出典:Benesse教育情報サイト(http://benesse.jp/)

日本PTA全国協議会(日P)はこのほど、「子どもとメディアに関する意識調査(http://www.nippon-pta.or.jp/material/pdf/21_mediahoukoku.pdf)」(2011<平成23>年度)の結果をまとめました。子どもに見せたい/見せたくないテレビ番組を尋ねるなど恒例の調査ですが、携帯電話(ケータイ)やゲームの利用状況も調べていて、このコーナーでもフィルタリングの利用状況など、たびたび取り上げてきました。その中に、ちょっと気になるデータがあります。子どもたちに、ショッピングやオークションなどの「ネット取引」が広がっているというのです。
インターネットで物品のやりとりをした経験がある子は、小学5年生で28.5%、中学2年生で46.1%と、中学校では半数近くに上っています。前年度と比べると、それぞれ2.6ポイント、2.9ポイントの増加です。じわじわ広がっているという感じでしょうか。

ネット利用の目的(複数回答)を尋ねても、「勉強のための情報収集」「趣味や娯楽のための情報収集」などが上位に挙がるなかで、「ネットショッピング・オークション」も小学生で12.5%(前年度比2.6ポイント増)、中学校で25.8%(同3.8ポイント増)となっており、利用目的の一つだという子も少なくありません。しかし、子どもがネットを「買い物や物々交換」目的で使っていると認識しているのは、小学生の保護者で4.4%、中学校の保護者でも7.3%にすぎません。

実際にネットでやりとりした物品は、小学生で「ゲーム類」12.1%、「ファッショングッズ」11.5%、「スポーツ用品」10.1%、「おもちゃ」8.9%、「本、マンガ、雑誌」8.1%など、中学校では「ファッショングッズ」19.7%、「ゲーム類」18.4%、「画像・音楽」16.5%、「本、マンガ、雑誌」16.2%、「スポーツ用品」15.0%、「CD・DVD・CD-ROM・ビデオなど」14.2%など、多岐にわたっています。
調査項目にはありませんが、ネット取引をどうやって決済しているかも気にかかるところです。しかし、インターネット上での物品のやりとりについて保護者と「まったく話さない」「ほとんど話さない」という子が小学生で31.7%、中学校で43.2%もおり、とりわけ小学生は前年度と比べ4.6ポイントの上昇です(中学校は1.8ポイント減)。

ところで、こうしたネット取引は今のところパソコン上で行われていることがほとんどで、ケータイを使うのは画像・音楽のダウンロードが中学校に多いのが目立つくらいです。ただ今後、パソコン並みの機能を持ったスマートフォン(スマホ)が子どもにも普及していくことが予想されており、ネットショッピングも手軽になります。調査によると今のところ保護者の8~9割は「子どもにスマホは必要ない」という考えですが、子どもにせがまれた時にいつまでも抗しきれるでしょうか。調査では、ネットの危険性やマナーを教えてもらったのは「親」が最も多く、小学生で4人に3人、中学校でも3人に2人近くでした。やはり保護者の出番ということでしょう。


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