


「2010年4月に長女を出産し、育休を取っていました。いざ自分が親になってみると、周りのママ友たちとの会話は、『保育園に入れない』とか『仕事を続けられるのかな』とかそんな話題ばかり。住んでいる港区の待機児童率は東京23区ワースト。世の中でこれだけ少子化が問題になっているのに、女性が働きながら子どもを産んで育てていく環境が整っていない現実を痛感しました。ある時、テレビで、少子化対策担当大臣や政治家たちがしゃべっているのを見て、その内容にも現実にも疑問を感じ、冗談で『私が少子化対策担当大臣になりたいよ』なんて、夫に話していたんです。そこから話が広がって、『今度の統一地方選に出てみたら?』というお話をいただいたのですが、正直、『区議』と言われても、最初はピンとこなかった。政治の世界には素人だったし、当時は、政治=国政と思っていましたから。でも、よく考えたり、話を聞いたり、調べていくと、子育てに関わる施策は、住んでいる自治体の役割が大きいんですよね。それなら、区議になって港区の待機児童の問題を解決してやる!そう思って、区議選立候補を決めました。

―区議会では保健福祉常任委員として、待機児童ゼロの公約実現に力を注いだ1年でした。振り返ってみて、成果は?

「認可保育園の定員拡大など地道な積み重ねが実を結んで、今年4月、港区の認可保育園の0歳児の定員数と申し込み数が拮抗し、0歳児の待機児童はゼロになる見込みです。1歳児、2歳児の待機児童数はまだまだ多いので、課題は残っていますが、区議としての自分の活動が形になった達成感は感じています。なにより、子育て世代の区民の声を、区政の場に届けられたことがうれしいです。以前は、子育て中のママたちのリアルな声が政治の世界に届いていないと感じることもありましたから。私のメールボックスには、日々、小さいお子さんを持つママたちからメールが届きます。応援や激励もあるし、「認可にも認証にも入れず、無認可保育園に高額な金額を払って子どもを通わせている」という悲痛な声もあります。自分と同世代だったり、子どもの年齢が近かったりということで私を身近に感じ、そういった声を届けてくれているのだとしたら、区議になってよかったなと心の底から思えます。

ママと区議の両立の難しさ。ママだからこそできること、広がる可能性もある。


当然と言えば当然ですけれど、公私の境目が無いところで、夜や土日の公務も多い。その点では、会社員として働いていた方がよっぽど楽だと思うこともたびたびです。会社勤めのころは、仕事を家に持ち込まない限りは、退社をすれば自分の時間だったけれど、今は違う。娘は昨年、認可保育園に入れず、選挙期間中はまだ授乳中の娘を抱いて街頭演説をしていました。この4月も認可はダメで、認証保育園に通わせています。区の待機児童問題を、身をもって体験しているわけです。娘との時間は大切にしたいので、なるべくお迎えの時間までに仕事を終わらせて、ママとしての自分と区議としての自分のバランスを取るようにしています。

―子育てに仕事に奮闘しているママたちへのメッセージを。

odaaki2私自身も、かつては政治に無関心な一人でした。でも、子どもを産んで、子育て環境の問題点を改善したいと思うと同時に、今の子どもたちが成長した時、より良い日本でなければいけないと強く感じるようになりました。無関心なままでは社会は良くならないという思いで、今に至ります。日々の育児の中で困ったこと、疑問に思うことがあれば、声をあげてみてください。まずは住んでいる自治体やそこの議員にメールをしてみるだけでも、何かを変えるきっかけになるかもしれません。そして、ママだからこそできること、広がる可能性もあるということを忘れないでいてほしいです。私もこの先ずっと、子どもも親も幸せに、子育ても仕事もイキイキと両立できる社会の実現のため、力を尽くしていきたいと思っています。

小田 あき(小田亜紀)プロフィール
港区議会議員
1981年5月13日生まれ。徳島県出身。
資生堂を経て、2011年港区議会議員選挙へ初出馬、初当選。
少子化対策、行財政改革など都市計画を中心に日々奮闘中。
2010年4月生まれの女の子のママ。


恩田 和(Nagomi Onda)恩田 和(Nagomi Onda)
全国紙記者、アメリカ大学院留学、鉄道会社広報を経て、2010年に長女を出産。国内外の出産、育児、教育分野の取材を主に手掛ける。2012年5月、南アフリカのヨハネスブルグに移住予定。アフリカで子育て、取材活動を満喫します!