先日、政府の新たな少子化対策として話題になった「女性手帳」に進展があり、ネット上で多くの関心を集めている。

少子化対策を議論する作業部会「少子化危機突破タスクフォース」は7日、若い女性を対象として妊娠・出産に関する知識や支援策などの情報を記載した「生命(いのち)と女性の手帳(仮称)」を作成し、10代から配布する方針を決めた。来年度から自治体で配布する予定だ。

医学的な妊娠適齢期を周知し、晩婚・晩産に歯止めをかけること、女性の将来設計に役立ててもらうことが狙いであるという。

このニュースに対してツイッター上では、

「なぜ『若い女性』だけが対象なのか。この手帳は『女性が自分の体を自分のために大切にするためのもの』ではなく、『社会の為に女性の生殖機能を管理するためのもの』という印象」
「精子だって当然劣化するし、不妊の原因の半分は男性にあるのにそこはスルーなんですね」
「母子手帳は妊娠してからの事後発行だけど、『生命と女性の手帳』は国が身体的に女性として産まれた人に『女性らしい』生き方を強制するようなもの。女性が人生設計をする上で必ずしも出産があるわけではない」
「手帳を作る税金を保育園を作るなどの子育て支援にまわしてほしい」
「子どもを産むか産まないか、いつ産むかというのは個人の自由であり、国家が個人の妊娠計画に介入すべきことではない。個人の尊厳にかかわることで極めて不快。出産適齢期を啓蒙ってセクハラですよ?」
「若いうちに啓蒙するなら、男女共に性教育を充実させるべきだと思う。特に男子には正しい性知識を叩きこんでほしい。保育に関する教育もしていくべき」


と、女性の身体を国が管理することへの危機感や嫌悪感、少子化を女性だけの問題にするな、といった意見が多くみられた。このニュースはネット上でも広く拡散され、多くの意見が寄せられている。

長年、少子化対策についての議論を重ねて行き着いたのが「女性手帳」かよ!と思うと、政府の認識がかなり危機的なものだと感じずにはいられない。
あのー、確認なんですけど、子どもは女性だけでは産まれないんですよ?

【参照】少子化危機突破タスクフォースの開催について
http://www8.cao.go.jp/shoushi/taskforce/