MAMApicks -子育て・育児・教育ニュース&コラムサイト-

親になったから、見えるものがある。

コラム

ドラマ『あなたには帰る家がある』初回レビュー ――夫婦の葛藤のリアルがどれほど再現されるかに期待

新年度に切り替わり早や半月あまり。寝落ちしてばかりの冬を越えて、新しい季節の楽しみと言えば夜のドラマ鑑賞だ。

ただでさえ時間がうまく使えないから、海外ドラマには手を出さないぞと決めていたのに、数年来待ち焦がれていた作品がついに配信スタートしたので、そちらも日々鑑賞。すると地上波ドラマはどこまで押さえられるかと懸念しているが、これだけは観ておこうと決めたのが、TBS系ドラマ『あなたには帰る家がある』(毎週金曜22:00~)だ。

原作は直木賞作家としても知られる山本文緒氏による同名の小説で、ドラマ化されるのは2003年以来2回目。佐藤家、茄子田家という2つの家庭が微妙に交差していく様子を描く家族、夫婦の物語だ。


実は筆者は山本文緒氏の20年来のファン。著書はほとんど読破していて、過去にはトークショーに参加して文庫本にサインをもらったこともある。

なかでも『あなたには帰る家がある』は綿密な人物描写やストーリーテリングに惹きこまれ、他の作品も読み始めるきっかけにもなった印象深い一作だ。ファンとして映像化は嬉しいニュースでもあるが、小説が刊行されたのは1994年のこと。「なぜ今このタイミングで?」という疑問を抱きつつ、初回鑑賞に臨んだ。

続きを読む

「著しく違うこと」を親としてどう受けとめるか? ――顔に強い特徴をもつ少年の話「ワンダー」に引き込まれて

「ひとつだけ願いをかなえてもらえるなら、めだたないありきたりの顔になりたい。」
児童書『Wonder ワンダー』(R・J・パラシオ 著/中井はるの 訳・ほるぷ出版)の主人公オーガストは、先天的に顔の形成に問題をかかえ、「きみがどう想像したって、きっとそれよりひどい」顔の持ち主だ。彼が生まれて初めて学校に通うことになった中等部(5年生)の1年目が描かれている。

いかにも「感動」を売りにしたつくりの話なら興ざめなのだけど、これが、とってもいい距離感で面白かったのだ。ストーリーは、登場する子どもの視点で語られ、章によって語り手が変わる。同じ出来事が別の子の視点で次々に語られる展開にぐいぐい引き込まれ、翻訳の日本語のリズムも心地よく読みやすい。


児童書コーナーにある子ども向けの小説で、小学校高学年の息子が先に読んだのだけれど、私も数年前に立ち読みしたきりで気になっていたので、読んでみたらなんだかとてもよかった。 (※本書の刊行は2015年7月)

「『人と違うこと』をどうやって受け止め合うか」っていうことが全体に流れている。

続きを読む

「子連れで外食」問題が一周回って失ったものはないか

1ヵ月ほど前、休日に娘と2人で近所を散歩中、お気に入りのイタリアンレストランの前を通りかかると、扉の貼り紙が目に入った。

何だろうと近寄ってみると、「3月いっぱいで閉店します」とのこと。何だって!!!ショック、ショックだ。

料理も美味しく、子連れでも入りやすく、ゆったりできて店の雰囲気もサービスも良くリーズナブル。しょっちゅう行けるわけではないが、また記念日か何かで利用したいなと思っていた矢先のことだ。

残念だな、もっと通えばよかったと悔やんでももう遅い。閉店までにせめてあと一度はと決意し、家族で最後にランチに出かけた。


続きを読む

【米国発】学校を休んで日本への里帰りを先生に伝えたところ……?

米国育ちの息子は日本語が好きらしい。普段から私とは日本語で話しているが、昨年4月に1年生になってからは、日本語の土曜学校で学び始めた漢字がとくに好きで、字の成り立ちを解説した絵に感心しては、「今度日本に行ったらさあ、あっちこっちに書いてある漢字が読めるよね。フフフ」と不敵な笑いをもらしている。自分の名前のひらがなを覚えたばかりだった数年前は、日本滞在中にそのひらがなを見つけるたび、「どうしてここに?」と驚いていたというのに、時が過ぎるのは早いものだ。

そうして、「日本に行ったらやりたいことはね……」と話すうち、「ねえ、次は日本にいつ行くの?」ときいてくるようになった。息子とは1歳になる前から毎年日本に行っているが、昨年はタイミングを逃して行くことができなかったので、最後に行ったのはまだ5歳だった2016年の春。「日本のことを考えると、行きたくなっちゃうんだよね」と言う息子はもう7歳だ。


日本に行く場合の一番簡単なオプションは夏休みである。アメリカの夏休みは3ヵ月ほどあるし、高学年になるとその時しか学校を休めないということもあり、私のまわりでも夏に日本に行く人は多い。

続きを読む

男児は急に止まれない ――7歳男児の交通事故が1番多い件

我が家の長男はまだ年長だが、やれ「学童は入れるのか」「PTAって何?」「ランドセルの予約はどうする?」など、いわゆる“小1の壁”とそれにまつわるエトセトラがうっすら迫っているのを感じている。

とくに学童の問題は深刻で、小1はなんとか入れるけど、その後が怪しいようで、学童から追い出された場合は小学校から少し離れた児童館へ歩いて通うようだ。

なるほどね~……歩いて行けるならそれでいいか、と流しそうになって、記憶の片隅にあったデータを思い出した。それがコレ、交通事故死傷者数のナンバーワンは7歳男児である、というものである。

【参照】
交通事故分析レポート No.116 「特集:子供の歩行中の事故」
http://www.itarda.or.jp/itardainfomation/info116.pdf
交通事故分析レポート No.121 「特集:小学一年生が登下校中に遭った死傷事故」
http://www.itarda.or.jp/itardainfomation/info121.pdf
出典:公益財団法人 交通事故総合分析センター


続きを読む

祝新入園&新入学、布ものグッズ&名前付けを乗り切ろう! ――運用実態を知ってどうか気楽に

新入園、新入学シーズン。何かと学校関連のグッズをそろえる時期がやってきた。春休みの短期決戦で、これからまさに準備と言う方も多いだろう。私も入園と入学を1回ずつ経験した。そして、その後、それらの用意したものが子どもにどう扱われるかも……。


■「布もの」は自分で作るのを前提にしない


園や学校の準備で多いのが、「布もの」グッズ。手提げ(複数個)、お弁当や給食関連(複数セット)、上履き入れ、体操着入れ、あとは地域性があるらしいが防災頭巾入れなど。このあたりがメジャーで、あとは様々に追加バリエーションがあるだろう。

今どき、「手作り」を求めるところは、私立の園以外にはおそらく少ないだろうが、結局のところ手作りでないと対応しきれないサイズ感や仕様のものが多いのも事実。「作れとは言われていないけどこんなの売ってないし!」という声も聞こえてきそうだ。

まず、自分で作ることにこだわる必要はない。身内・民間サービス問わず「外注」する。出来合いのものでサイズが合えばためらわず買う。もはやミシンって家電の範囲ではなくて、買うにはけっこう高くて専門性の高すぎる機械なんじゃないだろうか。

続きを読む

アメリカの銃規制問題と浮き彫りにされた教師たちの #ArmMeWith ムーブメント

先月2月14日のバレンタイン・デーに発生した、米国フロリダ州の高校で元生徒が銃を乱射し、高校生15人と教師2人が死亡した事件。3月24日には生き残った高校生たちが主導して、銃規制の厳格化を求める【March For Our Lives】が世界各地で同時開催され、私の住むワシントン州でもシアトルを含む約30都市で、合計数万人が行進に参加した。

「もういいかげんにしろ」「あとどれだけ子どもを死なせれば事態は変わるのか」「コロンバイン高校の事件以後、大人たちは何も対策をしていない」「銃規制をもっと厳格化しろ」「"thoughts and prayers"(=思いと祈り)だけでは解決しない。行動で示せ」と、団結した高校生たちがロールモデルとなったこの運動は、アメリカ人全員が銃による暴力を「仕方がない」と受け止めているわけでも、銃を野放しにしていいと思っているわけでもないことを、世界に見せることができただけでも大きな意味があったといえる。


「Guns don't kill people, people kill people.(=銃が人を殺するのではない。人が人を殺すのだ)」とは、米国憲法修正条項第2条に定められた、「武器を所持して携帯する権利」を根拠に銃規制に反対する、NRA(=全米ライフル協会)のスローガンだが、「NRAから献金を受け取っている議員を選挙に当選させないこと」が、【March For Our Lives】の次の目標のひとつとなっている。

続きを読む

【映画レビュー】『ドラえもん のび太の宝島』が放つ父親への強烈なメッセージ

image

この映画はすごい。込められたメッセージがダイレクトで強い。
「子どもがドラえもんをみたいっていうから、なんとなく一緒に来たんだぁ」というパパは注意した方がいい。胸を撃ち抜かれて、考えさせられるだろうから。

(※以下本文、ネタバレを含みますのでご注意ください)

■母子ではなく、父子にフォーカス


今回の「のび太の宝島」は、毎年ドラえもんの映画を見ている人からも評価が高いようだ。
私は近年のドラえもんをみていないのだが、「宝島」は現代社会への示唆に富みまくっていて、笑いあり、涙あり、友情あり、感動あり……そりゃ人気があるなと納得した。私が感じた今回の太い柱は「父子愛」である。

続きを読む

【プレビュー】NHKスペシャル『人体:生命誕生・見えた!母と子 ミクロの会話』――お腹の中でこんなことが起きていたとは!!

自分の子どものことを、「生きていてくれればいい、他には何も望まない」って思ったこと、あるだろうか? 私は、ある。そんな状況に直面したことがある人、事情は様々だろうが意外と多いんじゃないだろうか。

ところが、人間てけっこう勝手なもので、幸いにも生きていられた場合、「生きていてくれればいい」って確かに思ったことがあったはずなのに、フェーズが変われば子どもへの要求レベルは上がり、小言は言うし、イライラもする。それが現実だったりする。

でも時々ふと「生きていてくれればいい」の状況を思い起こすと、小言もイライラもあまりにささいなことに思え「まぁいっか、もっとのんびり行こうかね」っていう気になったりする。それは甘やかしとは全然違うレベルの感覚だ。

今週末、3月18日(日)に放映されるNHKスペシャル『シリーズ 人体』第6集『生命誕生・見えた!母と子 ミクロの会話』を見ると、なんだかそんな「ささいなことは、まぁいっか」っていう気持ちを、もっと宇宙的なレベルで感じることができてしまうんではないかな、と思う。


続きを読む

お義母さんといっしょ ――結婚観・母親観・人生観、ぬか臭き伝統の打破

ひと昔前の結婚は、ぬか床に似ている。
その家ごとの味を守っているぬか床に、嫁という新しい「ぬか」が入り、なんだかんだありながら、かき回されて馴染んでいくような……。

馴染める「ぬか」は、ある意味幸せかもしれない。馴染めない「ぬか」は、居場所を探してしまいそうだから。


さて、以下は嫁あるあるともいえる、ある人の経験談だ。

・「嫁をもらいにいく」発言に対し、お嫁さんはモノじゃない、と憤慨。

・舅と姑の会話が聞こえてきた。
舅「おまえ(姑)が、嫁をしつけなさい」
しつけるとは何事!?と憤慨。

・葬式のときに、義理の姉に仏壇にあげる料理の位置をしっかり覚えておくように言われ、「私、家と結婚したわけじゃないです!」と親戚一同に公言してしまった。


けっこう威勢の良いこの女性、じつは私の義母である。
本人は「生まれた時代を間違えた」と言っているがさもありなん。40年前に、家ありきの結婚や、妻は夫の家に入るべし、という風潮をイヤと思えど公言する人は少数派だろう。

というわけで私の場合は、ぬか臭き伝統を打ち砕いてきた義母のおかげ&介護問題等が勃発せず、家系統の指示は受けずにフラフラしていられる。

これは……はっきり言って、かなりラッキーだ。

続きを読む
フリーワード検索


MAMApicksソーシャルアカウント



月別バックナンバー
執筆者一覧

MAMApicksって何?

編集長:深田洋介

学研の編集者を経てネット業界に。育児、教育分野を中心にネットメディアで10数年にわたり活動中。思春期の娘の父。

藤原千秋

おもに住宅、家事まわりを専門とするライター・アドバイザー。2001年よりAllAboutガイド。三女の母。

河崎環

教育・家族問題、世界の子育て文化、書籍評論等、多彩な執筆を続ける。家族とともに欧州2ヵ国の駐在経験。

江頭紀子

経営、人材、ISOなど産業界のトピックを中心に、子育て、食生活、町歩きなど のテーマで執筆。二女の母。

狩野さやか

ウェブデザイナー。自身の子育てがきっかけで親の直面する問題を考えるようになり、現在「patomato」を主宰しワークショップも行う。

恩田和

新聞記者、アメリカ留学を経て、2010年第一子出産。育児、教育分野の取材を続ける。南アフリカで4年間の駐在を経て現在米国在住。

西澤千央

フリーライター。二児(男児)の母だが、実家が近いのをいいことに母親仕事は手抜き気味。「サイゾーウーマン」等でも執筆。

川口由美子

管理栄養士としてメーカー勤務の後、独立。現在は雑誌やWEBで活動。夫の転勤に伴い2004年よりアジアを転々と。二児の母。

ワシノミカ

フリーデザイナーとして活動後、TV各局のWEBセクションを転々とし、現在はWEBディレクターとして活動中。二児の母。

真貝友香

ソフトウェア開発、携帯向け音楽配信事業でのSE業務を経て、マーケティング業務に従事。現在は夫・2012年生まれの娘と都内在住。

大野拓未

米・シアトル在住。現地日本語情報サイトを運営し、取材コーディネート、リサーチなどを行う。家族は夫と2010年生まれの息子。

福井万里

大手SIerのSEから、東日本大震災を機に退職し、ライター活動を開始。2012年に結婚&長男を出産、その後シングルマザーに。

大塚玲子

編集者&ライター。編プロや出版社勤務経験後フリーに。結婚、離婚や子ども、家族をテーマにした仕事を数多く手がける。

加治佐志津

絵本と子育てをテーマに執筆。これまでに取材した絵本作家は100人超。家族は漫画家の夫と2013年生まれの息子。

西方夏子

フィンテック系企業に所属。ワーキングマザーとしてフリーランスと会社員の両方を経験。夫の海外赴任に帯同中、2012年ドイツで長女を出産。

森田亜矢子

コンサルティング会社、リクルートを経て、第一子出産を機に退職。現在は食育・マザーズコーチング講師、ライターとして活動。

望月町子

子どもが1歳半になったころから“子連れ出勤”を開始、日々をブログ「1歳からの子連れ出勤」に綴る。夫と娘の3人暮らし。

斎藤貴美子

コピーライター。得意分野は美容。最近日本酒にハマり、主に飲んで勉強中。これからの家族旅行は酒蔵見学。二児の母。

今井明子

編集者&ライター、気象予報士。母親向けお天気教室の講師や地域向け防災講師も務める。家族は夫と2014年生まれの長女、2018年生まれの長男。
MAMApicks執筆陣の書籍
ニュース配信中
livedoor
ameba
mixi