約2年半ぶりの日本一時帰国。今回は息子とふたりでの帰国でした。いくら日本とはいえ、2歳の子どもとふたりなので多少の不安はありましたが、子どもを連れて外に出て見ると、数年前に比べて確実に増えた子連れの多さに不安は少しずつ消えていきました。

子どもを持つ前は見えなかった(興味が無かった!?)「子連れ外出の世界」。
レストランや子ども向けのエンターテイメント施設などでは、サービスが行き届いているので心配は無かったのですが、今回一番の心配事、それは「公共交通機関での移動 with ベビーカー」。

フィンランドでは当たり前のようにベビーカーごとバスや電車、トラムに乗りますが、はたして日本の状況はどうなのか?電車に乗る時はベビーカーを畳まないといけないのか?いや、その前にベビーカーごと電車に乗っていいのか?駅構内にエレベーターってあるのかしら?それとも、エスカレーターを使ってもいいの??って、その前にみんな子どもを連れて(ベビーカーで)お出かけしてるのー??と、根本に戻って頭の中をぐるぐるぐる……。

まぁ、そんなことでウダウダしてても仕方ないし、用事もあるので出かけることに。
案ずるより産むが易し。これがラッキーなことに行く先々の駅でエレベータが設置されているではありませんか! そして、ベビーカーを押しているお母さんの姿もちらほら。これは心強い。

ほっとしながらホームで電車を待っていると、柱に貼られた優先席のステッカーが目に入ってきました。「体の不自由な人、高齢者、妊婦」、そして「ベビーカーを押すお母さん!!」

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前回の帰国時には無かったマーク。思わずカメラを向ける。かなり観光気分。
実際、ベビーカーで優先席近くに入ってみると、なんと席を譲ってくれました。しかも、若者(おそらく高校生)! 「いや~、日本の未来は明るい!」なんて、勝手にテンションを上げてしまいました。

だって、前回の帰国時、かなり大きくなったお腹を抱えて電車に乗っても(もちろん優先席前、そしてマタニティーマークキーホルダーを付けているのに)1回も席を譲ってもらえなかったんです。妊婦さんって、臨月くらいお腹が大きくならないと大変そうに見えないんですかね?

まぁまぁ、気を取り直して……、とにかく席を譲ってもらえたこともそうですが、その気持ちが本当に嬉しかったのです。また、エレベーターが無い場所で困っていると、通りすがりの人が助けてくれたりと心温まる経験もしました。

今回、地方都市にも滞在したのですが、車での移動が多いせいか、逆にベビーカーで移動している姿をあまり見かけませんでした。なので、バスや路面電車も低床車の数が少なく、ベビーカーでの移動は一苦労。

その都度、子どもをベビーカーから降ろし、ベビーカーを折りたたみ、乗車し、窓の外を見たいとせがむ子どもを抱っこし、片方の手で折り畳んだベビーカーと荷物を支え……。

子どもが寝ている時は起こせないので、低床車を待つか、ひたすら歩き続けるか。
でも、乗ってしまえば他の乗客の方々が席を譲ってくれたり、荷物を持ってくれたり、そして息子をあやしてくれたり、とこういった優しさが、この大変さを随分と和らげてくれました。

また、他には児童館の設備やプログラムの充実さや小さな子どもを持つお母さんたちのネットワークや情報の豊富さに、息子も自分も日本での短い生活を楽しむことができました。

以前は何となく日本では子育てしにくいというイメージがありましたが、今回のこういった人々の優しさや変わって来た子育ての環境に「日本で子育てもいいかも」なんて思えた滞在でした。

中村雅子中村雅子
北欧デザインに魅せられ、2004年に渡芬。2007年、日本人の夫と共に日本のデザインプロダクトを販売する店「common」をオープン。また、フィンランドデザイン・雑貨を販売するウェブショップ「カウッパトリ」を運営。最近活動的になり始めた息子に振り回されつつ、フィンランドでの子育てを満喫している。家族は夫と2010年生まれの息子。ヘルシンキ在住。