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「紅白、まさかの落選組怒りの声」

ネットを見ようとして、たとえばホームページにこんなニュース記事のタイトルが出ていて、あなたはスルーできるでしょうか?

紅白歌合戦を見なければ年が越せないという人や、好きな歌手が紅白の当落線上の微妙なところにいた人にとっては、このニュースはクリックしたい内容ですし、クリックする意義のある内容でしょう。しかし、もはや国民的番組とは言い切れない紅白をサッパリ見ないまま年を越す人だって多いはずです。

紅白なんて何ら興味がないのに、ついクリックしていたとしたら、いわゆるネットに「釣られた」状態です。

ほかにも、心無い人やマナーのなっていない人の言動など、嫌な感じのものを取り上げた記事を、「嫌なもの見たさ」のあまりついクリックし、釣られたことはないでしょうか。

自慢ばっかりする苦手な友人のSNSを律儀にチェックし、血圧を上げていないでしょうか。嫌いな芸能人のブログを律儀に見ていないでしょうか。

また逆に、好きだった芸能人や友人などのツイッターを読み、つぶやきの内容や、ほかのことをいつしているのかと思うほどのつぶやき頻度にドン引きし、「ツイッターのあなたさえ知らなければ、私、あなたのこと好きでいられた……」と思ったことはないでしょうか?

これらのネット利用で、果たして幸せになっているでしょうか?

すべてのネットがもちろんそうではありません。
心和むサイトや、新しい発見に満ちた楽しいサイトもありますし、ネットショッピングやネットバンキングなど、家にいながら、24時間いつでもできる、というネットの利点は生活を便利にしています。

しかしそんな楽しかったり、罪のないネット利用に対し、自分にとってはどうでもいいものだったり、自分をガッカリさせるような、決して幸せではないネット利用をあえて、なぜか、自分で律儀にしてはいないでしょうか?

■ネット利用には「黒ネット」「白ネット」「無害」がある


拙著『節ネット、はじめました。』はネットジャンキーであった著者の私が、「脱ネット」でなく「節ネット」に挑んだ一冊です。

自分をうんざりさせるようなネット利用を「黒ネット」、好きで、楽しくて見ているネット利用を「白ネット」、ネットバンキングや日用品のネットショップでの購入など、生活に必要なネット利用を「無害」とし、いかに黒ネットを減らしていくかについて、試行錯誤の結果得られたノウハウを詰め込んでいます。

黒ネットの定義は人それぞれ違います。SNSなど顕著で、好きな人は後悔やうんざりもなく、純粋に楽しくつぶやいたり、いいね!をしたり、スタンプをポコポコ送っていることでしょう。ですが苦手な人にとって、これらは面倒くささや恐怖の対象でしかありません。大切なのは自分がどう思うかです。自分が嫌だな、困るな、と思う黒ネットをまず減らしていくのが「節ネット」のポリシーです。

■まずは履歴を見て驚こう


本書の節ネットで第一に触れているのは履歴チェックです。
ダイエットしたい人が最初に体重記録をしなければいけないように、ネットジャンキーは最初に自分がネットをどれだけ見ているか把握しなくては何も始まりません。

ちょっとネット見すぎなところがあるかも、と心当たりのあった人は、まずネット履歴を見てみましょう。スマホでも、パソコンでも、アプリでも、あなたが一番ネットを見ている自覚のある媒体のものをチェックしてみましょう。

おそらく、想像の見積もりをはるかに超えた、長い長い履歴が出てきて衝撃を受けるはずです。なぜこれほどにちゃんねるの家庭板のまとめを見ているんだろう、と私も自分自身に衝撃が走りました。

子どものネット利用に関して、ネット中毒やネットいじめなどの問題には、大人や学校が心配し、ガイドラインの策定など模索が進みつつあります。一方、大人のネット利用は放っておかれます。

大人は自分でなんとかするしかないのです。
ネットは便利で楽しいものですが、所詮ツールです。ツールは自分が使いこなすものであって、自分が乗っ取られるものではありません。ネットを乗りこなすための一冊としてご参考いただけますと幸いです。

『節ネット、はじめました。』
http://www.amazon.co.jp/dp/4484142287/

石徹白 未亜(いとしろ みあ)
ライター。システムエンジニア、マーケティングリサーチの仕事を10年したあと独立し、今は企業取材などの堅いものから柔らかいものまで執筆中。近刊に『節ネット、はじめました。』。今欲しいものは拙著のアマゾンレビュー。