2019年2月18日、NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」の出演者交代について発表があった。

新・体操のお兄さんには福尾誠(ふくお まこと)さん。東京都出身で、今年3月に順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科 博士前期課程を修了予定。小学生より体操競技を始め、選手として16年、コーチとして5年のキャリアがある。過去にはCM等の出演歴もあるそうで、現在28歳前後と思われる。お顔の小ささがとても印象的だ。

新たな肩書きとなる体操のお姉さんには秋元杏月(あきもと あづき)さん、愛知県出身で、新体操選手として13年のキャリアをもつ。現在22歳との情報がある。

3月29日(金)の放送の最後に、新旧のお兄さん・お姉さんがスタジオに出演し、交代のあいさつをする予定。2019年4月1日放送分からは新キャストでの放送となる。

育児中の身にとっては『朝の戦友』ともいえよう、長年つとめた「体操のお兄さん」卒業の報、そして気づけばもう就任から7年も経っていた「パント!のお姉さん」こと、りさお姉さんも同時に卒業ということで、 “おかいつファン”のみなさまには大きな衝撃の春となる。

■エピソードで振り返る、よしお兄さん、りさお姉さん


ここで、改めてお二人のプロフィールをご紹介しよう。


・小林 よしひさ
(「おかあさんといっしょ」11代目体操のお兄さん)
1981年6月29日生まれ、埼玉県出身の37歳。

「おたんじょうびの歌」では「♪6月生まれ」のタイミングで手を挙げているので、誕生月はご存知の方も多いだろう。
在任期間丸14年という長さは、瀬戸口清文さんを抜いて、体操のお兄さん歴代最長記録となっている。

デビュー前、日本体育大学在学中には2002年5月開催の『おかあさんといっしょファミリーコンサート~元気いっぱい!たまたまご~』にゲスト出演。
その模様は2015年4月に再放送され、よしお兄さん本人が最後にコメントを寄せていた。
・上原 りさ
(「おかあさんといっしょ」パント!のお姉さん)
9月生まれ、兵庫県出身。

大学在学中に就任。しばらくは大学生活と並行しながらの活動となった。
在学中はミュージカルコース専攻とのことだったので、実は歌もお上手だったのではないだろうか。今後も芸能活動を続けるとのことなので、りさお姉さんの美声を聴ける日も遠くないのかもしれない。
「パント!」のコーナーでは、初年度、日に日にりさお姉さんのパントマイム技術が向上していくさまを、なんだか親の気持ちで見届けたお父さん、お母さん方も多かったことだろう。

■よしお兄さん・りさお姉さん 名シーン集


・すりかえかめんForever

毎週火曜日になると現れて、絵の一部を別のものにすりかえてしまう『すりかえかめん』。2006年にスタートした、よしお兄さんによく似た(?)名物キャラクターである。2012年からは、これまた、りさお姉さんにそっくりな『すりかえおじょう』も登場し、コーナーを盛り上げた。今年の3月を最後にコーナーは終了となる。

そんなすりかえかめん。すりかえたものは最後に元通りにして帰るという、なんとも律儀な悪役(?)であるが、すりかえおじょうとのコンビになってから、子どもたちにすりかえが見破られずに勝利した回がいくつかある。
「ホッチキス」という単語の3歳児への知名度の低さ、いわれてみればそうだった!と妙に納得したのであった……。

また、「長年の夢だった」という“歌を歌うこと”を、2017年のファミリーコンサートでついに叶えたすりかえかめんたち。
もう思い残すことはなくなってしまったかもしれないが(!)、またふらっとコンサートなどに登場してくれたらとてもうれしい。


・なぜそうなった!?~「すずめがサンバ」

何度かリメイクされているこのミュージックビデオ、だいすけお兄さん時代の後期では、よしお兄さんがお母さん役となって、屋根の上で踊る3羽のすずめたちの横で、ばっちりメイクでカーラーを巻いたまま布団を干したり、なぜかベランダでお手玉をしたり、ネグリジェ姿でまどろむ姿が見られる。

なぜそうなった!と思うところはあるものの、忙しくて殺伐とした朝に、全力で笑いを届けてくれたよしお兄さん、ほんとうにありがとうございます!


・すっかり子どもたちに定着した“パント!”

コーナー開始当初、正直な感想をいえば「これはどうなるのだろう」と思っていたのがりさお姉さんのコーナー“パント!”である。
──テレビの前で、子どもと一緒に、パントマイムを?
しかしふたを開けてみれば、すっかり人気コーナーとして定着したのであった。
筆者の次男(3歳)は一時期、パント!のロボットの回を完コピするのにハマっており、「ロボットに、なった!」と、おへそのスイッチを押しては動き出し、途端に異常発生するポンコツロボのケアに追われる日々が続いた。


・ファミリーコンサートの見せ場

「おかあさんといっしょファミリーコンサート」では、体操のときにバク転で登場するよしお兄さんが見どころとなっている。会場では大人の「おおおおお!」という低音のどよめきが聞こえ、後半最も盛り上がるシーンのひとつである。

夏のスペシャルステージでは、過去にせいやくん(「おとうさんといっしょ」出演の元木聖也)とのアクロバット対決も見られ、「ぼよよん行進曲」ではハーネスをつけての大技・宙返りで我々観客を楽しませてくれた。

直近のコンサートでも、前転宙返りにひねりを入れてくるなど、まだまだ体力的に現役であることをうかがわせてくれただけに、卒業が非常に惜しまれる。

■いっかいさよなら またあおう


さて、しばらくは“よしお兄さん・りさお姉さんロス”に悩まされそうな我々大人であるが、子どもというのは意外なほど順応性が高く、あっという間に新しいメンバーに馴染むのだということも、なんとなく知っている、親歴9年目の筆者である。

そんなお二人、これからも芸能活動を続けてくださるとのこと。

卒業しても「ワンパコ」(BSプレミアム・「ワンワンパッコロ!キャラともワールド」)がある。
だいすけお兄さんのように、しばらくはEテレの各番組にゲストとして出演ののち、レギュラー番組をもつのはどうか……などと想像は膨む。

りさお姉さんは音楽や舞台を中心に仕事の幅を広げていきたい、と語っている。
今後、もしかしたらミュージカルの舞台でりさお姉さんを見られる日が来るのかもしれない。しょうこお姉さんとの共演……という日がやってくるかも?

そして、よしお兄さんは幼児向けの体操などを今後も続けていく意向とのことだ。
……そうだ、NHKといえば今は“筋肉”ではないか。
子ども向けに「みんなできんにくたいそうミニ」などいかがだろうか。
(NHKのみなさま、ぜひご検討いただければ幸いです。)

そして、願わくばEテレで、だいすけお兄さんを交えた3人がそろうような番組があった日には、きっと狂喜乱舞する筆者であろう……。
よしお兄さん、りさお姉さんの今後の活躍を心から願ってやまない。

ワシノ ミカワシノ ミカ
1976年東京生まれ、都立北園高校出身。19歳の時にインディーズブランドを立ち上げ、以降フリーのデザイナーに。並行してWEBデザイナーとしてテレビ局等に勤務、2010年に長男を出産後は電子書籍サイトのデザイン業務を経て現在はWEBディレクター職。