MAMApicks -子育て・育児・教育ニュース&コラムサイト-

親になったから、見えるものがある。

sayaka_kanou

【新刊情報】「ふたりは同時に親になる」 ――産後ママのモヤモヤを言語化したMAMApicksファン待望の一冊

はじめに、このイラストをご覧ください。産後のママとパパの状態を示したものです。


崖から落ちそうな危機的状況なのに、「がんばれー!」と無邪気に応援するパパと、「自分でどうにかすべきなんだろうな……」と自問自答しているママ、という最初のフェーズが左側。それを放置した結果、まだ崖から落ちそうな状態のまま、「自覚してよ!」とイラつき怒り攻撃するママと、「だって俺は仕事なんだよ!」と防戦するパパというフェーズが右側の状態。

もう、とりあえず、応援とか我慢とか攻撃とか防御とかしなくていいから、いますぐママは「落ちるー!助けてー!」と叫んで欲しいし、パパは「ヤバイ!」と荷物を放り出して手をガシッとつかんでほしいのに……。

こんなイラストが登場する、産後を乗り越えるパパとママのための本が出ました。


続きを読む

女だから/男だからの役割意識を越えるのではなく、壊せたら

このところの旅行の記憶といえば、もう100%子どもの行きたいところばかりが続いている。今年も行った先のメインは鉄道系の博物館。幸運にも本物の運転士さんがシミュレーターのエリアに来てくれる日だったらしく、息子が運転体験をしている様子を見守りながら、私は運転士の仕事や訓練などについていろいろと話を聞かせてもらえてしまった。

■自分でも意外だった根強い性別フィルター


体験時間が終わって「本物の運転士さんだって!すごいね~」と息子に言ったら、その運転士さんが、「あ、こちらも運転士です」と、息子の横で操作方法を指導してくれていた方を紹介する。おぉそうだったのか!となんだかバツが悪い。

ふたりとも運転士だなんて思わなかったとか、制服が同種に見えなかったいうのもあるけれど、もっと理由があった。その方は女性だったのだ。

今私が話している人は運転士、ということは、息子についてくれている「女性」は、教えてくれるスタッフ系の人なのか車掌さんとかなのかな……。そういう判断をなんとなくしていた。あぁ、私は確実にこの人を「女性」というフィルターで見ていたんだ。その自分の先入観にガツンと気づかされて、ちょっとショックだった。

そしてやたら「女性の運転士!かっこいい」的な反応をする自分がまたなんだか嫌になってしまう。

男とか女とか、生物として違うとはいえ、社会的な役割に関しては極力フラットでいたい、と常々思っているのだけれど、自分の根っこにはりついている、「女だから……ではない」とか「女なのに……ですごい」という感覚に、いまだにびっくりするほど左右されていることに改めて気づかされてしまった。


続きを読む

【ブックレビュー】2020年度から必修化! 小学校の「プログラミング教育」について知りたいことがわかる本

2020年度から小学校でのプログラミング教育が必修となりました。いったいどんな授業像なのかまったくイメージがわかない方も多いのではないでしょうか。学校現場も3年後に向けて試行錯誤の準備段階を迎えています。

■必修化って実際どういうことなの?


必修とはいえ新学習指導要領では、プログラミングは教科として定義されてはいません。

新学習指導要領解説では、特定の「プログラミング言語を覚えたり」「技能を習得したり」することではないと明言しています。

重視されているのは、「プログラミング的思考」を育むことや、コンピュータや情報技術によって社会が支えられていることに気づき問題解決をしようとする態度を育むことです。その結果「教科等における学習上の必要性や学習内容と関連付けながら計画的かつ無理なく確実に実施されるものであること」という位置付けになっています。

つまり、従来の教科の中で、プログラミング的な論理的思考力や問題解決能力を育む学びが求められているわけです。

これ、とても捉えにくく実現しづらいようでいて、逆に考えれば自由度が高く豊かな発想で面白い授業に結びつけることができる可能性も感じています。

■授業モデルの見える本が登場!


そんな中、プログラミングで学ぶ新しい授業のモデルが示された本『小学校の「プログラミング授業」実況中継 2020年から必修のプログラミング教育はこうなる』(技術評論社)が登場しました。


この本は、BSフジで今年1月に放映された『beプログラミング2 ~2020年大予測! 小学校の授業はこうなる!?~』という番組をもとに作られ、小学生を対象に各教科ごとに実験的に行われた授業の内容を実況中継するという形を取っています。

続きを読む

【プレビュー】NHKスペシャル『ニッポンの家族が非常事態!? 第2集 妻が夫にキレる本当のワケ』 ――イラっとする妻vs理由がわからない夫を科学する

妻「そういうことじゃないんだよね、言ってるのは」
夫「わかってる」
妻「わかってねーし」

あぁ、なんかその……こういうやりとり、力加減こそいろいろでも、身に覚えがあったりしないだろうか?「そうじゃないのに!」「なんでわかんないの?」って私もいくらでも言ったことあるよなぁ……。

なんだか思わず苦笑してしまう夫婦のやりとりが連続するNHKスペシャルが6月11日(日)に放映される。『ニッポンの家族が非常事態!? 第2集 妻が夫にキレる本当のワケ』。

イラっとして「キレる」妻と理由がまったくわからない夫、そのカラクリを科学しようという番組だ。


続きを読む

欲しいのは、「応援」じゃなく「仲間」 ――話題のムーニー動画に思う

紙おむつブランドのムーニーによる、昨年12月から公開されていたキャンペーン動画「ムーニーから、はじめて子育てするママヘ贈る歌。」が、最近SNS上で話題になった。マイナス評価の方で。ママが奮闘する育児のリアルと孤独が描けているという声もありながら、この動画に多くの低評価の声があがったのは、育児の大変さを内省的なメッセージで表現するのに終始して、女性が解決する女性の問題として、閉じた結論にしてしまったせいだ。

同時に、対比するようにプラス評価でSNSのタイムラインに流れてきたのは、これも少し前のパンパースのキャンペーン動画「キミに、いちばんのことを。」だった。赤ちゃんを抱くママに始まり、パパの夜中の赤ちゃんだっこ担当シーンがさらりと入り、家族や街の人が赤ちゃんのために小さな何かをする情景が続く。静かだけれど外に開いたメッセージを表現している。アメリカのパンパースでは「Hush Little Baby」のタイトルで2015年に公開されていて、ニューヨーク本社の広告エージェンシーが作っている。


続きを読む

コマ撮りムービー作成がとっても手軽にできる! ~直感的で簡単操作のStop Motion Studio

コマ撮りのアニメーション、『ウォレスとグルミット』や『ひつじのショーン』でおなじみのアードマン社の作品やNHKのEテレなどで、プロクオリティの作品に触れることが多く、子どものいる家庭では特にみなさんお馴染みだと思います。自分でも作ってみたいな、と思ったことはありませんか?

■びっくりするほど簡単操作!


コマ撮りは、ちょっとずつ動かしながら撮影したバラバラの写真を連続で再生しているだけというシンプルな仕組みですが、自分で撮った写真を映像編集ソフトでつないで…………とやるのはなかなか面倒な作業です。

これを簡単操作で手軽に作れるおすすめアプリが「Stop Motion Studio(ストップモーションスタジオ)」。操作がとても直感的で、一度慣れれば子どもが一人で作るのも簡単です。

Stop Motion Studio iOS版
Stop Motion Studio Android版

アプリを起動したら、こんな風にしてスタンドに立てて固定してカシャカシャと気の向くままにコマ撮りしていくだけ。

続きを読む

男だって子どもを理由に飲み会を断っていい ――小さい子のいるパパには周囲も声かけを

子どもが生まれてから私が参加した飲み会の数って、かなり少ない。

そもそも育児の最初の頃なんて、夜に限らず絶えず自分の時間なんてものはなくて、昼の予定だって赤ちゃん関連ばかり。出産後に夜の飲み会に初めて参加したのはいつだっただろう……。もう産後10年以上経ってずいぶん変化したとはいえ、それでも、なんだかんだといって、ずーっと私の「夜の時間」は子どものためのもののままだ。

■夜の用事が全然入れられない!


今だって、夜飲むような席にでかけるとしたら、自分の楽しむ領域よりも、仕事に関連するイベントやセミナー+懇親会とか、「用事」に近い状況の方が圧倒的に多い。

それでも、行くときはなるべく早いうちに夫の予定を確保して、夫が劇的に忙しい時なら参加を諦めることもある。頼んだ日近くにやたら「いそがしい!」を連発されれば、「ずっと前から言っといたのに!」と言いたくもなる。あぁ私の夜の予定をたったひとついれるだけでなんでこんなに面倒くさいのか……。


続きを読む

小さな声かけ&行動でささやかなヘルプを ――育児フェーズがちょっと楽になったら

春休み早々、水族館に出かけた。数年おきに訪れているエリアで、行くたびに、前に来た時のことを定点観測的に思い出す。前回は息子とふたりで来て、この駅のここら辺で30分は泣かれて、私も最後にはずいぶんきつい態度をとったんだった……。楽しく遊んだ最後が、「泣きぐずる子とキレ気味の母の図」だった痛い記憶がある。

■子どもが大きくなって外出が楽になっていた


今回は夫も一緒で、家族で出かけること自体が結構久々だったので、軽い旅行気分。以前3人でここに来た時は、さらに前だから、もっと幼くてもっと手がかかった。初めて来た時なんてまだベビーカーに乗っていたじゃないか……。10才ともなると、こんなにも家族の外出って楽になっていたのか……!と、その落差に驚く。

■育児風景が凝縮されている!


水族館て、本当に小さい子連れの家族が多い。あちこちで幼児がぐずり、なだめる親の声が聞こえる。「だっこ!」攻撃に、土産物コーナーでは買う買わないの攻防。ひとりで複数の子の面倒を見るママもいれば、幼児連れで大きなお腹でイルカショーを見ているママもいる。ハイテンションで子どもの相手をしているパパもいれば、子どもをだっこして水槽にはりついているパパもいる。ぐったりソファに座り眠りこむ親子もいれば、子どもをはさんで明らかケンカモードの夫婦もいる。


続きを読む

周回遅れの並走感 ――夫婦のフェーズのずれを「生活の力」で整理する

「俺を新人アルバイトだと思って教育してよ」と夫に言われてとっても頭にきた!
……乳児&幼児の子育てまっただ中のママから聞いた話だ。

パパがそう言ってしまった事情も、ママがひどく頭にきた理由も、なんだかとってもよくわかる気がする。

■「夫を教育」ってそもそも変


私は好きでは無いけれど、「夫を教育する」という語り口は、ひとつのスタンダードとしてたしかにあった。冒頭のパパは、きっと同僚か先輩からそんな話を聞かされたか、どこかでそんな文章を読んだのだろう。ママのフラストレーションを解消したいと思ったが故、パパはそんな「コツ」や「手法」を試してみよう……と、思い切って明るく口に出してみただけなのかもしれない。

でも、この「夫を教育する」的アプローチの一番の問題は、「女性が家事育児において優れていて、気づかない夫には手取り足取り指導するしかない」という、完全な上下関係の元に成立するということ。

この手法でしか夫を動かしようがなく、こうしてでも動いてくれるだけまし、という世代も確かにあったはずだ。そして、今のママパパ世代でも、年齢が上がるほどこっち寄りの人はまだ多い。これでうまくまわっている夫婦だってもちろん多いだろう。


続きを読む

3メートル四方のリアル ――映画『ルーム』の特殊性は普通の子育てとつながる

なんだか数日、私の態度が息子に対してきつくなっていた。最近結構いいバランスでまわっていたのに。ちょっとしたきっかけで、もう少し彼の世界を広げないとまずいんじゃないか、と、私が思ったのが原因だ。いやいやまだだ……と気持ちを引っ込め、のんびりモードにもどりながら、去年観た映画『ルーム』のことを思い出した。

映画『ルーム ROOM』 公式サイト
http://gaga.ne.jp/room/index.html

この作品は、ある事情で納屋に長く監禁されている女性とその子どもの話だ。子どもは生まれてから一度もそこから出たことがなく、外に自分たち以外の人間がいて、広い世界があることすら知らず5歳の誕生日を迎える。

母親は、どうにかこの子に広い世界を見せようと、脱出計画を試みる。その先ふたりがどうなるのかも含めて、全体に抑えたトーンで淡々と描かれる映画だ。


続きを読む
フリーワード検索


MAMApicksソーシャルアカウント

最新記事
月別バックナンバー
執筆者一覧

MAMApicksって何?

編集長:深田洋介

学研の編集者を経てネット業界に。育児、教育分野を中心にネットメディアで10数年にわたり活動中。思春期の娘の父。

藤原千秋

おもに住宅、家事まわりを専門とするライター・アドバイザー。2001年よりAllAboutガイド。三女の母。

河崎環

教育・家族問題、世界の子育て文化、書籍評論等、多彩な執筆を続ける。家族とともに欧州2ヵ国の駐在経験。

江頭紀子

経営、人材、ISOなど産業界のトピックを中心に、子育て、食生活、町歩きなど のテーマで執筆。二女の母。

狩野さやか

ウェブデザイナー・ライター。技術書籍やICT教育関連の記事を中心に執筆。著著に『ふたりは同時に親になる 産後の「ずれ」の処方箋』。

恩田和

新聞記者、アメリカ留学を経て、2010年第一子出産。育児、教育分野の取材を続ける。南アフリカで4年間の駐在を経て現在米国在住。

西澤千央

フリーライター。二児(男児)の母だが、実家が近いのをいいことに母親仕事は手抜き気味。「サイゾーウーマン」等でも執筆。

川口由美子

管理栄養士としてメーカー勤務の後、独立。現在は雑誌やWEBで活動。夫の転勤に伴い2004年よりアジアを転々と。二児の母。

ワシノミカ

フリーデザイナーとして活動後、TV各局のWEBセクションを転々とし、現在はWEBディレクターとして活動中。二児の母。

真貝友香

ソフトウェア開発、携帯向け音楽配信事業でのSE業務を経て、マーケティング業務に従事。現在は夫・2012年生まれの娘と都内在住。

大野拓未

米・シアトル在住。現地日本語情報サイトを運営し、取材コーディネート、リサーチなどを行う。家族は夫と2010年生まれの息子。

福井万里

大手SIerのSEから、東日本大震災を機に退職し、ライター活動を開始。2012年に結婚&長男を出産、その後シングルマザーに。

大塚玲子

編集者&ライター。編プロや出版社勤務経験後フリーに。結婚、離婚や子ども、家族をテーマにした仕事を数多く手がける。

加治佐志津

絵本と子育てをテーマに執筆。これまでに取材した絵本作家は100人超。家族は漫画家の夫と2013年生まれの息子。

西方夏子

フィンテック系企業に所属。ワーキングマザーとしてフリーランスと会社員の両方を経験。夫の海外赴任に帯同中、2012年ドイツで長女を出産。

森田亜矢子

コンサルティング会社、リクルートを経て、第一子出産を機に退職。現在は食育・マザーズコーチング講師、ライターとして活動。

望月町子

子どもが1歳半になったころから“子連れ出勤”を開始、日々をブログ「1歳からの子連れ出勤」に綴る。夫と娘の3人暮らし。

斎藤貴美子

コピーライター。得意分野は美容。最近日本酒にハマり、主に飲んで勉強中。これからの家族旅行は酒蔵見学。二児の母。

今井明子

編集者&ライター、気象予報士。母親向けお天気教室の講師や地域向け防災講師も務める。家族は夫と2014年生まれの長女、2018年生まれの長男。
ニュース配信中
livedoor
ameba
mixi