世の中には住宅の間取りに対し、つねにひとかたならぬ興味を抱いている徒がいて、筆者もそのナカマである。

旅先などでは必ずその地の無料住宅情報誌を駅などでゲットし、以後いつまでも眺めている。「お宅訪問」をうたったテレビ番組や雑誌特集に目がない。うっかり『IKEA』に行くと一日帰って来れず、9ミリ方眼を与えられると嬉々として「理想の間取り」を描き出す。あなたの傍にも、きっと4人に1人くらいそういうタイプがいるはずである。


さて、およそそんな人間が一度読んだら延々巡回ループにはまりこみそうなサイトが、昨年(2013年)12月にローンチしていたのを諸賢はご存じだろうか。

インテリア&リフォームまとめ情報サイト『iemo(イエモ)』。
最近流行りの、いわゆるよくある「まとめ」サイトのひとつと侮っていると、きっと痛い目を見るに違いない。

先日ひとつの記事を、Facebookの「いいね!」つながりで読み始めた筆者は、読後にリンクされていた記事伝いに、読んでも読んでも面白住まいネタの蟻地獄に……墜ちた!

アラフォーの主婦によく刺さる。コンテンツテーマがどれもこれもキャッチーで小憎らしいほどなのである。さらに、ヴィジュアルのクオリティが……相当、高い。

スマホを片手に、「はあ~」とか「ふええ」とか「うわ!」とか口から変な賛嘆を漏らしてしまう。それほど、どれもこれもがファンタスティックなのだ。

残念なことに、スマホからふと目を上げれば、ごくフツーの我が家の、ファンタスティックではなくドメスティックな、賛嘆すべきというより慨嘆せざるを得ない惨状が拡がっていたりするわけだけれど。

その差に絶望しつつも、「うちもああしたりこうしたり、したーい!」という意欲がそそられる。それだけ「キレイな住まいの写真画像というシャワー」を目から浴び続けることの刷り込み効果は決して低くない気がする。

まあファッションでもメイクでもレシピ開拓でも、最初は「視覚イメージ」から学び、真似することから始まる。

『iemo』の掲げている、「日本の家も暮らしも、変えていきたい」という理念に上手くノセられてみるのも悪くない。

iemo[イエモ] | リフォーム&インテリアまとめ情報
http://iemo.jp/

藤原千秋藤原千秋
大手住宅メーカー営業職を経て2001年よりAllAboutガイド。おもに住宅、家事まわりを専門とするライター・アドバイザー。著・監修書に『「ゆる家事」のすすめ いつもの家事がどんどんラクになる!』(高橋書店)『二世帯住宅の考え方・作り方・暮らし方』(学研)等。11歳7歳3歳三女の母。