厚生労働省は、元日恒例の人口動態統計の年間推計を発表した。その結果によると、昨年2014年の出生数の推計は100万1000人であり、2013年確定数の102万9816人から減少し、100万人割れが目前になった。

当サイトでは2013年1月の記事において「2015年前後には年間100万人割れ?」と報じた。
2010年代に入ってからは、2010年→2011年にかけて約2万人減、2011年→2012年にかけて約1.3万人減、2012年→2013年にかけて約0.7万人減と、減少傾向がゆるやかになっていたが、今年は2.9万人前後の大幅減少となり、来年には出生数100万人割れがいよいよ現実となりそうだ。


ところで当サイトでは以前、助産師のための月刊誌『助産雑誌』に協力して、少子化対策に声を上げる「子ども,結婚,妊娠・出産に関するアンケート」についての告知をしたが、その結果に関して、少子化対策に焦点を当てた報告書が作成され、ネット上で公開された。

“少子化対策”と呼ばれる政策の成果が上がらないのはなぜなのか。親になりたい人やもうひとり産みたい人たちがもつ【妊娠・出産・育児への切実な願い】についての声がまとめられている。

調査結果によると、少子化対策が実現すれば「3人以上欲しい」が6割に至ったほか、「最も有効だと感じる少子化対策」の回答について、「就業形態」「性別」「現在の子ども数」といった属性別に集計されていることも特徴だ。

そして同レポートでは、
働き方や家族のあり方が多様化した現代において、少子化対策は多様な人の声をすくいあげない限り大きな効果は望めず、「ある親は支援されるがある親は見捨てられる」という状況は格差の拡大にもつながる。固定化した家族像を押し付けるような少子化対策は、支持を得られないばかりか逆効果にもなりうる。

という分析がされている。

「子ども,結婚,妊娠・出産,少子化対策に関するアンケート」結果報告
http://igs-kankan.com/article/2014/12/000933/