「ゴーン……」
という除夜の鐘で始まるのは『ゆく年くる年』(NHK総合)ですが、NHK Eテレ(以下、Eテレ)はその性質上、年度切り替えの4月に最も大きな番組の入れ替えが行われます。

民放ですとこれを「4月クール」などといい、3ヵ月単位で7月・10月・1月のタイミングで新番組が投入されては終わっていくのですが、Eテレの乳幼児・学校放送枠などの場合、単位はだいたい1年です。半年クールで変わるのは『いないいないばあっ!』の体操の赤ちゃんくらいではないでしょうか(大きくなっちゃいますからね)。

ということで、「Eテレ・ゆく番組くる番組」。まずはこの3月で終了が決定した「ゆく番組」からおもな番組を……

惜別!ゆく番組たち


■つくってあそぼ
■クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!
■クインテット

まずはなんといっても『つくってあそぼ』の「わくわくさん」の引退。「わくわくさん」こと久保田雅人さんは、放送終了に際してご自身のサイトで、「その昔、『わくわくさんとゴロリ』という人間と着ぐるみがとっても楽しい素晴らしい工作をしていたんだよ」ということを後世に伝えていってほしいと伝えているのですが、え!ゴロリ、着ぐるみ?とあっさり表明してしまうという、なんとも愛すべき隙が……。

そして、幅広い世代に絶大な人気を集めた、あの「まいんちゃん」もついに引退です。ひなちゃんが出てきたあたりから、うすうすといつか来るその日を覚悟はしましたけどね……。あれだけたくさんの歌と踊りを覚えるだけでも大変な収録だったことでしょう。「まいんちゃん」の今後の活躍に期待しましょう。料理の腕にも。

枠移動番組も要チェック


放送時間枠が移動する番組もあります。特に朝は大事です! つい時計替わりにしていると思いますので、新体制に早く慣れないといけませんね。

■ピタゴラスイッチミニ
■フックブックロー
■にほんごであそぼ
■えいごであそぼ
(※『みいつけた!』~『いないいないばあっ!』までのゾーン番組以外は午後編成も移動有り)

朝は「ピタゴラミニ」が6時台に移動、「フック」が7時台に、「にほんご」と「えいご」は入れ替えの形になります。夕方も午後3時台からいろいろ移動がありますので要チェックです。

継続番組のトピックス


ここで、継続となるレギュラー番組からいくつかトピックスをご紹介。

■あつまれ!ワンワンわんだーらんど

【ことちゃん残留】
年末に放送された大阪公演で、まさかの「ゆうなちゃん登場」。そのため年度末で卒業か?と噂されていたことちゃんですが、平成25年度のわんだーらんどのホームページでも、出演者一覧に名前を確認できました。ゆうなちゃんが時々ゲスト出演……は、あるかも!ですね。楽しみにしましょう。新年度はひさびさに東京都内の公演もあるようです。


■みいつけた!/みいつけた!さん

【4月から字幕放送開始】
そうなんです、字幕がつくんです。これでやっと「ばあっ!」「おかいつ」「みいつけた!」3番組揃っての字幕対応になります。歴史は浅い方の番組ですが、レベルアップした感がありますね。

じつは子育て中の身に意外と役立つ機能でもあるのが「字幕」。たとえば子どもがギャーギャー騒いでいる時、「え、今サボさんなんて言ったの?」とオチが聞き取れなかった時でも、字幕で追えるありがたい一面も。ただ、『みいつけた!さん』のフリートーク部分とか、字幕担当さん大丈夫ですかね……。

期待!くる番組たち


さて、お待たせしました。4月の新番組から、乳幼児~小学生向けの注目番組をご紹介します!

■おとうさんといっしょ
(※BSプレミアムでの本放送およびEテレでのミニ番組)

まずは注目なのがこちら。
いろいろと憶測を呼んでいましたが、ついに、おにいさん・おねえさんほかキャスト発表がありました。

思ったほど有名人を起用するでもなく、現状の「おかいつ」メンバーが出るでもなく、二人ともがまったく無名なわけでなく……という、あまり見ないパターンでしたね。

おにいさんに抜擢されたのは俳優の聖也。今年で20歳(現在19歳)と若い!ヘタしたら自分の子どもでもおかしくない年齢……。記者会見ではバック転を披露していましたが、聖也はとにかくアクロバットがすごい!
↓彼の公式動画にもありました。
http://www.youtube.com/watch?v=fu6iS9OatdQ
0:30から見られる技、日本で7人くらいしかできない技なんですって!

おねえさんの方は、「ポコポッテイト小劇場」の大阪公演でうたのおねえさんを担当していたという安藤奈保子さん。新人とはいえ舞台慣れしているということで期待大。

そして、人形劇パートの「レオレオれーるうぇい」では、主人公の「シュッシュ」の声&操演は、お笑いコンビ「アメリカザリガニ」の柳原哲也(『はなかっぱ』カラバッチョの声など)ということで、あのハイトーンボイスを想像しておけばよいかと思います。
(※着ぐるみの操演と声を同じ人が務めたケースは、古くは愛川欽也、現在では「ワンワン」のチョー、「サボさん」の佐藤貴史がいる)

Eテレの「おとうさんといっしょミニ」に、どのくらいのコーナーが入るのかなどまだ未定ですが、こちら楽しみに放送を待ちたいところです。


■すすめ!キッチン戦隊クックルン

「まいんちゃん」のラインを継承すると思われるのがこちら。アニメーションと実写の料理シーンで構成されるそうです。三人きょうだいが変身して、地球を狙う悪の組織と料理で戦っていくという設定。うん、包丁で戦うと危ないからね。

長女リンゴ役の田口乙葉ちゃんはアミューズ所属の11歳。顔の雰囲気からして、「まいんちゃんの正統派後継タイプ」な感じ。長男セージ役は中尾壮位くん。成績優秀で様々なアイディアを思いつくクックルンの頭脳という触れ込み。次女クミン役の幸田雛子ちゃんは、セントラル所属でCMなどにも多数出演の人気子役だそうです。


■ムジカ・ピッコリーノ

音楽の成り立ち、構成をわかりやすく見せる小学校低学年向けの音楽番組、とのこと。昨年夏に放送されたパイロット版からそんなに改定がされていないのであれば、音色や音階を視覚的に『見える化』したり、音楽を用いた実験を行ったりと、なかなか斬新な内容になっているのではと思われます。

主人公のドットーレに浜野謙太(SAKE ROCK)、機関士役にはサンコンJr.(ウルフルズ)、ナレーションはリリー・フランキー、となんだか大人好みなこのキャスト。


■ノージーのひらめき工房

こちらも昨年にパイロット版が放送されていました。『できるかな』『つくってあそぼ』のライン、工作番組のニューフェイスです。

パイロット版を未見の皆様。これ、だいぶショッキングな映像になると思います。まとめるとこんな感じ……
・太陽みたいな顔の人がいる
→ガムテを丸めたようなキャラが喋る
→そのガムテはゴム箱に住んでいる「クラフトおじさん」というらしい
→捨てたらゴミになるようなもので工作を楽しむらしい
→哲学的なお題が出る
→正解のない工作を作る

ちなみにこちらの番組、絵本『かおノート』などでお馴染みのアートユニット、tupera tupera(ツペラツペラ)さんがアートディレクションを担当されています。「子どもとアート」がもっともっと身近なものとして捉えられるように伝えていってくれたら、と期待したいです。

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……ここまで駆け足でお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。

去りゆく番組に敬意を表しながらテレビ鑑賞、来たる新番組にワクワクしながらテレビ鑑賞、そんな春の過ごし方はいかがでしょうか。花見もいいけどテレビもね!

では「Eテレ・ゆく番組くる番組」、また来年お会いしましょう!


ワシノ ミカワシノ ミカ
1976年東京生まれ、都立北園高校出身。19歳の時にインディーズブランドを立ち上げ、以降フリーのデザイナーに。並行してWEBデザイナーとしてテレビ局等に勤務、2010年に長男を出産後は電子書籍サイトのデザイン業務を経て現在は日本テレビグループ・LIFE VIDEO株式会社のデジタルコンテンツ全般を担当。