子どもの頃に読んだことがある思い出の絵本の数々。そのなかでも、ロングセラーとして長年にわたり版を重ね、今なお読まれ続ける絵本もある。親自身がなじみのある絵本を、わが子にも読んであげられることは幸せな共通体験だが、もしその子どもの頃に慣れ親しんだ絵本の「つづき」が、わが子と一緒に楽しめたら……。

そんな素晴らしい機会をこのたび実現してくれたのが、児童図書出版で知られる偕成社だ。同社ではこのたび、『からすのパンやさん』や『どろぼうがっこう』といったロングセラー絵本をはじめとした「かこさとし おはなしのほん」シリーズに、つづきのおはなし全10巻の刊行を発表した。

かこさとし先生といえば、「だるまちゃん」シリーズや科学絵本でも知られる、絵本作家界の大御所。1926年生まれの現在御年87歳である。かこ先生の代表作のひとつ、『からすのパンやさん』の初版は、今から40年前の1973年のことだ。

『からすのパンやさん』で、森の町のからすのパンやさん夫婦が、子どもたちのためにたくさんのユニークな形のパンをどっさり焼いてあげた見開きのワンシーンを、記憶のかなたにおぼえている方も多いのではなかろうか。

今回、40年ぶりの新刊「『からすのパンやさん』つづきのおはなし」は、なんと4巻続けての刊行となる。


(c)かこさとし/偕成社

前作のからすの夫婦の4羽の子どもたちが成長して、チョコくんが主人公の『からすのおかしやさん』、リンゴちゃんが主人公の『からすのやおやさん』、レモンちゃんが主人公の『からすのてんぷらやさん』、オモチくんが主人公の『からすのそばやさん』として、それぞれが奮闘する展開となっている。



なお、出版元である偕成社の「かこさとし おはなしのほん」スペシャルページの情報によると、今後同シリーズは『からすのパンやさん』の4巻のほか、なんと全10巻が刊行される予定であり、すでに『どろぼうがっこう』のつづきのおはなし2巻の刊行が予告されている。

それ以降の残り4巻は未発表であるが、今後同ページで明らかにされていくとのこと。『おたまじゃくしの101ちゃん』『とんぼのうんどうかい』あたりのつづきも期待できるかもしれない。

「かこさとし おはなしのほん」スペシャルページ(偕成社)
http://www.kaiseisha.co.jp/special/kakosatoshi/index.html