先日、街の自転車屋さんに、愛用している電動自転車のブレーキの調整を頼んだ。
「けっこう乗ってますねえ」と言うから、「まあ5年乗ってますからね、どのくらいですかアハハ」なんて返したら、「ブレーキと接触するタイヤのステンレスの削れ具合から、少なくともサンゼンキロ?」と言われた。

……3,000km!
調べたら、東京都都庁から直線距離にしておよそフィリピンの首都マニラまで。北京、上海、台北、グアムよりも遠かった……私の太ももが常にパンパンな理由はそれだったのか。

さて、いずれ地球を一周しそうな私たちの乗り物、ママチャリ。3,000kmを勝手に記念して、この5年でどんなものをどう運んだのかを書いておく。


▲5年乗っている愛車G号。バッテリーは2本目。ライトは2代目。
前座席は後付けで約3,000円。好みのギアは「3」。

■環境と設備


まず私の住環境をざっくりと説明すると、そこそこの都市型にあたる。「そこそこ」とは、生活施設へ徒歩では遠いけど、車で行くほどのことでもない、駐車場探しの方が面倒になる、といった微妙~な都市だ。スーパーをはじめ、保育園、小学校、学童、図書館、市役所、大型ショッピングモールなどは徒歩20~30分。自転車にするとすべて10分圏内となる。

ゆえに我が家には自動車がなく、もう一台、2人子どもを乗せられる自転車があったりする(こちらは人力)。これは決してエコな生活のためではなく、「車って本当にいる? いらない?」とやっているうちに5年たっただけである。たまにのレジャーはレンタカーを使い、だいたいの場所へは電車で行ってきた。まあそのため、乗車時間が1時間以上になることもしばしばなのだが……。

■実際の例:子どもからスーツケースまで


さて、我が家の電動自転車で「一度に運べたもの」は以下のとおりだ。
(※あくまで個人の判断でやったことであり、もちろん推奨するものではない)

●例1【積載量=約105kg】
・前かご:1泊用スーツケース1
・前座席:子ども3歳+リュック
・後部座席:子ども6歳+肉屋の弁当2つを膝に置いて持ってもらう。リュックは座席の背もたれにかける。
・ハンドル:スーパーのビニール袋2つ
○シチュエーション→私が1泊出張から帰り、その足で子どもたちを保育園に迎えに行き、その日の夕食や食材を買って帰るの巻。さすがに晴れているからできたこと。

●例2【積載量=約75kg】
・前かご:折り畳み式小型バギーを抱っこ紐でハンドルに固定
・後部座席:子ども2歳
○シチュエーション→駅まで自転車で行き、バギーで乗車し、遠方へおでかけの巻。片道10分の時短となった。

●例3【積載量=約95kg】
・前かご:荷物とストライダー
・前座席:子ども3歳
・後部座席:子ども6歳
○シチュエーション:公園でストライダーに乗りたいという子どもの要望にこたえつつ、帰りにスーパーで買い物をして運びたいの巻。ストライダーはあらかじめ自転車で運ぶことを想定し、軽量アルミボディを購入。

●例4【積載量=約95kg】※雨の日
・前かご:ビニール袋に包んだ保育園の布団シーツ&かけぶとん×2(入らない時はひとつをハンドルに)
・前座席:子ども3歳、リュック前抱え、バギー用のビニールをかける
・後部座席:子ども6歳、リュック前抱え、後部座席用雨よけビニールをかける
・ハンドル:ビニール袋に雑巾2枚、折りたたみ傘を忍ばせる
私は仕事用のリュックを背負ってその上からポンチョを着る(カッパだと細身のためリュックが背負えない)
○シチュエーション:金曜日だったので、布団シーツ&かけぶとん×2を持ち帰る。受難の雨の日。びしょびしょに濡れてもそのまま風呂に入ってなんとかしようの巻。コーナーを曲がるときスリップしかけたので、以来、雨の日は徐行運転。

■もっとおすすめできない裏技


あれは、子どもが3歳+0歳のときであった(遠い目)。二人は別々の保育園だったため、歩きで行くと片道30分(3歳と一緒に歩くと50分)かかってしまうが、自転車だと5~6分程度という魅力に負け、抱っこ紐に0歳を入れて自転車をこいでいた。たぶん、これはやっちゃいけないやつである。で、ちょうど0歳のお腹がすく時間なので、ポンチョやストール(授乳用ではなく、ファッション系のやつ)の下で授乳しながら乗ったこともある。

歩きながらor自転車に乗りながらの授乳は、外見からはまったく分からないそうです。途中でおとなりの奥さまに会いましたけど、そうおっしゃってました。さすがに自転車は揺れるので、うまく吸えないようですが。


……今思えば、車を買うか、人を雇うか、タクシーを使え!と思わなくもない。自転車で夜逃げか!?と思われたこともなくはない。しかし、ペーパードライバー15年、手配が面倒、保育園の前にタクシーを止めてはならない、なんて事情もあって、このまま来た。

気づけば、6歳は自分の自転車をこぎ、3歳は後部座席へ移動した。積載量は減って、同時多発な大移動はひとまず一段落した。

私たちは、育児グッズで子どもの成長を感じることが多い。ベビーベッドが、バウンサーが、ベビーチェアが、バギーが必要なくなり、整理するたびにうれしさと寂しさを感じるものだ。今はペダルをこぐ時の軽さに哀愁を感じている。

さて、子乗せ電動自転車のG号は、私にとってはただの道具ではなく育児の旅をしてきた相棒である。これからもしばらくこがせてもらうので、4年ぶりに掃除くらいしようかと思う。

斎藤貴美子
コピーライター。得意分野は美容・ファッション。日本酒にハマり、Instagramの#SAKEISAWESOMEkimikoで日本酒の新しい切り口とコピーを思案中(日本語&つたない英語)。これからの家族旅行は酒蔵見学。二児の母。