カブトムシがやってきた。

友だちが、知り合いからいっぱいもらったからと、オスメス一匹ずつ分けてくれたのだ。

子どもが何かを飼うと言ったら、ほぼイコール、親がその世話をするということだ。これまで、金魚からうさぎまで、様々な「飼いたい要望」をさらりと受け流して来たものの、これはまぁせっかくのチャンス。息子は本気でジャンプして喜んでいるし、私も頑張るとするか。

「僕の初めてのペットだねっ」と大興奮する5才男児に、虫は普通ペットとは呼ばないなどと指摘するのは無粋だ。この際一緒に盛り上がることにしよう。



飼育方法を調べてみる


早速その晩、息子にせかされ、カブトムシの飼い方をネットで検索。必要なものを調べた。カブトムシなんて公園の土でもちょこっと入れて、スイカの皮やら砂糖水やら置いておけばいいんじゃないのかと思っていたのだが、これがずいぶん違う。

スイカの皮は水分が多くてカブトムシが下痢をするだって?いつからカブトムシはそんな軟弱になったんだ! いや、でもそういえば小学生の頃、兄が飼ってたカブトムシはすぐ死んじゃったなぁ。あれ、あのスイカのせい?

さて、今どきの情報を参考に必要なものをリストアップ。

・飼育用のケース
・飼育マット(腐葉土でも可)
・止まり木
・餌台
・餌(昆虫用ゼリー)
・霧吹き

まぁこんなところか。
止まり木は息子が公園で拾ってきた木がベランダに転がってるからあれでよし。霧吹きは100円ショップで買ったのがどっかにしまってあった……しかし結局、結構買うものがあるなぁ。

翌日、全部揃うかちょっと不安に思いながら息子と近くのホームセンター風の店へ。とりあえずペット用品コーナーへ向かってみると、なんのことはない、目の前にカブトムシ・クワガタ専用棚が!

「…… はい、そこのお母さん、お宅もですか?ご安心ください!全部ここにありますよ、だからもらさず全部揃えていってくださいね ……」と、やさしい笑顔の下でしたたかに商売してますっていう雰囲気が棚全体から漂い、微妙な気分になる。

しかし、これで店めぐりをしなくて良くなったのだからむしろ感謝すべきである。はぁ、わかりました、これとこれとこれと……、と、抵抗せず素直に購入した。

飼育準備から一悶着


飼育ケースに、腐葉土のような風合いの飼育マットを結構たっぷり入れる。湿度が重要らしく水を適度に含ませ手で混ぜてチェック。

なんとこの時点で早くも息子、飽き始める。飼うには手順てものがあるのっ、まずは土を混ぜなさいっ、手?汚れるにきまってるでしょ!それを気にしてたら虫なんて飼えないよっ!だからぁカブトムシはまだ入れないのっ! すでに母の気持ちもイライラ方面に傾きかけている。いや待て落ち着け、一緒に盛り上がるんだった。

まぁ昆虫ゼリーが気になってしょうがないのはわかる。子ども向けのミニゼリーそっくりで、色と味も何種類かある。こりゃぁ便利だし、あげる方もウキウキするに違いない。餌台というのは、木を丸太もしくは切り株風にカットして、上部にこの昆虫ゼリーがぴたっとはまる穴が開けてあるもの。いかにも自然風の人工物である。

この餌台とゼリーを設置する段階にきてようやく息子も満足。あとはベランダから木片を持ってきて差し、めでたく終了。カブトムシたちを引っ越しさせて、いよいよ飼育のスタート!

じつは飼育の入門編にぴったり?


始まってみると、これがなんと手のかからないことか! 土が乾いたら、霧吹きで水をシュッシュッ。餌が減って無くなりかけたら、ゼリーの交換。基本、それだけ。幼児のやる作業としても難易度は高くないし結構楽しい内容だ。

白状すると、私は動植物を育てるのがどうも苦手だ。エアープランツというサボテン並に手のかからない植物をあっという間に枯らせた前科がある。そんなズボラな私でも大丈夫。これはいけそうだ。

さて、ここでレシートチェック。
・飼育ケース中型:1,180円
・昆虫マット5L:248円
・昆虫ゼリー50個入り:398円
・餌台:278円
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=合計:2,104円

……まぁコスト的にもそう悪くないか。
夏の終わりに死んでしまうとわかっているだけに、死んだ時の雰囲気を想像すると、哺乳類、魚類、両生類系に比べるとだいぶライトなのも、大人の感覚としては助かる。

幼児と母の飼育入門編として、カブトムシはなかなかいいことづくしのようだ。

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そして近況、早朝起きてくるなり、「ぼくのクワガタ元気かなぁ」で一日が始まる。なんだか夏休みっぽくて楽しい。

……ただこれだけは今日も一応訂正しておこう、このツノはクワガタじゃなくて、カブトムシ。いいかげん、覚えなさい。


狩野さやか狩野さやか
ウェブデザイナー、イラストレーター。企業や個人のサイト制作を幅広く手がける。子育てがきっかけで、子どもの発達や技能の獲得について強い興味を持ち、活動の場を広げつつある。2006年生まれの息子と夫の3人家族で東京に暮らす。リトミック研究センター認定指導者。