MAMApicks -子育て・育児・教育ニュース&コラムサイト-

親になったから、見えるものがある。

ガラスの天井

育休中は、パパもワンオペが普通!? スウェーデン男性の育児力はいかに育まれたのか。

男性が育休を取得しても内実は、家事・育児をせず遊んでいるかのよう……という「取るだけ育休」(※1) なるものを知ってショックだった私は、有意義な育休生活を送った方を取材させてもらった。

取材を通じて得たことは、所属している企業がいくら推奨しようとも、働く男性は日々の業務から離れることに罪悪感を覚えること、育休中の過ごし方を会社へ報告する義務がなければ、「取るだけ育休」さもありなん、ということだった。

そんな日本とは対照的に、育児界において何かとお手本にされる国がある。スウェーデンだ。
そこはノーベル賞とIKEAとH&Mの生まれた地であり、日本より一人当たりのGDPが高く、育児しやすく、福祉が充実し、教育の機会にも恵まれているという国である。

知人のスウェーデン出身のママは、「医者になるため、大学に行きなおす」と日本人パパと二人の娘を連れて、地元に帰っていった。子を生んでからもキャリアを作れる国なのか……しかも学費が無料!? と、日本人のママ友と愕然(白目)とし、わが身と比べても悲しくなるだけと見ないようにしてきたのだった。

だが今年1月、スウェーデン大使館にて男性育休を推進するためのイベントや新年会が開かれ、その私の方針はガラッと変わった。スウェーデン大使館の一等書記官であるヨハネス・アンドレアソン氏とお話する機会があり、きちんとスウェーデンの事情を理解せねばと思ったのだ。


日本各地で開催された巡回写真展『スウェーデンのパパたち』の一枚(スウェーデン大使館で撮影)。子どもの世話に奮闘するリアルなパパたちの姿が展示された。
続きを読む

女だから/男だからの役割意識を越えるのではなく、壊せたら

このところの旅行の記憶といえば、もう100%子どもの行きたいところばかりが続いている。今年も行った先のメインは鉄道系の博物館。幸運にも本物の運転士さんがシミュレーターのエリアに来てくれる日だったらしく、息子が運転体験をしている様子を見守りながら、私は運転士の仕事や訓練などについていろいろと話を聞かせてもらえてしまった。

■自分でも意外だった根強い性別フィルター


体験時間が終わって「本物の運転士さんだって!すごいね~」と息子に言ったら、その運転士さんが、「あ、こちらも運転士です」と、息子の横で操作方法を指導してくれていた方を紹介する。おぉそうだったのか!となんだかバツが悪い。

ふたりとも運転士だなんて思わなかったとか、制服が同種に見えなかったいうのもあるけれど、もっと理由があった。その方は女性だったのだ。

今私が話している人は運転士、ということは、息子についてくれている「女性」は、教えてくれるスタッフ系の人なのか車掌さんとかなのかな……。そういう判断をなんとなくしていた。あぁ、私は確実にこの人を「女性」というフィルターで見ていたんだ。その自分の先入観にガツンと気づかされて、ちょっとショックだった。

そしてやたら「女性の運転士!かっこいい」的な反応をする自分がまたなんだか嫌になってしまう。

男とか女とか、生物として違うとはいえ、社会的な役割に関しては極力フラットでいたい、と常々思っているのだけれど、自分の根っこにはりついている、「女だから……ではない」とか「女なのに……ですごい」という感覚に、いまだにびっくりするほど左右されていることに改めて気づかされてしまった。


続きを読む

成人してから20年の働く女が「凄母」をトレースしてみた結果

働いている母親(ワーキングマザー)のことを略して「ワーママ」と呼ぶのがいつの間にか定着したようである。その中でもバリバリに仕事をこなす人のことは「凄母(すごはは)」と呼ばれたりする。

雑誌やネット記事でしばしばお見かけする「凄母」。

「凄母ばっかり取り上げられても参考にならない」
「普通のWMで成功している事例が見たい」

スーパー・ワーキングマザーが誌面に登場するたびにネットはやや荒れる。

それは、自分と比べるからだろうか?
手を伸ばしても背伸びしても手が届かないキラキラばっかり見せられて、自分がひどくみじめな気分になるからだろうか。


続きを読む

「女性活躍」の今、「働くお母さん」について考えた

日ごろ、仕事で企業の人事や経営者を取材することが多い。テーマはダイバーシティ、女性管理職、女性活躍のための男性管理職への教育など。「働く母」や人事部のエライ人の話を聞いていると、さまざまな思いが浮かんでくる。こぼれた思いをつづってみたい。

■働かざる者食うべからず?


そもそも「働く」ことに関して個人的な思いを言うと、

「働かざるもの食うべからず」

自分の食いぶちは自分で稼げ、と言い聞かせてここまできた。

そう思う背景には生い立ちが影響している、と思っている。
父は教員、母は専業主婦……だったはずだが、私が小6くらいのころから母がパートを始めた。郊外に大きな家を購入した時期と重なる。きょうだいは4人。すぐ下の弟は野球少年で、野球の強い私立中学への進学を希望していた。

母は自分のキャリアのためでも、社会との接点を求めるためでもなく、経済的な理由から働き始めたのだった。ファミレスのパートから、やがて保険の外交員となり、やりだしたら性にあったらしく、楽しげにのめりこんでいった……と、娘としては思いたいが、口癖は「あなたはお金持ちと結婚しなさい」「女性もずっと働けるから公務員になりなさい」。
お金には相当苦労していたようである。

食卓のカレンダーには、父と母の間での「お金の貸し借り」が記載されていた。
ほとんどは「母が父に借りたお金の金額」であった。母が不憫に思えた。自分で稼ぎ、自分で経済設計したい。オトコの稼ぎに左右されたくない。いつからか、そう思うようになった。

続きを読む

女のハンデを納得するためにこそ「産みたい」気持ち

わたしが「子どもを産みたい」と思った理由のひとつは、「身体に出産機能がついているから、試してみたい」というものでした。以前もちょっと書きましたが、最新機能搭載の電化製品を買ったら、その機能を一度は使ってみたくなりますよね? それと同じような気持ちです。
【関連アーカイブ】「親のエゴ」でなく生まれる子はいない?
http://mamapicks.jp/archives/52172816.html


これにちょっと補足したいのですが、ただ「機能があるから使いたい」のでなく、そう思わざるを得ない、ちょっとせつない理由もあると思うのです。

というのは、この機能がついているために、女性はこれだけ社会でハンデをつけられてきたわけです。「女は子どもを産んだら、どうせ会社を辞めるから」という理由で、昇進に差を付けられ、職種に差をつけられ、採用に差をつけられてきました。


続きを読む

“女性の活躍”について「女性活躍推進法」への期待は2割未満、男性の意識改革や偏見の解消を求める声が7割以上

2016年4月から、いわゆる「女性活躍推進法」が施行されるが、ソニー生命では今年で3回目となる「女性の活躍に関する調査」を全国の20~69歳の女性に対して実施、有効サンプル1,000名の回答が得られ、その結果を発表した。


調査では最初に、日本では女性がどの程度“イキイキ”と活躍していると思うか、家庭や職場などの場面ごとにきいたところ、「非常に」と「やや」を合わせて「そう思う」と回答した“同意率”は、「家庭」42.6%、「職場」37.2%、「地域社会」33.4%、「ネットコミュニティ」35.2%という結果で、いずれも過半数を下回った。

ちなみに2013年に実施された第一回調査での同質問では、「家庭」47.5%、「職場」40.8%、「地域社会」40.0%、「ネットコミュニティ」37.7%であったため、いずれの場面でも2から5ポイント程度、数値が下がっていることがわかった。

続きを読む

朝ドラ『まれ』に見えた「女の障害物」に柔軟な女性像

NHKの朝ドラをよく見る。もう、面白いとか面白くないとかに関係なく、ほぼ習慣、いやなかば義務感のようなものである。現在放映中なのは「まれ」。パティシエになる「夢」を軸に主人公・希(まれ)の人生が描かれている。

このドラマ、ケーキまっしぐらの前向き元気話で進むのかと思ったら、希が結婚したあたりから、女性が結婚、妊娠、出産でぶつかりがちな壁が、どんどん出現し始めた。決してセンセーショナルでも深刻すぎでもなく、どこかショーケースに並ぶケーキのように、丁寧に、きちんと、陳列されている印象だ。

とくに先週は、希の妊娠~出産、仕事の再開までが一気に描かれ、この時期の「よくある問題」の教科書のようだった。そこで希の幼なじみ、友人の一子(いちこ)が、「女の人生って障害物競走みたい」と言うシーンがある。

そう、希は、かなりケーキ一直線だったのに、結婚後、その「夢」への道をかなり軌道修正してきたのだ。


続きを読む

【米国発】求められているのは「仕事も子育ても“今”同時進行したい人」を全面的にサポートするシステム


先日、《日本のPR会社が女性社員の将来の妊娠に備えて卵子凍結保存の費用を補助する》というニュースが流れた。この事例は日本国内の民間企業ではおそらく初めてとのこと。

【参照記事】
卵子凍結保存を希望の女性社員に費用補助へ|産経ニュース
http://www.sankei.com/life/news/150707/lif1507070006-n1.html

昨年は米国のアップル社やフェイスブック社が、女性社員の卵子凍結保存費用を最大2万ドル負担する、という制度の導入を発表し、米国内の主要メディアでは賛否両論になったことから、「卵子凍結保存」が、私の日常でもにわかにホットな話題になった。

続きを読む

家庭の女性は“都市鉱山”。どうすれば女性は輝けるのか?


―― 都市鉱山とは、資源(レアメタル等)を含んだ廃家電などを、鉱山に例えて表現した言葉。うまく活用すれば、廃棄物は宝の山に変わる。
この都市鉱山という考え方は、日本の家庭の女性にも当てはまるのではないだろうか。

■トリリンガルの女性より、英検4級の男性


テレビ番組で取り上げられていた、ある女性の事例を紹介したい。
彼女はフランスの大学を卒業して現地で就職した後、帰国して結婚・出産。その後は子どもの預け先が確保できず、10年近く専業主婦だったそうだ。しかし最近、日本語のメニューをフランス語と英語に翻訳する内職を始め、「毎日が楽しくなった」と顔をほころばせていた。

その姿を見て、ため息が出た。

続きを読む

働く上で女性であることは「不利」54%―― 制度の整備だけではなく個々の意識変革も必要

人材総合サービスのエン・ジャパンが運営する女性向け求人情報サイト『エン ウィメンズワーク』では、サイト利用者の女性544名を対象に、「働きやすい職場」をテーマにアンケートを実施、その結果を発表した。

まず、「働く上で、女性であることを不利に感じたことが『ある』」という回答は過半数を超える54%であった。とくに20代では48%、30代で56%、40代で58%と、年代を重ねるごとにポイントは上昇していた。


続きを読む
フリーワード検索


MAMApicksソーシャルアカウント

最新記事
月別バックナンバー
執筆者一覧

MAMApicksって何?

編集長:深田洋介

学研の編集者を経てネット業界に。育児、教育分野を中心にネットメディアで10数年にわたり活動中。思春期の娘の父。

藤原千秋

おもに住宅、家事まわりを専門とするライター・アドバイザー。2001年よりAllAboutガイド。三女の母。

河崎環

教育・家族問題、世界の子育て文化、書籍評論等、多彩な執筆を続ける。家族とともに欧州2ヵ国の駐在経験。

江頭紀子

経営、人材、ISOなど産業界のトピックを中心に、子育て、食生活、町歩きなど のテーマで執筆。二女の母。

狩野さやか

ウェブデザイナー・ライター。技術書籍やICT教育関連の記事を中心に執筆。著著に『ふたりは同時に親になる 産後の「ずれ」の処方箋』。

恩田和

新聞記者、アメリカ留学を経て、2010年第一子出産。育児、教育分野の取材を続ける。南アフリカで4年間の駐在を経て現在米国在住。

西澤千央

フリーライター。二児(男児)の母だが、実家が近いのをいいことに母親仕事は手抜き気味。「サイゾーウーマン」等でも執筆。

川口由美子

管理栄養士としてメーカー勤務の後、独立。現在は雑誌やWEBで活動。夫の転勤に伴い2004年よりアジアを転々と。二児の母。

ワシノミカ

フリーデザイナーとして活動後、TV各局のWEBセクションを転々とし、現在はWEBディレクターとして活動中。二児の母。

真貝友香

ソフトウェア開発、携帯向け音楽配信事業でのSE業務を経て、マーケティング業務に従事。現在は夫・2012年生まれの娘と都内在住。

大野拓未

米・シアトル在住。現地日本語情報サイトを運営し、取材コーディネート、リサーチなどを行う。家族は夫と2010年生まれの息子。

福井万里

大手SIerのSEから、東日本大震災を機に退職し、ライター活動を開始。2012年に結婚&長男を出産、その後シングルマザーに。

大塚玲子

編集者&ライター。編プロや出版社勤務経験後フリーに。結婚、離婚や子ども、家族をテーマにした仕事を数多く手がける。

加治佐志津

絵本と子育てをテーマに執筆。これまでに取材した絵本作家は100人超。家族は漫画家の夫と2013年生まれの息子。

西方夏子

フィンテック系企業に所属。ワーキングマザーとしてフリーランスと会社員の両方を経験。夫の海外赴任に帯同中、2012年ドイツで長女を出産。

森田亜矢子

コンサルティング会社、リクルートを経て、第一子出産を機に退職。現在は食育・マザーズコーチング講師、ライターとして活動。

望月町子

子どもが1歳半になったころから“子連れ出勤”を開始、日々をブログ「1歳からの子連れ出勤」に綴る。夫と娘の3人暮らし。

斎藤貴美子

コピーライター。得意分野は美容。最近日本酒にハマり、主に飲んで勉強中。これからの家族旅行は酒蔵見学。二児の母。

今井明子

編集者&ライター、気象予報士。母親向けお天気教室の講師や地域向け防災講師も務める。家族は夫と2014年生まれの長女、2018年生まれの長男。
ニュース配信中
livedoor
ameba
mixi