英国全土の私立小中高校と東南アジアのインターナショナルスクールを約50校も傘下に収め経営する、コグニータというユニークな投資会社がある。家族経営などの弱小な経営基盤で苦しくなった私立校を買収し、人気校へと刷新して生徒を集め、利益を出すというビジネスモデルだ。

投資先を選択し、保護者や生徒や地域環境に合わせて正しく刷新するためには、「ひと」が財産である。コグニータは単なる投資会社ではなく、現在3,500名にものぼる教育のプロを積極的に採用し、内部でも育成し、経営と教育の両面で「エクセレンス(洗練)」を身につけた人材を、校長・教師又はスタッフとして買収した学校へと送り込む。


傘下の学校は、コグニータから資本、人材、授業カリキュラムなど多面的な改革を受け、規律や校風、学業面で大きな前進を見せ、名門校の仲間入りや返り咲きを果たした学校も数多い。

英国の教育界で広く認知されるコグニータ社、その代表であり、同社設立以前は英国政府の教育監査委員長、Her Majesty's Chief Inspector of Educationとして、英国の教育に40年以上に渡り関わってきたサー・クリス・ウッドヘッド氏に、英国の私立・公立教育について話をうかがった。
(取材:河崎 環)
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