6/4から7/31まで、今年もまたLeikkipuisto(レイッキプイスト=児童公園)で、「Kesäruokailu(ケサルオカイル)」と呼ばれるお昼ごはんを提供するサービスが行われています。16歳までの子どもを対象としたこのサービス、事前に予約を入れる必要がなく、そして無料!器やカトラリーは各自持参します。

この「Kesäruokailu」、夏のプログラムに導入されたのはなんと1942年。長い歴史があるのです。

12:00前になるとどこからともなく人が集まって来て、食事をもらうために長蛇の列ができます。場所によりますが、私たちが通っているLeikkipuistoでは、1〜2曲みんなで歌を歌ってから配給がスタート。
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余ればおかわりもできます。このLeikkipuistoでは敷物も貸し出ししているので、それを敷いて食べればちょっとしたピクニック気分で楽しめたり。

献立はLeikkipuistoの掲示板やヘルシンキ市のサイトで確認できます。献立表にはその日のメニューと制限されている成分や食物がアルファベットで記載されています。
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例えば7/3(火)は「Jauheliha-kasviskeitto(ひき肉と野菜のスープ)」とあり、その横に「M L G S」と書いてあります。「M=乳製不使用」「L=乳糖不使用」「G=グルテンフリー」「S=豚肉未使用」の意味。そのほか、「牛肉未使用」や「乳糖少量使用」などがあり、もっと詳しく知りたい場合はヘルシンキ市のサイトから調べることもできます。

メニューは基本的にスープが多く、たまにリゾットのようなご飯ものが登場し、お腹をすかせた子どもたちを満足させてくれます。

大麦のミルク粥に少しとろみのあるベリースープをかけて食べる「Ohrapuuroa Mehukeittoa」というメニューはなんとも北欧らしい一品。(このメニュー、お昼ご飯ではなくおやつでしょ!と思うのは私だけでは無いはず……)

偏食気味の息子には無理だろうな〜と諦め半分で与えてみると、意外や意外、ペロリと平らげおかわりまでしていました。(やっぱり、これおやつだわ!)

味は「平均的なフィンランドの味」と言ったところでしょうか。0歳から16歳までの子どもが食べるので、やはり塩分控えめになっていますが、十分おとなでも食べられる味付けです。これにパンを付ければ子どもたちにとってはちょうどよいランチになります。

子どもたちだけではなく、働いているお母さんにとっても栄養のバランスが取れたお昼ご飯を無料で提供してくれるこのサービスはとても有り難いものです。しかしながら、食べ残しの問題をはじめ、このサービスに対する税金の使い道を批判する声など、賛否両論あるようです。


単純かもしれませんが、私個人としては青空の下で食べるご飯はピクニックのようで楽しく、また、息子にも大勢で食べる楽しさを体感できる良い機会だと思います。子どもたちが大人になった時、懐かしい夏休みの想い出のひとつになるのではないでしょうか。


中村雅子中村雅子
北欧デザインに魅せられ、2004年に渡芬。2007年、日本人の夫と共に日本のデザインプロダクトを販売する店「common」をオープン。また、フィンランドデザイン・雑貨を販売するウェブショップ「カウッパトリ」を運営。最近活動的になり始めた息子に振り回されつつ、フィンランドでの子育てを満喫している。家族は夫と2010年生まれの息子。ヘルシンキ在住。