MAMApicks -子育て・育児・教育ニュース&コラムサイト-

親になったから、見えるものがある。

yuka_shingai

2020年初夏、我が家の在宅ワーク×休校期間反省会

3月から開始した長い長い休校期間がついに終了し、6月1日、娘が久々の登校にと朝から出かけて行った。

休校開始のタイミングでは、まだ娘を学童に通わせていた我が家。
学童サイドからは、「ご両親が在宅している場合はできるだけご家庭での保育をお願いしたい」と要請は受けていたものの、夫婦ともに仕事をしている状態で子どもを見ることはとてもできなかった。


毎日弁当作りにヒーヒー言いながら朝から夕方まで通わせる一方で、職員さんをはじめとする現場の負担や感染リスクが頭をよぎらないわけではない。これでいいのかな、としばらく煩悶し続けた後、4月7日の緊急事態宣言を受け、ひとまず学童の登室は控えることを決意した。

当初はゴールデンウィーク明けまでという予定だったので、数週間頑張ってみようと覚悟を決めたが、あれよあれよという間に自粛期間は延長され、2ヵ月弱が経過。緊急事態宣言が解除された今も、分散登校で授業はすぐに終わってしまうし、感染拡大の状況次第で改めて自粛期間に舞い戻りという可能性も考えられるが、とりあえず「我が家のWork from home with kids 第1章 ~完~」という感じである。

続きを読む

先行きの見えない今、親が子どもたちに伝えられることって何? ――BRAHMAN,OAU TOSHI-LOW氏インタビュー後編

『鬼弁~強面パンクロッカーの弁当奮闘記~』著者、TOSHI-LOW氏(BRAHMAN、OAU)インタビュー後編では、予測のつかない世界に生きる上で、親が子どもたちに見せるべき姿、伝えていけることは何か、たっぷり語ってもらった。

【インタビュー前編】
子どものお弁当や食事、プレッシャーや決まり事から解放されるには?


■この状況下において、子どもたちは子どもたちで色んなものを感じ取ってるはず


TOSHI-LOW
TOSHI-LOW氏(撮影 西槇太一)

――今、すごく世の中がピリピリしていて、しんどいって言い出しにくい空気を感じます。
「私も我慢しているんだから、あなたも我慢してください」みたいな、まるでチキンレースのような状態だなって感じるんですけど、分かります?

TOSHI-LOW:もちろん分かるよ。俺はそういうのには乗らないけどね。

――こういうときこそクールに、冷静でいようとしていますか?

TOSHI-LOW:いや、笑ってるな。何が楽しいかなってことばっかり考えているから。


続きを読む

子どものお弁当や食事、プレッシャーや決まり事から解放されるには? ――BRAHMAN,OAU TOSHI-LOW氏インタビュー前編

3月頭から開始した臨時休校を受け、我が家は毎日朝から娘を学童へ送り出すこととなった。終日学童となると避けられない毎朝のお弁当作り。

予定では新年度開始の4月上旬まで1ヵ月あまり……と思うと気が遠くなりそうなところ、「そういえば」と本棚の1冊に手を伸ばし、読み返すことにした。


『鬼弁~強面パンクロッカーの弁当奮闘記~』(ぴあ)は、ひとりのお父さんがクローズドなSNSで公開していた息子のためのお弁当記録を書籍化したもの。

そのお父さんというのは、パンクバンド、BRAHMANやアコースティックバンドOAUのフロントマンで知られるTOSHI-LOW氏。型破りでユニークで、かつ美味しそうなお弁当の数々と、なかなか知ることができないミュージシャンの素顔が垣間見えるエッセイのバランスが秀逸で、すべての子育て家庭にオススメしたい内容だ。

書籍の発売当時、ご縁があってTOSHI-LOW氏とお話しさせてもらう機会をいただいたのだが、この状況下で改めてインタビューをオファー。お弁当や食事の捉え方から、有事の際の子どもとの向き合い方まで、話題は多方面に広がった。
(※このインタビューは3月23日に行われたものです)

続きを読む

「性」はすべての人が当事者 ――勉強会「子どもたちの健やかな未来を守る包括的性教育」レポート

先日、米国在住の友人が、「アメリカでこのようなサービスが開始したよ!」と下記のリンクをシェアしてくれた。


オンラインでの医師の処方を介して、ひと月分のBirth control(避妊薬)から、Plan B(緊急避妊薬)などを届けてくれるサブスクリプション(月額定額制)サービスとのことで、病院での診療が要らない、月額3.99ドルから始められるなどの合理性の高さに「さすが」と唸ってしまった。

避妊に失敗した、望まない妊娠の可能性がある場合に、緊急時に一定期間内に服用することで、100%ではないものの高い確率で妊娠を防ぐことができる緊急避妊薬は、日本国内では現時点では医師の処方箋が必要であることと、高額(約6,000円~2万円)と、手に取りやすいとは言い難い。

-----

緊急避妊薬を必要とするすべての人に届けられるように、これまでもキャンペーンや政府への提言を行ってきたNPO法人ピルコンは、若い世代に正しい性の知識を届けるための課題に取り組んでいる。
去る11月12日に衆議院第一議員会館で開催された勉強会「子どもたちの健やかな未来を守る包括的性教育」では、内閣府の各省庁担当者や有識者たちからの情報共有が交わされた。

続きを読む

【書評】『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』――私たちが直面する「壁」にリンクするトピックが随所に綴られる

4月の小学校入学から半年が経った。

入学前からやんわり聞かされてはいたものの、配布されるプリントが多い、準備する持ち物が多い、PTAの活動や保護者会などで親の稼働が増える、夏休みなど長期休みは学童用のお弁当を毎朝用意しなければならない……など、小学校には数多の試練が待ち受けており、「小1の壁」というやつをことごとく体感した一学期。

一方、当事者である娘といえば、学校と学童という新しいコミュニティがふたつもでき、保育園時代のように昼寝もなくなり、体力的にはかなり消耗した様子ではあったものの、ものすごい順応性を発揮して、学校でも学童でもよろしくやっている。

ノートラブルとはいかないまでも、生活面でも成長面でも彼女にとってはよい変化が多く、子育てのステージが一段上がったかも!なんて感じていたこのタイミングで出会ったエッセイが、今の気持ちにとてもフィットする良著だったのでご紹介したい。

あまりの面白さに怒涛の勢いで読了し、購入してから現時点でもう3~4回通しで読んでしまった、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(ブレイディみかこ/著 新潮社)は、ジャンルとしては「子育てエッセイ」なのだけれど、今まで数々読んできた育児本とは一線を画す、異質とも言える存在だ。


続きを読む

「安心して笑っていられる場所があれば、子どもの肯定感は育つ。」 ――放課後NPOアフタースクール・代表理事 平岩国泰さんインタビュー

娘の小学校入学から2ヵ月あまりが経過し、大きな生活の変化や刺激を日々目の当たりにしている我が家。

保育園時代との違いに、親としても戸惑うことが多いが、学校や学童、習い事、その他たくさんの居場所ができればいいな、と考えながら読んだ一冊を、同じような境遇の親御さんたちにぜひご紹介したい。


タイトルの通り、子どもの「自己肯定感」がテーマだ。
著者は放課後の学校に地域の人々を“市民先生”として招き、さまざまな「放課後プログラム」を開催するNPO法人、放課後NPOアフタースクール・代表理事の平岩国泰(ひらいわ くにやす)さん。

子どもの「自己肯定感」はどうやって育まれていくのか、そのために親ができることは何なのか。「アフタースクール」を通じて15年間で累計5万人以上の子どもたちと関わってきた平岩氏にインタビューを行った。

続きを読む

「性教育を幼児期から、家庭で。」 ――ウェブメディア『命育』運営者インタビュー

東京都教育委員会が去る3月に、公立学校の教員向けの「性教育の手引」の改訂版を公表した。昨年、足立区の公立中学校の性教育の授業が、性交や避妊など、指導要領外の内容が含まれていたとして、都教委が区教委を指導して大きく議論を巻き起こしたことも記憶に新しい。

ここ数年、個人的にも強く関心を抱いている「性教育」というテーマ。
何か参考になる本やメディアはないかと思っていたところ、たまたまたどり着いたのが『命育(めいいく)』(https://meiiku.com/)というウェブメディアだ。


医師や助産師が監修協力に入る本格的な情報サイトだが、サイトのデザインやタッチは親しみやすく、柔らか。そして運営しているのはママクリエイターとのことで興味が沸き、プロジェクト代表の宮原由紀さんをはじめとする運営メンバーにお話を伺ってきた。


続きを読む

昭和から平成、平成から令和、世代を超えて改元に思う

4月1日の午前11時過ぎ、PCの前に向かいながらも、もうすぐかなと時計をチラチラ。
11時半ぴったりにテレビをつけて待つこと数分、内閣総理大臣記者会見で発表された新元号は「令和」だった。

えっ、カッコいいじゃん!!かなりイケてるんじゃない!?

何となく、「新しい元号、全然しっくりこない~」と言っている自分を想像していたから、「令和」の響き、意外性、と同時に耳になじむ感じに思わずサムズアップしそうになった。


3年前、天皇陛下が「生前退位」の意向を公表されてから、ことあるごとに「もうすぐ平成も終わるんだねえ」と言いまくってきた。
この1年くらいはそこに輪をかけたように「平成最後の〇〇」と叫ばれ、見飽きた、聞き飽きた部分もあるが、年が明けてからはいよいよというムードも高まり、「もうすぐ新元号発表だね」「あと1ヵ月で改元じゃん」と割とワクワクもしていた。

そもそも普段の生活は西暦を使うほうが圧倒的に多いし、世間のお祭りムードには賛否あるものの、そう滅多にないことだし、何より「令和」の響きが気に入ってしまったので、個人的にはかなり本件を好意的に捉えてきた。

続きを読む

人生の大部分はガチャ!? ――『まんが アフリカ少年が日本で育った結果』星野ルネさんインタビュー

娘の就学を来春に控え、何かにつけ周囲から「小学校に入ると色んな人がいるよ~」と言われるこの頃。
学校のお友だちや先生のみならず、学童や習い事でどんどん人との関わりが増えていくことを想像していると、頭に浮かぶのは、「多様性」という言葉。色んな経験をして、様々な価値観に触れて……みたいなぼんやりしたイメージを思い描いているが、親である私たちは娘に何を伝えていこうか。
そんなことを考えていた折、一冊の本に出会った。


『まんが アフリカ少年が日本で育った結果』は、カメルーンに生まれ、母親の結婚を機に4歳で日本にやってきた星野ルネさんが、言語や文化のギャップに直面しながら、鋭くかつユニークな視点で見つめた、自身の日常や成長が綴られたコミックだ。

SNSで公開した漫画が大きく話題を呼び、大きく描きおろしを加えて書籍化された本作には、笑えて、かつ新鮮に感じられるエピソードが満載。ヒットを受けて第2弾の出版も決定し、現在各所で引っ張りだこの星野ルネさんにインタビューを敢行した。

続きを読む

追悼・さくらももこさん ――親になって噛みしめる『ちびまる子ちゃん』の面白さ

まもなく8月も終わりで、まだまだ暑い日が続いているがピークは越した感がある。
涼しくなるのは嬉しいけれど、まだ夏が終わってほしくないな、名残惜しいなとじたばたしていた日のこと、スマホを開くと漫画家のさくらももこさんの訃報のニュースが飛び込んできた。

言わずと知れた国民的人気コミック『ちびまる子ちゃん』に、ベストセラーとなったエッセイ『もものかんづめ』に代表される執筆活動のほか、ラジオのパーソナリティや作詞などマルチに活躍したさくらさんに、一般人から著名人まで、国内外問わず多くのお悔やみが寄せられた。

現在もテレビアニメ放送が続いていることから、幅広い年代の読者、視聴者に愛されている『ちびまる子ちゃん』だが、「りぼん」での連載開始は1986年ということで、我々子育て世代はかなりドンピシャ、リアルタイムで読んでいた人も多いのではないだろうか。

筆者も漏れなくそのうちの一人で、初めて『ちびまる子ちゃん』を「りぼん」の誌面で読んだのはちょうどまるちゃんと同い年の小学校3年生、1988年の夏だったが、こんな漫画が少女漫画の雑誌に載っているんだ、と思ったのが第一印象だった。


続きを読む
フリーワード検索


MAMApicksソーシャルアカウント

最新記事
月別バックナンバー
執筆者一覧

MAMApicksって何?

編集長:深田洋介

学研の編集者を経てネット業界に。育児、教育分野を中心にネットメディアで10数年にわたり活動中。思春期の娘の父。

藤原千秋

おもに住宅、家事まわりを専門とするライター・アドバイザー。2001年よりAllAboutガイド。三女の母。

河崎環

教育・家族問題、世界の子育て文化、書籍評論等、多彩な執筆を続ける。家族とともに欧州2ヵ国の駐在経験。

江頭紀子

経営、人材、ISOなど産業界のトピックを中心に、子育て、食生活、町歩きなど のテーマで執筆。二女の母。

狩野さやか

ウェブデザイナー・ライター。技術書籍やICT教育関連の記事を中心に執筆。著著に『ふたりは同時に親になる 産後の「ずれ」の処方箋』。

恩田和

新聞記者、アメリカ留学を経て、2010年第一子出産。育児、教育分野の取材を続ける。南アフリカで4年間の駐在を経て現在米国在住。

西澤千央

フリーライター。二児(男児)の母だが、実家が近いのをいいことに母親仕事は手抜き気味。「サイゾーウーマン」等でも執筆。

川口由美子

管理栄養士としてメーカー勤務の後、独立。現在は雑誌やWEBで活動。夫の転勤に伴い2004年よりアジアを転々と。二児の母。

ワシノミカ

フリーデザイナーとして活動後、TV各局のWEBセクションを転々とし、現在はWEBディレクターとして活動中。二児の母。

真貝友香

ソフトウェア開発、携帯向け音楽配信事業でのSE業務を経て、マーケティング業務に従事。現在は夫・2012年生まれの娘と都内在住。

大野拓未

米・シアトル在住。現地日本語情報サイトを運営し、取材コーディネート、リサーチなどを行う。家族は夫と2010年生まれの息子。

福井万里

大手SIerのSEから、東日本大震災を機に退職し、ライター活動を開始。2012年に結婚&長男を出産、その後シングルマザーに。

大塚玲子

編集者&ライター。編プロや出版社勤務経験後フリーに。結婚、離婚や子ども、家族をテーマにした仕事を数多く手がける。

加治佐志津

絵本と子育てをテーマに執筆。これまでに取材した絵本作家は100人超。家族は漫画家の夫と2013年生まれの息子。

西方夏子

フィンテック系企業に所属。ワーキングマザーとしてフリーランスと会社員の両方を経験。夫の海外赴任に帯同中、2012年ドイツで長女を出産。

森田亜矢子

コンサルティング会社、リクルートを経て、第一子出産を機に退職。現在は食育・マザーズコーチング講師、ライターとして活動。

望月町子

子どもが1歳半になったころから“子連れ出勤”を開始、日々をブログ「1歳からの子連れ出勤」に綴る。夫と娘の3人暮らし。

斎藤貴美子

コピーライター。得意分野は美容。最近日本酒にハマり、主に飲んで勉強中。これからの家族旅行は酒蔵見学。二児の母。

今井明子

編集者&ライター、気象予報士。母親向けお天気教室の講師や地域向け防災講師も務める。家族は夫と2014年生まれの長女、2018年生まれの長男。
ニュース配信中
livedoor
ameba
mixi