「上の子可愛くない症候群」について書いてから2年が経った。

これが「上の子可愛くない症候群」!? その対処法を考えてみた
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我が家の子どもたちは、それぞれ小学1年生と2歳半になり、当時とはまた違った視点が筆者の中に芽生えてきている。


現在2歳半である“下の子”はイヤイヤ期真っ最中である。

靴をなかなか履かない、「自分で!」と怒るもののできずに、「できなかった!」とふくれている、ベビーカーに乗りたがらず、毎晩保育園の玄関で10分ほど押し問答する……などはあるが、「まあ、こんなもんだよね」という過去実績があるので、実はそれほど困っていない。

そして、最悪このイヤイヤが小学校に上がっても終わらない……ということも今は知っているので、長期戦の構えだ。

夫は少し様子が違うらしい。
「イヤイヤするけどそんなに困らないね」と私がいえば、「お父さんはそんなことありませんよ」。

記憶を整理してみたが、長男の2歳当時、夫が今よりは子どもにコミットしておらず、夫の中には、長男のイヤイヤ期のひどい部分について、記憶がないのかもしれない。

■手のかかる1年生、放置されがちな2歳


「下の子のイヤイヤ期と上の子の小1ギャップが同時にくるんだよ~」と4歳差きょうだいであることについて周りから言われていたが、実際には次男があまり困ったことにならないので、とにかく手のかかる上の子に全家族が注力してしまっている状況だ。

1年生はとにかく疲れている。

学童から帰ってきて、机に向かって宿題を始めたかと思えば、目を離した隙に突っ伏して寝ていることも1度や2度ではない。なかなか子どもが寝なくて困る、という話もよくきくが、基礎体力の差だろうか、我が家では「すぐ寝てしまうので何も進まなくて困る」という真逆の悩みを持っている。

小学生はこちらの想像以上に、家庭でやらなくてはいけないことが多い。

共働きで普段は筆者の実父に夕方から見てもらっているが、疲れているせいだろうか、夕飯をなかなか食べない、お風呂に入りたがらない、目の前にある宿題を探せずに着手しないなどあり、先日ついに怒って帰ってしまった。

この件については「えー」という感想しかなかった筆者だが、自分の子育てにほぼコミットしないまま70を超えてしまった人間が、今から小学生、しかもまだ不安も多いだろう1年生を相手にしたら、イライラしてキレることもあるわな……とも思ったのだった。

しかし、このままでは1年生がなんだか毎日誰かに怒られてばかりになってしまってよくない。本人は理由をわかっていないのだから。

そんな中、家族の癒し要員になっているのが次男である。
さわっていると幸せな気持ちになれる、不思議な神様のような存在になりつつあるが、それもそれでどうなのだろう……?と考えたりもする。

「みてて!みてて!」と1秒たりとも親に隙を与えなかった長男に対し、普段は機嫌よく一人で遊んだり歌ったり踊っていて、たまにいい作品ができると「みてみて~」と見せに来る次男。こちらも人間なので、どうしても態度が違ってしまうし、「うわあ!二人目ラクだー!」と思わざるをえない。

■きょうだいそれぞれの夏休み


お盆の1週間は筆者の実家に長男だけ預かってもらい、それぞれが一人っ子のような暮らしを体験することとなった。

残念ながら雨の日が多かったが、それでも映画館にいって大きなポップコーンを買ってもらったり、ゲームをしたり、大きな公園で遊んだりしていたようだ。

次男は通常通り、平日は保育園、土日は親子3人で出かけた。

「いつも、お兄ちゃんの用事に振り回されてばっかりだもんねえ」

長男が土日に習い事を入れているため、次男もそれに同行する日が多い。
長男が2歳のころよりも、あきらかに土日にプランを立てて出かけることがなくなっているのだ。

「ちょっとかわいそうかもね」

まだベビーカー移動が可能な次男なので、感覚的には大人二人で出歩くのと大差がない。
代々木公園のイベントでは、親の食べているタイ料理に横から手を伸ばしてご満悦(辛くなかったのだろうか……?)、その足で、銀座で行われていたゲームのイベントに出かけ、試遊台で遊ばせてもらい、おいしいパフェを食べた次男であった。

兄が泊まりに行った初日こそ
「おにいちゃん、いない!」
とはしゃぎ、おもちゃを全部出して一人で楽しそうにしていた次男だったが、翌日以降は毎日のように
「じーじは? ばーばは? おにいちゃんは?」
とその所在を尋ねるようになった。

最終日、ついに
「おにいちゃん、いない……。さみしい。あいたい。」
と言い出し、次男を連れて少し早めに実家に向かうことにした。

久々に再会したきょうだいは変にテンションがあがってしまい、ギャーギャー騒いで大暴れ。
「こらー! うるさーい!」

実家だし、階下への騒音はあまり気にしないけど……と思いつつ、ケガが心配でついつい大声を出す筆者であった。

■第一子は育児がわからぬ


「バーベキューね、水着持って行ったのに、結局川に入らなかったんだって」
実家に着くなり、両親からそのような説明を受けた。

筆者の父に連れられ、川原でバーベキューをしにいった長男。
アクアシューズも水着も、ラッシュガードもライフジャケットも持っていったというのに、着替えを断固拒否して川に入らなかったという。

「でもね、足首までは入ったよ!」

今年のお盆ごろ、ニュースでは毎日のように水難事故が報じられていた。
実家でライフジャケットを購入してもらい、川遊びは危険もあるよ、とEテレでやっていた「子ども安全リアル・ストーリー」も見せ、準備万端で送り出したつもり……だった。

「やりすぎたかもね。萎縮しちゃってるんじゃない?」と夫は言う。

第一子はいつだって加減がわからない。

長男の2歳当時を思い返すに、次男に接するよりもっときびしくしていた気がする。世間体が気になっていたのだろう。

それに比べて今はどうか。

いい意味で筆者が“おばちゃん”になったのもあり、電車で「うるさい」と言われようものなら「お前の声のほうがうるさいんじゃボケ!」と言い返すだけの強さがある。

もっと児童センターなどで、ほかの同い年の子を見たほうがいいと、今も夫に言われ続けているが、所詮「よそいきの顔」の子どもたちしか、そこでは見ることができないに違いない。学校公開だって非日常だ。

何が正解だかわからないし、どれが正解だったかのフィードバックは、子どもが成人したあとに見えてくるのだろう。手遅れだ。

いつだったか、長男に言ったことがある。
「あなたのときに育て方で困って勉強して今があるから、弟は今のところうまくいってるんだよ」

すると長男はいった。
「じゃあ、ぼくのおかげだね!」

≪……お、おう。≫

しかし、長男が筆者を“お母さん”にしたキーパーソンであり、それはゆるぎないのである。長男なくして次男は存在しないので、そこは「ぼくのおかげ」であっていると思うのだ。

ただ、長男の悪いことをすぐマネするのも次男であり、その連帯責任はいくらか感じて欲しいのが親の本音である……。

■第二子の気持ちもわからぬ


筆者夫婦はともに第一子コンビである。

したがって、長男のことは、どこかでお互い自分を投影してみているので、心配で気になるし、イライラもするのだと思う。しかし、“おきらくごくらく”で毎日過ごしている次男のことは、実はよくわかっていない。

かわいさをわかっている、甘え上手。
そんな彼のことを、我々や長男は、少しうらやましく見ているのかもしれない……。

ある日、次男が夫婦のベッドによじ登ってちょこんと座った。
普段であれば、危険なのと、外遊びで汚れた服のままベッドによじ登って遊ぶ長男に叱るところなのだが、目の前には着替えたばかりの次男である。転落が気になる程度で、そこまででもないと思い、様子を見ていた。

すると、次男は私を見てこういうのだ。
「おこって?」

はっとしてしまった。

年がら年中怒られている長男のことを、“かまってもらっている”と認識した次男が、うらやましく思ってマネをしたのではないかと。

「こらー!」
ふざけて私が怒ったふりをすると、次男は喜んでキャッキャしていた。

こういうのが、きっと長男のときに足りなかったのだろう。


長男に対して育てにくさを感じることは日々あり、それが“小1はそんなもの”なのか、“そうではない”のかが見極められず、毎日戦っている筆者なのだが、弟に対してはいいお兄ちゃんである。

たまに弟に思いっきり髪を引っ張られ、怒ることもあるが、手を出したのは最初の1回で、あとは口で怒るようにしてくれているし、速やかにこちらも止めている。一度対応の仕方を伝えれば理解はできる子だ。

弟が好きすぎるのか、かまいすぎて自分の支度が進まず日々怒られる長男であるが、片方が悪者にならないよう、“大岡裁き”のように華麗にきょうだいげんかを止めるスキルが欲しい。

筆者にはきょうだいがいない。

両親に何か起きた際にはすべてを引き受けなくてはならない……ということは、ある程度の年齢から意識していたことだ。

きょうだいはいつかこの家を出て、それぞれの道を歩く日が必ず来る。
我々親はおそらく、子どもたちより先に他界することだろう。

そのとき残った子どもたちは、不公平感を感じず、お互いが唯一無二のいい関係でいられるよう、そっと見守るのがこれからの仕事なのかなと思うのだ。

ワシノ ミカワシノ ミカ
1976年東京生まれ、都立北園高校出身。19歳の時にインディーズブランドを立ち上げ、以降フリーのデザイナーに。並行してWEBデザイナーとしてテレビ局等に勤務、2010年に長男を出産後は電子書籍サイトのデザイン業務を経て現在はWEBディレクター職。