最初の子どもを持った頃に掲げた理想(妄想)の多くは、日々の暮らしの中で破れ去っていった。その中のひとつが「ノーテレビライフ」だ。

いっときシュタイナー教育に傾倒した筆者は、「知的な親はテレビを見せない」などと息巻き張り切ったものだが、ものすごくあっさり挫折した。最初の子ども(現在9歳)は2歳時にはHDDレコーダーのリモコン操作に熟達している有様で、録画した“こどものてれび”(NHK教育の平日16時から19時までのプログラムや金曜ロードショーのジブリ映画)を自在に視聴できたし、居間のPCでマウスをスクロールしクリックし、目当ての“やふーどうが”を視聴することができてしまっていた。いずれも完全に門前の小僧で教えもしないうちに習得しており、「21世紀生まれは違うなあ~、オイ」などと親は暢気に感心していたのである。

suiteprecure
続きを読む