4月から保育園・幼稚園などへの入園が決まったみなさまは、入園説明会がそろそろ、という方も多いのではないでしょうか。

ところで、保育園・幼稚園や小学校などでも、“手作りでバッグを用意してください”という通知があってあわてている人々を散見するこの時期。

みなさま、現在苦戦中でしょうか?
それともスタートを先延ばしにしているところでしょうか……。

筆者の自治体は、保育園の発表が遅く2月の後半であるため、まだハラハラしている状態ではありますが、「手作り」を求められてパニックになっている皆さま方に、少しでも心穏やかに過ごしていただこうと、服飾の専門学校に在籍後、一応“インディーズブランドの代表”という肩書きもある筆者が、情報を集めてみました。


■あらゆるコネクションを頼る


はじめから、自分で作ることをあきらめてしまえ!というソリューションです。

●実家に協力を仰ぐ
ご自身の実家、もしくは義実家に、縫い物を頼めそうな場合は依頼してみるのはいかがでしょうか?孫のためよと。もちろん、近しい間柄だからこその気遣いはあるかと思います。それはそれ、これはこれということで……。

●「お客さまの中にお裁縫のできる方はいらっしゃいませんか?」
友人・知人など、心当たりに声をかけてみると、手伝ってくれる人がいるかもしれません。おお、心の友よ……!

●地元ネットワーク
近所のスーパーの伝言板に、この時期、手作りグッズの作成代行を請け負っている方が、掲示を出しているかもしれません。(→今年実際にあった話)

●ネットで探す
いきなり初対面の方に依頼するのはハードルが高いかもしれませんが、“縫製マッチングサイト”というのも存在します。ほんとうに困ったらそういう選択肢もあります、ということで。

nutte(ヌッテ)|縫製マッチングプラットフォーム
https://nutte.jp/

■手芸店のプロに頼む


大手手芸店ではこの時期、通園・通学用品の作成代行サービスを行っています。

ユザワヤ
http://www.yuzawaya.co.jp/news/nyugaku2015spring.html
オカダヤ
http://www.okadaya.co.jp/shinjuku/nyuuen-nyuugaku.html

このほかにもいくつか、作成代行サービスを行っている手芸チェーン店を確認しています。オーダーから1ヵ月程度かかる場合がありますので、価格・締め切りは各店舗にご確認を。
(→2月いっぱいで締め切るところがほとんどだと思います)

■ミシンさえあれば……!


縫うことはできそうだ、しかし肝心のミシンがない、という方には、ミシンレンタルサービスや、ミシンレンタルブースを借りる、という選択肢も。

ミシンが使えるレンタルブースは東京近郊が圧倒的に多いのですが、お近くにそのような店舗がないか、一度調べてみるのもいいと思います。

また、1万円を切るミシンも存在しますが、値段なりのものかもしれないということも考慮しておいたほうがいいでしょう。

「それでもいい、数年に1度しか使わないけどないよりマシ!」という場合は、買うという選択肢を視野に入れるのも。

■ミシンすらなくても……!


“裁縫用接着剤”という手があります。

お裁縫は苦手、という方に「じゃあ工作は?」ときくと、8割程度の方が「好き!」と答えます。では、工作にしてしまいましょう。

裁縫用接着剤というものが、手芸店や一部コンビニでも取り扱いがあります。
仮止めに使おうとすると、針が通らないくらい硬くなる、というものもあるので、もう一切縫う気はない!という場合の使用が正しいのかもしれません。

ボンド 裁ほう上手|コニシ株式会社
http://www.bond.co.jp/bond/special/saihou/

■Twitterの知恵袋


手作りグッズ以外にも、入園・入学準備はお名前付けなど、その作業は多岐に渡ります。

Twitterの「#通園おすすめグッズ」というハッシュタグには、さまざまなアイデアがまとめられており、きっと役に立つことでしょう。ちなみに、筆者も数件投稿させていただきました。

#通園おすすめグッズ(2016年度版)|Togetterまとめ
http://togetter.com/li/930692

■ちょっと待て、そもそも「お母さん」の「手作り」じゃないとダメ?


ちなみに筆者ですが、自分の子どもたちの園では手作りを求められる機会が皆無だったため、カバンや上履き入れは市販のものを使用しています。正直なところ、コストを考えたら買ったほうが安いです。

「なぜ、手作りでないといけないのか」については、「母親の愛情を感じるため」「カブりを防ぐため」などと言われていますが、そもそも「なぜ母親?」なのでしょうか。

専門学校時代、筆者の同級生は半数以上が男性でした。
ミシンがけの得意なお父さんというのも一定数いるわけで、そのあたりがゴッソリ、無視されているのではないかと思ったのです。もちろんシングルのお父さんだっています。

“手作りだから喜ばれるわけではない”ということを、筆者のように離乳食の段階で壁にぶち当たって知る人もきっといるはずです。

「ルールをひっくり返すのが一番面倒なんだよ!」
「数年しかいない場所のルールをわざわざがんばって変えてどうする!」

ということはあるかと思いますが、保護者がまとまって意見を提出後、制度が変わるという経験を筆者はいくつかしています。

「それ、ほんとうに手作りじゃないとダメなんですか?」
「作るのはお母さんじゃないとダメなんですか?」

……多種多様な意見があるとは思いますが、一度考えてみるのもいいかもしれません。

ワシノ ミカワシノ ミカ
1976年東京生まれ、都立北園高校出身。19歳の時にインディーズブランドを立ち上げ、以降フリーのデザイナーに。並行してWEBデザイナーとしてテレビ局等に勤務、2010年に長男を出産後は電子書籍サイトのデザイン業務を経て現在はWEBディレクター職。