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親になったから、見えるものがある。

mari_fukui

【コラム】子と親の自己肯定

私は走っていた。
17時02分の電車に乗らないと、2歳半の息子の保育園のお迎えに間に合わない。
念願のやりたかった仕事。全力投球したい気持ちを抑え、後ろ髪を引かれながら仕事場を後にした。

ギリギリで電車に乗り込むと、1分たりとも時間をムダにできないと、仕事関係の資料を読み込む。最短距離で移動し、最寄り駅の改札口のゲートを出た。時間を確認すると、保育園が閉まるまで、あと9分。また走る。

まさにリアル「24」(TWENTY FOUR)。爆弾ではないが、受け渡しに間に合わないと面倒なことが保育園でおきてしまう……。



保育園が閉まる1分前に、園のドアをあけた。
息子との感動のご対面!とはならず、息子から発せられた一言にうなだれる。

「あっちいけ」

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親のマイナスな感情を子どもに伝えるということ

児童精神科医の講演で、興味深い話を聞いた。

「幼児は自分の感情の伝え方がわからない。マイナスな感情を癇癪やモノを投げたりして表現する。怒りや辛いなどの感情も普通に抱く感情。それを行動ではなく、言葉で伝えられるようになることが必要です。それには、親が普段からマイナスな感情も言葉で表現して見本をみせることが大事です。」

最後の一節が引っかかった。


言葉が未熟な幼児は、親が感情を代わりに表現してあげると、「この気持ちは、こういう言葉で表すのか」と学習する。言葉をオウム返しで習得中の2歳の息子をみていると、マイナスな感情を言葉で代弁して共感してあげるのが大事というのはわかる。

でも、ここでは、親自身のマイナスな感情を冷静に言葉にして伝えるとよい、との話だった。

なぜ、引っかかったのか?
それは、母親像に自らの辛さや怒りなどを表現しないイメージがあるからだ。

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子どもの幸せを決めるのは誰? ――それは、本人自身が決めること

「子育ての成功は、生まれてきてよかったと本人が思ってくれることかも。」

年上の女友だちがそうつぶやいた。

彼女のお子さんはすでに社会人。お子さんは、小さいときにいじめにあったり大病を患った。そして、経済的に豊かではない思いをさせてきた。
けれども、「毎日が楽しい。生まれてきてよかった」と言ってくれたのだそうだ。

子育ての成功 ――。
「成功」という言葉は大仰なので、子どもがどういう状態でいてくれたら、子育てがうまくいったといえるのだろうかと考えてみた。

筆者には2歳ちょっとの息子がいる。子どもへの願望を、もしただひとつだけ表すとしたら、間違いなく「幸せでいてほしい」と記す。
子どもに「幸せ」と思ってもらえたら、子育てはうまくいったと思えるかな、そう感じた。



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イヤイヤ期は「生きていればOK」で乗り切る

ついにきた。
まさに、(゜∀゜)キター!!!! って感じだ。

2歳ちょっとになった息子。以前はぐずることはあっても、これがかの「イヤイヤ期」なら、名付けるほどの状態なのかなと不思議だった。
子どもが同年齢のママ友から伝え聞くその惨状?!に、うちの子はイヤイヤ期がないのかなとすら感じた。ないと先々大変だと聞くから心配……、そんなのんきなことを思っていた。

そしてやってきたイヤイヤ期。嗚呼、なくていい。

起きるのもイヤ
食べるのもイヤ
歯磨きもイヤ(←これはイヤイヤ期に限らず……)
着替えるのもイヤ
出かけるのもイヤ

えっと、あなた何ならイヤじゃないの? とにかく人からの指示はすべてイヤなのだ。
虐待を疑われそうな泣き声で、地面をのたうち回る。世の中のすべてが不満だと叫ぶかのように。ロックなのだ。

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「すみません」より「ありがとう」 ―― 迷惑に過敏になりすぎていないか?


言葉を覚えたての息子は、「ありがとう」ブームだ。
なんでも「ありがとう」。気持ちがこもっていない。たぶん、意味はわかっていない。

りんごをもらったら「ありがと」
ギャン泣きした病院の診察の後でも「ありがと」
しまいには、人におもちゃを渡しても「ありがと」これは……。
私が「蟻がいるね」といっても、「ありがと」これは空耳?

それでも、まわりの大人たちは、一気に微笑んでしまう。

かたや、大人の私。
席を譲ってもらうなど、助けてもらった時に、「すみません」とばかり言ってしまう。

ベビーカーでスーパーに行き、狭い通路を譲ってもらったら「すみません」
陳列棚を少しずらした後始末で戻してくれたら「すみません」
レジの後、店員さんに袋詰めの台までかごを運んでもらっても「すみません」

あまりに言い過ぎて、潜在意識で「育児しててすみません」という気持ちになっていく。
そして、世間では「ご心配をおかけしてすみません」という言葉が踊る。

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成長がゆっくりめな我が子と向き合う

同世代の子にできることができず、きょとんとしている1歳後半になるわが息子。お世辞にも成長が早いとはいえないほうだ。

その現実を目の当たりにして、ある感情と戦っている。
それは、自分を責める気持ちだ。

真っ白なキャンバスだった息子の脳に、ほとんどの時間を一緒に過ごし、色をつけてきた、母である私。彼の成長がゆっくりなのは私のせい? 後ろめたいことが頭をめぐる。


自分のことに精一杯で十分に構ってやれなかったときもある。少しでも休憩したくて、寝てもらうことだけを考えていたときもあった。

「三歳児神話」、「三つ子の魂百まで」などの、「3歳までの親の育児が大事だ説」が私を追いつめ、サッカーの本田圭佑選手の「子どもは社会からの預かりもの」という意識高い発言までもが、「私レベル低すぎ……」とうなだれさせてしまうのだ。反省し過ぎ?

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「ハレノヒ育児」 ~子育ての「ハレ」と「ケ」考~

次の2つのエピソードは、共通の特徴から起きている。

  • 妻が育児の苦労をつぶやくと、ときどき育児に参加する夫から不思議だという反応を示される。子どもも自分もこんなに楽しいのに、育児がなんでつらいのかと。

  • 1歳半ばをすぎた息子が祖父母と遊ぶときは、テンション高めで、母である私といるときより楽しそうだ。

上述の夫や祖父母がしているのは、「ハレノヒ(=ハレの日)育児」だ。
始終ニコニコ笑顔で接し、子どもがしたいことをさせ、思う存分甘えさせる育児。それが、「ハレノヒ育児」。

家庭で決めている(おやつやテレビの時間などの)独自ルールが簡単になかったものとなる。面倒をみる側の顔はもちろん、財布のヒモもゆるみやすい。無礼講満載の「祭り」なのだ。

すでに離婚している筆者としては、息子が父親と遊ぶときも、きっと「ハレノヒ育児」になるのだろう。


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乳児子育てはブラック企業並み?だけど終わりあるプロジェクト

「何がそんなに大変なの?」
幼児の子どもがいる男性の友人が、乳児の子育てでぐったりしていた私にきいた。

「ちょ、おま…」
子煩悩で乳児の子育てにも積極的に取り組んできたというイクメンの彼からきかれると思わなかった質問に、絶句した。彼の場合、子どもとの時間は「癒し」で「休息」。子育てを一日中できる立場を「毎日がサンデー」だと考えているようだった。

そのときは、夜泣きによる寝不足で思考回路が停止状態。
「大変だから大変なんだよ!」
と子どものような返事をして、終えてしまった。

―― 改めて、何がそんなに大変だったのか、振り返ってみたい。

筆者は会社員時代、一時期だが、深夜のタクシー帰りが月の半分を越え、昼夜問わず会社からトラブルの電話がかかってくる生活を送ったことがある。家は帰って寝るだけ。洗濯が間に合わず、1ヵ月分のパンストと下着のオーナーになってしまった。

ブラック企業ではなかったが、それなりに激務といえる就労状況だ。こんな忙しい経験をしたのだから、大抵のことはお茶の子さいさいだろう、そう思っていた。

でも、乳児の子育ては正直それよりつらかった……。

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「母性」―― それは、子を育てながら育むもの

出産後の産院にて。
生まれたばかりのわが子を目の前に、ある事実にびっくりしていた。
育児書に書いてあること以外、子どものことが何も分からないのだ。産んだ瞬間、体の変化と同じぐらいの変化が、脳や心にも起きると思っていた。

私の身体の中から出てきた生き物。泣いているが、どうやったら泣きやむのだろう。母性本能があれば、子どものことが直感でわかり、身体からフェロモンのような見えない力「母性ビーム」が出て、赤ちゃんが泣きやむのでは? いくら自分に問いかけてみても、答えは返ってこない。

抱いてみた。泣きやまない。
「えっ…私の母性本能、なさすぎ…?」
両手で顔を覆う。

思えば、独り身だったころから、自分の母性本能に疑問があった。

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PMS中の子育て ~勇気をもって母親をお休みしてみる~

あれ、なんでこんなに子育てがつらいのだろう。
あっそうか、アレが始まったのだ。

月一回の憂うつな期間に突入した。生理ではない。生理前の、何をやっても何だかダメ、戦闘力がゼロに近くなる状態のことだ。

生理前の精神面の不調には「PMS(月経前症候群)」という名前がついている。生理前の数日間、イライラしたり、普段だったら普通に受けとめられることをどうしようもなく落ち込む。


脳から鬱(うつ)と似た作用のホルモンがでる影響でおきるらしい。小さじ一杯もないホルモン物質のせいで、起きていることの受け取り方が180度違う。

人も動物だ。動物の生態として、排卵期に気分が興奮しやすくなるのはわかるとして、生理前に気分を鬱々(うつうつ)させて何の得があるのだ。そんな疑問を脳に問いかけ、何も返ってこないポンコツさにさらに落ち込む期間である。

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