今年で3歳になった上の娘は、この4月から近所の認証保育園に通っている。
切迫流産の入院、出産予定日直前のインフルエンザ羅患など、ハプニングの多かった第二子出産までの道のりで、一番印象に残っているのは、予定帝王切開の前日に受けた「保育園内定」の電話だった。

それは、「天からの光を感じた!」と言っても過言ではない出来事だった。認証保育園の合否は、2月中旬の認可保育園の内定通知の後、認証への申し込みをキャンセルする人たちからの連絡を待って決まるため、「2月末から3月頭くらいに電話します」というアバウトなことになる。

しかも、その「内定」の電話をたまたま受け取れなかった場合、残念ながら次の順位の人に回ってしまうというのが基本ルール。「不承諾(落ちた)」の場合は連絡なし、ということになるので、ドキドキしながら、かかるのかかからないのか分からない電話を、3月まで待ち続けるしかないのだ。


「内定」の電話を受けたのは、どんぴしゃで2月末の日程で組まれていた第二子の予定帝王切開を翌日に控え、すでに病院に入院して術前点滴を受けながら「手術後に保育園からの着信が残ってたらマジで凹む……。」とブルーな気分になっていた矢先の出来事だった。

本当に「嘘でしょ?」という言葉が漏れてしまうほどの驚きと喜びだったのを覚えている。しかし、そんな喜びもつかの間。子育ては本当に次から次へと「壁」にぶち当たるものであるが、次に待ち構えていたのは、認証保育園の「3歳の壁」であった。

■認証保育園の“3歳の壁”


認証保育園には、2歳児クラス(3歳になる学年)までしかないところがあり、土地面積の狭い我が居住区にある認証保育園は、5歳児クラス(6歳になる学年)まで設定があるのは全体のわずか3分の1である。

なぜ2歳児クラスまでしかないの?ということになるが、6学年分の園児を受け入れるには、場所も人員もそれ相応に必要になるので、民間委託が多い認証保育園では、需要の高い0~2歳までを担保した小規模型の園にする事業者が多いようだ。

とくに土地面積が狭い我が家が住む区においては、新たに開所する土地が見つからないという事情もあり、園庭無しでマンションを間借りしたような形の園が多く、認証保育園の新規設立数は都内23区のなかでワースト1位になってしまったそうだ。

しかしながら、認証保育園に預ける家庭の多くは「0歳児からずっと認可保育園に落ち続けている」という働くママのおうち。2歳児クラスまでしかない認証保育園に預けているワーママは、「また来年も認可に落ちたら保育園難民になってしまう!」ということになるので、2歳児クラスに上がると同時に、“気が気じゃない一年間”が始まるのである。

■“幼活”の早期化


私は上の子が生まれてからすぐに区役所に行き、認可保育園の申し込みについて話を聞いたが、点数制の仕組みなどをいろいろ聞いた後、最終的に言われたのは、「あなたの労働条件だと入園はほぼ不可能ですので、応募されないほうがよいと思います」ということであった。

満点の40点を持っていても半数は落ちている状態なので、自営&フリーランスの私は、実質的に“認可保育園の応募資格がない”という状態である。「そんな! なんとかしてよ!」と思うが、なんとかなる期待は持てない。保活に関しては、「どこか入れるだろう」というような楽観視はできないので、その時点で「いずれは幼稚園」という選択肢が第一候補として浮上した。

「認可保育園に預けたい」と思ったときに、とりあえず区役所の保育課に行けば申請手順など一通りの説明が受けられるが、実は幼稚園に関しては、そういったそもそものハウツーを教えてくれるところはない。どれくらいの時期からどんな活動をしなければいけないのか、身近に「数学年上の子を持つママ友」がいなければ、ネットでもほとんど口コミ情報が得られないのが「幼稚園」という社会だ。

幸い私には、うちの子よりも一学年上の子を持つ姉がとなりの区に住んでおり、その子が3歳になる年の春から幼活を始めようとしたら完全に出遅れて、もはや手遅れに近かった……という惨事を目の当たりにしていた。そこで私自身は娘が2歳になる年の春から“幼活”をスタートした。

幼活を始めてみたら、同じ学年の子のママが意外と多かった。「入園は再来年の春」ということになるのでかなり早期化していると感じるが、仕方ないという側面も多い。幼稚園は比較的、“園の方針”の自由度が異なるので、実際に園を訪れてみて、先生の雰囲気や園児の雰囲気、そして、そこに通わせているママの雰囲気を事前に知っておくことがとても大切になってくる。

なにせ、オーソドックスな“14時お迎え”の幼稚園に通うことになれば、ママ同士の付き合いが濃厚になっていく傾向が強い。「子どもに合う園かどうか」も大事であるが、「ママに合う園かどうか」も大切なポイントだろう。

在園児の保護者を垣間見れる機会は、お迎えの時間に合わせてそっと見に行くか、運動会などの大型行事を見学するかしかない。そしてその大型行事の開催は秋が多いので、応募の年に活動するのでは遅すぎるということになってしまう。ゆえに、「入園は再来年の春」という学齢で幼活を始めるのがスタンダードになりつつあると感じた。

■働くママにとっての幼稚園選びのポイント


さてさて。保育園の受け皿が全然足りていないということ以外にも、働くママが幼稚園を選択する理由はある。そのひとつは、「課内・課外での習い事」が受けられやすいということ。

最近だと、英語や体操教室、中には園内に室内プールの施設があって、水泳までやらせてくれるというところもある。これらの習い事は保育園児にとっても人気の高いものだが、通常は週末に通わせるしかなく、ただでさえ週5で保育園に通っているのに、2日しかない週末のうち1日が定常的なおけいこごとで持って行かれるとなると、なかなか週末のお出かけがしにくくなる。ゆえに、園で預けている間に習い事ができるというのは、とてもメリットがあるようだ。

英語や体操教室など、追加費用が発生するような「習い事」に関しては、認可保育園の枠組みの中で実施することはとてもハードルが高く、実質的には無理だと聞く。今、娘が通っている認証保育園も、毎年のように区から「認可になりませんか?」と言われているようだが、認可になることで現在行っている英語や体操教室などのさまざまな教育的な取り組みができなくなるというデメリットとの天秤で、認可化には踏み切れていないようだ。

ただ、幼稚園には「経営・教育方針の自由さ」というメリットがある一方で、働くママにとってデメリットになる点もたくさん潜んでいる。実際に、“保育園 → 幼稚園”の転園をしたワーママの友だちに話を聞くと、ワーママの幼稚園選びには以下の点をきちんと確認し、事前に対策を考えておく必要があると学んだ。

【その1】延長保育の有無と延長時間のスペック
中には、「延長あります。でも16時まで」というところも。

【その2】夏休みなど長期休暇期間中の預かり保育の有無
意外とこれがないところは多い。その場合は、サマースクールなど、長期休暇期間中の預け先を別途確保しなければならず、追加でコストがかかることを覚悟。

【その3】年間行事の実施日
「運動会」「お遊戯会」「バザー」などが平日に組まれている場合がある。

【その4】“振り替え”の発生頻度
土日に園の行事があった場合、平日が振り替えで休みになることが多いのも幼稚園ならではの特徴だ。

【その5】悪天候の際の開園状況
幼稚園は案外「雪が降った」「台風がきている」などの悪天候によって休園してしまうことがある。これも園の方針次第なので、実態を確認したほうが良い。

【その6】親の出番の頻度
保護者会が毎月あったりして、なんやかんやで平日呼び出されることがある。


これらはママの働き方に大きく影響してくる要素なので、必ず事前に確認しなければならないであろう。その他にも「お弁当なのか給食なのか」「送迎バスの有無」など、あったらいいなぁというスペックはたくさんあるが、ママの気合と努力でなんとかなるものは敢えて挙げていない。ここであげた項目をすべてクリアする幼稚園は果たしていくつあるだろうか。

さらに、幼稚園の多くは面接を兼ねた願書提出日が11/1の1日だけに設定されているところが多く、そもそも併願することが難しいという慣習があるため、スペックの高い幼稚園は倍率が恐ろしく跳ねる傾向にあり、落ちたら「幼稚園難民」となるリスクもあるのだ。

“運”と“ご縁”を信じてハイスペックなところを受けるか、はたまた、働くことを諦めてローリスクな園に妥協するか。認可保育園を目指すのも狭き門だが、働くママにとっての幼稚園という選択もまた、茨の道なのかもしれない。

森田 亜矢子
コンサルティング会社、リクルートを経て、第一子出産を機にフリーランスに。現在は、Baby&Kids食育講師・マザーズコーチング講師・ライターとして活動中。3才長女と0歳長男の二児のママ。