新年度に入り、早や半月。
外を出歩くたびに、入園式や入学式とおぼしき児童や学生さん、またその親御さんの姿を見かけ、それぞれの門出に思いをはせた。

我が家は昨年1年間保育ママにお世話になった後、今月からは認可保育園に入園となり、2年連続の新生活を迎えているが、これがなかなか緊張感ある毎日なのだ。

昨年は初日は私も一緒に1時間、その次は子どもだけで1時間、そして2時間、その次はお弁当まで、さらにその次はお昼寝まで……と1日ずつ保育時間を延ばし、10日ほどかけて進めていった「慣らし保育」。


最初の数日は、ほんの1~2時間のために帰宅するのも二度手間だな、と近くのコーヒー店で時間をつぶし、その後少しずつ仕事に取り掛かったが、「楽しく遊んでるかな」「ご飯食べたかな」「お昼寝できたかな」とそわそわしっぱなしで、集中して仕事できるまでにはいくらか時間がかかったものだ。

そして、今年はもう3歳ということもあるし、日々のタスクもあるので、慣らし保育もそこそこに、登園3日目からはフルタイムの保育時間で預けている。

3月31日の保育ママ最終日、そこから間髪入れずに新しい保育園に入園となると、娘も何が何だか分かっていないのは明らかだ。

行き先も違えば、少人数でのんびりと過ごしていたところが、同じクラスに10数人ものお友だちや大勢の先生に囲まれているのだから、困惑しないわけがない。

最初は部屋に入るなり不穏な表情で私にぴったりとくっついて離れず、「ではお願いします」と出て行こうとすると、しがみついて大泣きだった。

ああ、去年もこうだった……あの泣き顔に胸を痛めながら帰宅したなあと、1年前の今頃を思い出す。

昨年も、朝泣かずにバイバイできるようになるまでは半年以上かかった。
登園時には、「今から連れて行かれる……」と察すると、ベビーカーの上に立ち上がって泣き叫ぶことも何度かあり、注意をそらそうと必死で喋りかけたり、歌を歌ってみたりとあの手この手を使った。

そして1年後の今も、「あそこにネコがいるよー」「今日の給食は何だろうねー」などと喋りながら登園しているのだが、いつ「行きたくない!」と立ち止まられるか分からないので、内心はヒヤヒヤものだ。

もちろん、いつまでもこんな調子ではないことは分かっている。
「最初のうちは泣くけれど、すぐに慣れて自分から保育園に行きたいと言うようになるから、保育士さんに任せて大丈夫!」など、ネット上の相談などでも安心するアドバイスがたくさん挙げられているし、今この時期だけのセンチメンタルなのだということも、昨年の経験で学んだ。

現に、お別れの時点では泣いても、ものの5分もしたらケロっとして遊び出していると聞いているし、お迎えに行ったら行ったで「かえりたくない」など言う日もあって、なかなか保育園での生活も楽しくやっているようだ。

ただ、送迎をしている私の疲労度も半端じゃなくて、たかだか片道10分の距離でも、毎日「お見送り終わった……」「今からお迎え行くぞ……!!!」と、ちょっと肩に力が入る。

元々夜ふかしができない体質なので、早めの就寝を心がけているが、このところは布団に入ると一瞬で眠ってしまうほど。

大人も環境の変化でこれだけ消耗するのだから、娘はさぞかし毎日疲れているだろうし、少なからずストレスも感じているはずなので、帰宅後はできるだけゆっくり過ごし、甘えさせてあげたいとは思う。とはいえなかなか余裕がなく、日々反省なのである。

そもそも保育ママから認可保育園というコースになったのは私たち大人の都合だし、ずっと同じ保育園に通えていたら、こんな負担にもならなかったのかな、という考えもよぎった。

しかし、ただ進級するだけでも子どもは結構エネルギーを使っているらしく、「新年度ってだけで不安定になってるから、お母さんみんな大変って言ってるわよー」と担任の保育士さんが教えてくれた。

新入りの私たちを心配させまいと言ってくれてるのかなと思ったが、似たような状況の家庭は結構あるようで、月齢の近い子どものいる友人も、「先生が変わったり、転入してきた子がいたり、状況の変化を理解できるようになっているから、最近すごく甘えん坊になってるよ」と話していた。

うちだけじゃないんだ、と少し安心すると同時に、子どもってやっぱりすごく繊細なんだなということにも気づく。

成長するにつれ、進級も一大イベントというほどではなくなるし、社会人になると新年度の感慨深さはより一層希薄になっていく。

進級するのにドキドキしたのっていつが最後だろうと思い返すも、完全に忘却の彼方だ。自分自身が幼稚園に通っていたときに、進級してナーバスになったことなんて果たしてあったのだろうか?全く記憶にないが、まだ娘も3歳、あらゆる変化が新鮮で、そして少し不安な時期なのだろう。

ここ数日は朝のお別れ時に手を振ってバイバイしてくれたり、泣きたいのをぐっとこらえたり、でもやっぱり大泣きしたりと、まさに一進一退というやつだ。

それでも毎日泣いていた去年よりはずっと順調だし、これも成長の証だと受け止めたい。
そうこうしてたらすぐに梅雨や夏が来てしまうのだから、今くらい気候が快適なうちにスムーズな送迎に慣れておきたいところ。

あ、でもその前にゴールデンウィークがあった。たしかここで一旦振り出しに戻るんだっけ……。

真貝 友香(しんがい ゆか)真貝 友香(しんがい ゆか)
ソフトウェア開発職、携帯向け音楽配信事業にて社内SEを経験した後、マーケティング業務に従事。高校生からOLまで女性をターゲットにしたリサーチをメインに調査・分析業務を行う。現在は夫・2012年12月生まれの娘と都内在住。