MAMApicks -子育て・育児・教育ニュース&コラムサイト-

親になったから、見えるものがある。

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離婚しても親はふたり ――共同養育の“シンカゾク”

約58%のシングルマザーの年収が200万未満であり、養育費をもらっている母子世帯は24.3%に留まるという日本。(※1)
※1厚生労働省『平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告』より
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188147.html


……おいおい、家父長制からはみ出すものに冷たすぎやせんか、養育費は義務じゃないのか?と疑問は山積み、暗澹たる気持ちになるが、今まさに離婚に踏み切りたい母親たちに必要なのは、思想でも批判でもなく、「子どもの心のケア」と「子育ての手」と「金」である。

そこで、子どものショックを少しやわらげ、父親と交流することで養育費を払ってもらいやすくなる手段に「共同養育」というのがある。
じつは我が家もこの方法を取り入れており、順風満帆とは言いがたくても“シンカゾク”メンバーがそれぞれ「ま、悪くないか」という運用になっている(……と思いたいところだ)。この記事ではそのあたりを掘り下げてみたい。


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40代母、納豆買うなら「ひきわり」を愛すべき理由

40代の女子会(熟女会)ともなれば、話題は子どもの教育や少々の恋愛、そして近年美容よりシェアを拡大してきた不定愁訴を含む健康問題である。

先日、学生時代の友人たちに健康のために何をしているかを問うてみたところ、「とくに何もしてないよ~」と前置きしながら、「ジム通い」「ミネラルを摂取」「パーソナルトレーナーつけて筋トレ」「グルテンフリーの食事」「無添加調味料を選ぶ」とボロボロ出てきた。彼女たちは隠そうとしていたわけではなく、あまりにも日常的な習慣のため俎上にのぼらせていないところがミソで、そういえば私にも健康習慣があると思い当たった。

納豆を食べることである。

私は昨年コロナに罹患し、その後ワクチンを接種してから未だかつてない絶不調(ツワリより重いんだコレが)となった。そんなときに身体が欲した食材が、納豆、甘酒、そば茶。

とくに納豆は元から好きだったこともあり、1日3パック食べることもザラに。私は3パック45円のタレなし小粒納豆から、1食100円ほどのセレブ納豆、全国的に流通していないご当地納豆など、約5~60種類を食べ比べた。そのうち納豆には森林の香りがするものと、土の気配がするものがあることを悟り、最近のひきわり納豆はイヤな匂いがないと知ったのだった……発酵の世界も、日進月歩で奥深いことよ。

■今いま「ひきわり納豆」がアツいのは、食べやすさとおいしさ、そして?


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男性育休取ったはいいが妻との温度差が露呈 ――「レベルの高い子育てを目指す妻」と「育休を取って満足する夫」


いっこうに広まらない男性育休。とうとう厚生労働省は事業主に対し、働き手へ取得を個別に働きかけることを法律で義務付ける方針を固めた。また、男性「産休」も新設されるということで、男性の育児参加に追い風が吹いているようにみえる。

では、実際の現状はどうだろう。夫婦の考えをまとめた資料をちょっと紐解いてみたい。

男性の育休取得に関するアンケート調査
https://univ.curama.jp/7033/
※「くらしのマーケット」調べ

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小2息子、学校マシになってきたってさ ――学校に行きたくなかった息子のその後

コラム「小1息子、学校行きたくないってよ」を書いてから早一年。

これが掲載されたあと、意外なことにたくさんの方から、「じつはウチもそう」「分かる!」「寄り添い向き合うコツをやってみる」という感想をいただきました。いわゆる「行き渋り」の子はけっこういて、おもにに母親たちが思い悩んでいることを知ったのだ。

そこで今回は、小2となった息子に起こったこの1年のことをさらすので、何かの参考になれば幸いです。願わくば、お母さんたちの心の負担が少しでも軽くなりますように……。


さて。
集団登校の子どもたちが出発した後、息子と娘と私は今日も、手をつないで通学路を小学校へと向かう。去年は学校に行くことがイヤで、なおかつ「煮え切らない何か」を抱えて暴れていた息子も、到着は遅れるものの、今ではすんなり教室へと入っていく。

……などと書いてしまうと、さも子どもに寄り添ってきた風だがそうではない。
手つなぎ登校がルーティンとなった今も私は、「いい加減ひとりで登校してくれ!」と叫ぶ日はあるし、「ダルいな~。誰もほめてくれないし……」と思う。そのくせ、毎朝私たちを見ているママさんに「お母さん、エライ!」と褒められれば「いや、大したことなくて……」ともじもじしてしまう。

要は、息子も私も、葛藤を繰り返した果ての妥協地点にいて、そのバランスが今、たまたまちょうどいいのだ。この1年で私たちが培うことができたのは、「こんなもんだよな」と現状を受け入れる力(悪く言えばあきらめ)、そして共通の好きなコンテンツを通じて深めた友情と親子の信頼関係だった。

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きょうだい喧嘩「仕返しOK」で平和になった本当の理由

きょうだい喧嘩でよくきくのが、「上の子が作り上げたものを下の子が壊して喧嘩勃発」というもの。たいがい上の子は怒りに震えて下の子に手をあげ、親に止められるか、怒られるのが分かって手を出せず、泣き寝入りして場がおさまる。どちらにせよ、過ぎれば親はそこまで気にしないものでは。

我が家も例にもれず、下の子である娘は、上の子である息子がつくりあげたレゴの大作へ興味津々に手を伸ばし、壊す。別部屋でつくっても、親が止めても必ず壊す。私は無頓着だったが、兄は着々と妹へどす黒い恨みを溜めていったのだった……。

今回お伝えするのは、近年の子育てにおいてNGと思われるけれど、ウチに平和をもたらした兄弟げんかをおさめる苦肉の策だ。極限状態に達した息子の心へは、正論なんて響かなかったのである。

さて、先ほどの話に戻ろう。

労力をかけて築いたものを無に帰された息子は「元に戻せー!!」と娘へ真っ赤に泣いて怒る。白目をむいたまさに鬼の形相で、時には過呼吸のようになって殴りかかる。我が家では、炭治郎と禰豆子の命をかけて互いを思いやるきょうだい愛(※『鬼滅の刃』参照)とは真逆の、お互いを疎ましく思う肉弾戦が展開されているのであった。

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※画像はイメージです

数年前、あまりの息子の激しさに保健所に相談すると「上の子には『悲しいね』の気持ちに、下の子には『触ってみたかったんだねー』と寄り添って言動で表す」というアドバイス。……うん、そうしてきたつもりでどうやらあまり効いてない。いや、私がうまいことできないらしい。

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あなたはどう?「withコロナの夏休み」で見えてきた家族単位のタテマエとホンネ

太くて短かった2020年の夏休み、東京のベッドタウンである我がまちは、STAYとGo Toのはざまで、「都民じゃないから旅行してもよさそうだけど、新型コロナウイルスを拡散してたらどうしよう?」という問題に揺れている人が多かった。

会社では5人以上の会合を禁止されているが、満員電車に揺られて都内へ通勤する毎日。飛沫感染は防げても、接触感染はどうよ……? 答えのない問いに、親たちが、教育界で流行りの「自ら考えて動く力」を試されていた。


それは今夏のSNSに顕著に表れた。例年なら、海! 山! 花火! ビアガーデン、うぇ~い夏! と輝いているはずの画面が暗い。まず投稿数が著しく少ない。あったとしても、「家でパフェを作りました」、「パンを焼きました」、「この漫画にハマっています」など。批判リスクのない、安心安全なおうちコンテンツが目立った。

たまにいる「キャンプに来ました」報告でも、「貸し切りです!」とか「隣のテントとは離れています」などの文言を入れて「ちゃんと3密回避してますよおおお」とアピールしている。広告で炎上を起こす企業より、リスク管理にぬかりがない。みなさま、「どう見られるか」が分かっている。

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「恐竜王を目指せ!わくわくライブ」でパッとしない夏休みをシメる! ――初めてのオンライン・ライブレポート

暑くて短い夏休み……特にどこも行けないまま終わった、というご家庭も多いのではないだろうか。例年なら体験型イベントが豊富でも、今年は中止や入場制限が多く、ホイホイ出歩きにくいご時世だ。代わりに、オンラインコンテンツや漫画やゲームなどの「インドアで文化的な(?)」な生活がメインとなったのでは。

さて、我が家の夏休みは8月中旬に終わってしまったが、先日夏のシメとして、「チコちゃんといっしょに課外授業『恐竜王を目指せ!わくわくライブ』」というオンライン・ライブを視聴した。恐竜LOVERの聖地、福井県立恐竜博物館の内部を、QuizKnock(クイズノック)ナビゲートのもと、研究員さんたちの解説が聞けるという大人も燃える企画である。


オンライン・ライブの時間は80分ほど。飽きっぽい子どもたちも引き付けるうまいつくりで、チコちゃんから出題される恐竜にまつわるクイズと、博物館の展示物に沿ったクイズと解説、そして野外恐竜博物館にて化石発掘体験をリアルタイムに行う様子の3本柱で展開する。

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仕事・育児・家事の3つの密! 2泊の家出で再起動

みなさん、生きてますか? ご無事ですか……?
まずはそこを、心からお慶び申し上げます。

さてコロナ禍、それは私にとって先の見えないデスマッチだった。小学校の休校と、保育園の自粛要請により、せまい家のなかで仕事・育児・家事の密接生活を送った。ワンオペは心身を破壊すると知っていたので、それなりの策を講じたつもりだった。が、緊急事態の名のもとに流され、いま思えば自ら退路を断っていた。

普段から余白などない生活を送っている者が、非常時にいっそう苦しくなるのは当たりまえ。これは未来の母親たちのために残す、コロナ禍で一人のアラフォー母がぶっこわれた話である。

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育休中は、パパもワンオペが普通!? スウェーデン男性の育児力はいかに育まれたのか。

男性が育休を取得しても内実は、家事・育児をせず遊んでいるかのよう……という「取るだけ育休」(※1) なるものを知ってショックだった私は、有意義な育休生活を送った方を取材させてもらった。

取材を通じて得たことは、所属している企業がいくら推奨しようとも、働く男性は日々の業務から離れることに罪悪感を覚えること、育休中の過ごし方を会社へ報告する義務がなければ、「取るだけ育休」さもありなん、ということだった。

そんな日本とは対照的に、育児界において何かとお手本にされる国がある。スウェーデンだ。
そこはノーベル賞とIKEAとH&Mの生まれた地であり、日本より一人当たりのGDPが高く、育児しやすく、福祉が充実し、教育の機会にも恵まれているという国である。

知人のスウェーデン出身のママは、「医者になるため、大学に行きなおす」と日本人パパと二人の娘を連れて、地元に帰っていった。子を生んでからもキャリアを作れる国なのか……しかも学費が無料!? と、日本人のママ友と愕然(白目)とし、わが身と比べても悲しくなるだけと見ないようにしてきたのだった。

だが今年1月、スウェーデン大使館にて男性育休を推進するためのイベントや新年会が開かれ、その私の方針はガラッと変わった。スウェーデン大使館の一等書記官であるヨハネス・アンドレアソン氏とお話する機会があり、きちんとスウェーデンの事情を理解せねばと思ったのだ。


日本各地で開催された巡回写真展『スウェーデンのパパたち』の一枚(スウェーデン大使館で撮影)。子どもの世話に奮闘するリアルなパパたちの姿が展示された。
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パパを「取るだけ育休」にしないためには? 「理想の育休」事例に学ぶ

子育て系のライター稼業をしていると、ママたちのパパヘ対する不平不満が山のように集まってくる。その最大かつ最初の山場は、出産後の「お客さん感」だ。

産後の疲れと不安、総じてストレスが膨大なママに、寄り添いや共感がなく、育児や家事にも関わらない。たまーにごみ捨てや風呂入れをすればイクメン気取りでゲンナリさせられるというもの。ママはこの時期にされたことをいつまでも覚えている(恨みにもっている)から、50年の夫婦関係は産後1年で決まると言ってもいいだろう。

だからパパも育休を取ってくれたなら、育児・家事の大変さが分かってくれるんじゃないか……と期待を寄せれば、今年1月、「取るだけ育休」なる「育休名目で趣味や遊びに興じる単なる休暇」の実体が世間をにぎわせた。

一部のパパだけだと信じたいが、このままじゃ日本のパパはダメレッテルを貼られてしまうよ……。
そんなため息をついていたら、有意義な過ごし方を実践された「理想の育休」の一例を取材することができた。

スウェーデン大使館で開催された講演「父親の育児休業取得~経済効果へのカギ~」にて登壇していた、積水ハウス埼玉南シャーメゾン支店(当時)総務長の大村孝史さんである。さっそく家族が喜ぶ育休にするコツを聞いてきたのでお伝えする。



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