日本人形類に係る関連産業団体で、節句・伝統文化の啓蒙と振興のために活動している日本人形協会では、5月5日の端午の節句を前に、節句人形の購入経験がある0~5歳の子を持つ20~40代の既婚女性500名を対象に、「節句と節句人形に関する意識調査」を実施した。

調査では「五月人形として欲しい戦国武将」についてきいており、14人以上の戦国武将を知っていた母親(n=228)を“武将通ママ”と定義し、欲しい武将を尋ねた(複数回答)。

その結果、もっとも多かった回答は上杉謙信(39.9%)であった。以下、伊達政宗(33.8%)、徳川家康(32.5%)、武田信玄(26.8%)、織田信長(24.1%)が挙げられ、本年度のNHK大河ドラマの主人公である真田幸村は21.5%でこれに続いた。



そもそも端午の節句で鎧や兜を飾ることは、武家社会から生まれた風習。武将が自分の身を護る大切な道具であり、シンボルとしての精神的な意味もある鎧兜を、身の安全を願って神社に奉納したしきたりが由来となり、現在では、病気や事故から大切な子どもを守ってくれるようにという願いを込めて、端午の節句に鎧兜を飾るようになったそうだ。

ちなみに鎧兜飾りが武家社会を起源とする一方で、鯉のぼりは江戸時代の町人文化から生まれた節句飾りである。鯉は池や沼でも生息することができる生命力の強い魚であること、また鯉が急流をさかのぼり、竜門という滝を登ると竜になって天に登るという中国の伝説にちなみ、鯉のぼりには、子どもがどんな環境にも耐え、立派な人になるようにとの立身出世の願いが込められているという。

一般社団法人日本人形協会
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