自分の子が初めて高熱を出した日のことを覚えているだろうか。

息子が普通の風邪で高熱を出したのは1才代。真夜中、小さな体に時折差込む体温計が、38度台後半~39度を表示し続けた。

今、手足がぴくっとしたけど、もしや熱性痙攣というもの? ……いやこの程度なわけないか……。寝ているのと、意識を失った状態って、素人に判別できるんだろうか……。不安はあふれ、「乳幼児の場合、重症化することもあるので注意が必要です」というよく見るフレーズがそれをあおる。

しっかり観察しても、この熱が小さな体にどの程度の負担なのか、緊急性が高いのかどうか、正直よくわからず自信が持てない。このまま朝まで様子を見て大丈夫と判断したものの、何だか一晩中心配だった。

とくに最初の数年、自分の経験値が低い上に、子どもはたくさん病気をする。親になった気負いも強く、重症度を見極めるプレッシャーは相当なものだ。

小児救急の患者、9割以上が軽症!?


「不安だったら、夜中でもとりあえず病院へ連れて行った方がいい。勝手に判断して手遅れになったらどうする!」という考え方もあるだろう。

しかし、休日・夜間診療は本当の緊急状態でない限り、連れて行く方が子どもの体に負担がかかる可能性もある。そもそも、不安だからというだけでいわゆる「コンビニ受診」をしてしまうのは小児救急医療にとって大きな負担だ。

実際、東京都で休日・夜間に入院医療が可能な「小児二次救急施設」を受診した患者のうち、94%は入院が必要ない軽症者だったという報告()がある。

子どもの命に関わる可能性を思うと判断は怖い。でも、夜中でも救急に駆け込んだ方がよい状態なのか、朝まで待って通常の診療時間に行けば十分なのか、ここを親が上手に見極めるだけで、小児救急医療の負担を減らすことができるはずだ。

「医者に丸投げ」しないために……


もちろん明らかに緊急性が高ければ、救急車を呼んだり、休日・夜間診療を利用することを躊躇してはいけない。

ただ、もしそれらの「最終手段」が必要なのかどうか悩んだら、渦巻く不安を医者や救急車に丸投げする前に、子どもをよく観察して、専門家の助けを借りよう。助けてくれるサービスがある。

★「#8000」子どもの急な病気に困ったら、まず電話!
「#8000」これは「小児救急電話相談」の番号。休日や夜間、病気への対処や受診の判断に迷った場合に、電話で小児科医師・看護師に相談ができるシステムだ。

小児救急医療電話相談事業(#8000)について[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html

実際には、短縮番号#8000にかけると、各都道府県に設けられた相談窓口に転送される仕組みになっている。利用可能な時間帯や短縮番号の使用条件が自治体毎に違うので、自分の地域のサービス詳細を確認しておくといいだろう。

★日本小児科学会「こどもの救急」サイト
インターネット上の情報は慎重に取捨選択する必要があるが、「こどもの救急」は、日本小児科学会の監修で信頼がおける。

こどもの救急~おかあさんのための救急&予防サイト
http://www.kodomo-qq.jp/

症状を選び具体的な項目にチェックをいれて結果を見ると、「診療時間まで家庭で様子を見て待つ」「休日・夜間診療にタクシー等ですぐに行く」「救急車を呼ぶ」のいずれかをアドバイスしてくれる。

判断の目安になる上、親が観察すべきポイントや医者に伝えた方がよい内容がわかり、心強い。

★救急車を呼ぶべきか迷ったら「#7119」【東京都限定】
これは東京都限定だが「#7119」。「東京消防庁救急相談センター」の短縮番号だ。
小児に限らず、救急車を呼ぶべきか、すぐにでも病院にいくべきか、と迷った時に医療チームに相談できる。24時間体制で、緊急性に応じてそのまま救急車を手配したり、医療機関を紹介してくれる。

東京消防庁救急相談センター
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/kyuu-adv/soudan-center.htm

番号やシステムが違っても、各自治体や消防署ごとに相談窓口を設けているケースもあるので、自分の住んでいる地域に同様のサービスがないか調べておくと、いざという時に便利だろう。なお、「#7119」の短縮番号は、大阪府でも採用されている。

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子育て開始から6年も経ったのに、そういえばこの前、自分の母に電話して言っていた。
「やっぱり休み明けに病院連れて行った方がいいよね~」
なんとなく経験者のひと言で安心したいんだろうな。

「#8000」も「こどもの救急」も、母の「そうね」も大切だ。


出典
中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会(第143回)議事次第(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/10/s1030-17.html)中、小児医療等について:参考資料(小児救急)全体版6ページ
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/10/dl/s1030-17c.pdf
(同ページの出典は「平成20年度東京都休日・全夜間診療事業(小児科)実績報告」)

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狩野さやか狩野さやか
ウェブデザイナー、イラストレーター。企業や個人のサイト制作を幅広く手がける。子育てがきっかけで、子どもの発達や技能の獲得について強い興味を持ち、活動の場を広げつつある。2006年生まれの息子と夫の3人家族で東京に暮らす。リトミック研究センター認定指導者。