TBS系連続ドラマ『コウノドリ』(毎週金曜22:00~)の初回放送が、平均視聴率12.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で幸先の良いスタートを切ったと報じられた。2015年10月クールの放送からまる2年、人気ドラマの続編が放送されることになり、筆者の周囲でも子育て家庭を中心に話題になっていた。

前作同様、ドラマの舞台は「ペルソナ総合医療センター」で、綾野剛さん演じる鴻鳥サクラをはじめとする、前回の主要キャストたちが日々、出産の現場で妊産婦やその家族とともに新しい命に出会う様子を描いている。また今シーズンから登場の新キャラクターや特別ゲストなど、人物関係もさらに膨らんで、今後の展開に期待が寄せられている。


初回放送はサクラが診察する耳が聞こえない妊婦・早見マナ(志田未来)と、四宮(星野源)が診察するキャリアウーマンの妊婦、佐野彩加(高橋メアリージュン)の出産がメインで描かれた。

志田未来さんといえば、子役時代から堅調にキャリアを重ねている演技派だが、何と言っても、思い出すのは2006年に放送された日本テレビ系ドラマ『14才の母』だろう。中学生で恋人との子どもを妊娠し、様々な試練の末、出産し、母になるという壮大なドラマに筆者も当時釘付けで、妊娠も出産もまだまだ縁遠いだろうなと感じていた時期だったが、志田さんの出産シーンのあまりのリアルさには「もしかしてこの子、本当に出産してるのかな? そんなわけないよね?」と目が離せなくなってしまったことを今でも鮮明に記憶している。

『14才の母』と『コウノドリ』は制作局も違うし、何の関連性もないのだが、「14才の母が再び母に!」と感動してしまったのは筆者だけではないはずだ。

『コウノドリ』に話を戻すと、夫もともに耳が聞こえないマナは、待望の赤ちゃんに会えるのを楽しみにしつつも、赤ちゃんは耳が聞こえるだろうかと不安も感じている。一方で、自身のキャリアにブランクを作らないために予定通りに出産できるのか気がかりな彩加は、お腹の赤ちゃんに先天性の疾患があることを聞かされ、大きくショックを受ける。

状況は違えど、妊婦の不安を描いたこの回を、たまたま帰宅していた夫と一緒に鑑賞していたところ、「生まれる前、こんな風に不安に感じたことってあった?」と聞かれた。こちらとしてはエっと驚くというか、不安も何も、妊婦の時期はずっと「元気に生まれて来てくれるかな」という思いが頭を離れなくて、うっとりとした気分に浸れることなどまずなかった。

筆者が妊娠していた5年前はニュースでも出生前診断について取り上げられることが増えた時期で、、診察や産院の両親学級などでも耳にする機会があったし、夫婦間でもその話をした覚えがある。それ以外も気持ちが沈んだり不安定になることが多かったな……とひとつひとつを克明に思い出せるのだが、全然気づかれていなかったということか。

逆に夫から私がどのように見えていたのかが気になったが、「不安に思ってた?」と聞いてくるくらいだから、楽しそうに見えてたんだろうな……と思うと、夫婦って思ってる以上に気持ちが伝わっていないんだなと実感した。

お互い口数が少ない方ではないから、何かと会話はしているけど、不安とか気に病むことって意外と自分からも伝えようとしていなかったり、また相手からも受け取ろうとしていないのかもしれない。

ドラマの中でも、赤ちゃんの疾患を気にしている彩加に対して、夫はどこかまだ自分事として捉えられていない様子だったし、赤ちゃんの耳は聞こえるだろうか、私たちに育てられるだろうかと思い詰めてしまったマナが、ようやくその気持ちを吐露できた相手も主治医であるサクラだった。一番近いパートナーに気持ちを伝えられなくてわだかまってしまうってって出産を経たあともつきまとうものかもしれないな、と思うと問題の根深さを感じてしまった。

『コウノドリ』は、それまでなかなか見聞きすることがなかった疾患や、妊娠中の諸症状に加えて、産後うつ、マタニティブルーなどより気持ちや意識に寄り添う問題に焦点を当ててくれるのが、大きな功績だなと個人的には感じている。

まだ子どものいない友人との間で妊娠・出産に関する話題が上がったときに「それコウノドリで見たことある!」などと言われることもたびたびあったし、出産からだいぶ経った今、夫と当時を振り返る機会も少なくなった中で改めて考えるきっかけにもなった。この先の回も夫と一緒に見ていくと新鮮な発見があるかもしれない。

私が妊婦だったときのことはあまり覚えていなかったものの、さすがに出産シーンは今でも印象深いようで、生まれたての赤ちゃんが取り上げられたところで、「そうそう、こんな風に看護師さんの拭き方がめちゃくちゃ大雑把で『はい、お父さんどうぞ』って抱っこさせてくれるけど、こっちは『えっ、その程度の拭き方でいいの?』ってビックリしたわ」と笑っていた。

その時私はというと、分娩台を強く握りしめすぎた反動で体がガタガタ震えていたし、麻酔が合わなくてかなりグロッキーになっていたので、そんなハプニングがあっただなんて知らなかった。これもまたひとつの発見だ。

前作同様、新生児がたくさん出てくるのもたまらないし、志田未来さんの出産シーンはやはり壮絶で、「女優さんってやっぱすごいな……」と感嘆の声が漏れた。鉄仮面のようにクールだった星野源さん演じる四宮がちょっとハートフルな一面を見せていたのもこれからの展開に関係してきそうだし、研修医役の宮沢氷魚さんも父・宮沢和史さんにそっくりで気になっている。

泣いたり、ちょっとほっこりしてみたり、1週間の締めくくりとして今後も楽しみたい。
『TBSオンデマンド』では放送終了後から1週間無料視聴可能だ。
https://tod.tbs.co.jp/program/14577


【前作レビューはこちら】
ドラマ『コウノドリ』初回レビュー ――新生児が視聴者の萌えを刺激する!
http://mamapicks.jp/archives/52187862.html