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親になったから、見えるものがある。

ワーキングマザー

「子連れ出勤」後押しの発想に「対赤ちゃん時間」の見積もりの甘さ ――育児現場は非常事態!

「子連れ出勤」の話題がまだ記憶に新しい方は多いだろう。1月半ばに少子化対策担当大臣が子連れ出勤の様子を視察し、政府として後押しする方針を出したことに対し、多くの子育て世代が違和感を示した。当初SNSがざわつき、それらの反応を新聞等が次々に報じた。

■それは果たして「昭和の頭の硬いオヤジ的発想」なのか?


「子連れ出勤」というスタイルが、選択肢のひとつとして排除されることなく認められること自体は柔軟性という意味でおおいに歓迎したい。でも、それが可能かどうかは別の話だ。「子連れ出勤」が多くの親たちを救う解決策か、と聞かれたら、それは明らかにNOだ。

子どもがそばにいる状態で仕事をするには、子どもの性格、健康状態、発達段階、親の仕事の環境、仕事内容のすべてがラッキーな側に傾いている必要がある。すべて、努力して手に入れられるものではなく、「たまたま」どうか、という種の要素ばかり。該当する人や時期は極めて限られているだろう。


ところが、育児をディープに経験していない多くの人は「赤ちゃんのめんどうをみながらでも仕事はできる」って思ってしまいがちだ。これは「昭和の頭の硬いオヤジ的発想」と思われがちだけれどもそんなことはない。子どもが乳児期の男性でも日中会社にいて主に妻が育児をしていたらたぶんそう思う。女性だって、育児に直面していない人は、たぶんそう思う。

実のところ、私自身も子どもを生んで育児がリアルに始まるまで、なんとなく「どうにかなるかな」と思っていた。

実際は、ほんとうに、無理だった。

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「いい母」の呪いをかけるのは誰か

子どもに何か問題があると、母親はすぐに「愛情不足では?」と言われがちである。
そして、母親が
「物心つかない子どもを預けて働きに出る」
「子どもを預けて大人だけで遊びに行く」
「子どもにテレビやスマホを見せっぱなしにして積極的に関わらない」
「親が子どもの前でスマホをいじっている」
「料理を手抜きする」
などの行動をしていると、「子育てを放棄するダメ母」のレッテルを貼られてしまう。

"実にナンセンスだ。こんな規範は日本だけだ。"
"海外の母親は、そんなことてらいもなくやっている。"
"日本の女性よ、もっと自由になって!"

そういうトーンの、ネット上の書き込みや記事は巷にあふれている。
だから、私は「そもそもそういうことを気にしないぞ!」と思いながら子どもを産んだ。

しかし、実際に子育てしてみると、よっぽど心を強く持たないとなかなかそのポリシーは貫けない。
なぜ罪悪感を覚えてしまうのか。それは「世間」からの強いプレッシャーを受けるからなのだ。


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「名もなき家事」も換算できる家事年収シミュレーターを公開

共働き世帯のための戸建住宅「家事シェアハウス」を展開する大和ハウス工業では、いわゆる「名もなき家事」を含めた「家事年収シミュレーター」を同社サイトで公開した。

「名もなき家事」とは、脱ぎっぱなしの服をクローゼットにかけたり、不要なチラシを捨てたりといった、一般的に家事として認識されにくい行為について総称した造語であるが、今回のシミュレーターでは、こうした「名もなき家事」に要する労力も年収に換算できる。


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両立不安白書から読み解く次世代のワーママ像

仕事と子育ての両立に対するモヤモヤの要因を紐解いた『両立不安白書』が話題になっている。

同白書は、「子育てしながらキャリアアップできる人材・組織の育成」を目指し、仕事と子育て両立体験型人材育成プログラム「ワーク&ライフ・インターン」などの事業を展開しているスリール株式会社がこの夏にリリースしたもの。


スリールはこれまでにも、学生向けの「ワーク&ライフ・インターン」の他、企業向けの、子どもがいない管理職に、部下の子どもの保育園のお迎えから、夜ご飯、お風呂、寝かしつけまでの“子育てゴールデンタイム”を体験してもらい、子どもがいる社員への理解を深めてもらう「育ボスブートキャンプ」などのユニークな企業研修を提供している。育児と仕事の両立にまつわるテーマで、たびたびメディアに取り上げられている会社である。


さて、同白書によると、出産経験のない20~30代の働く女性の実に92.7%が、子育てと仕事の両立に不安を感じているという。将来に対して、何らかの不安を抱えることは特別なことではないが、92.7%という数字だけを見ると、ちょっと普通の数字ではないなと感じる人も多いだろう。しかし、この数字は紛れもなく現代の女性の心のうちの実態なのである。私自身、モヤモヤした経験があるし、もし、私の周りのママ友10人にきいたら、きっと10人とも「わかるー!!」と共感するに違いない。

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ハイヒールは、仕事のための戦闘服?

以前、妊娠してからめっきり縁遠くなり、その後返ってきたアイテムについて書いた。

おかえり、コンディショナー ――妊娠・出産を機会に削ぎ落としたもの
http://mamapicks.jp/archives/52216788.html


そして今に至り、依然縁遠かったり、もう一生関わらないんじゃないかと思われるものがある。代表的なところで、ハイヒール、ワイヤー入りブラジャー、タイトスカートあたりだ。どれも女性っぽさを強調し、象徴するアイテムだ。

しかし、それらにもう一度目を向けてみようかなと思ったきっかけが、数ヵ月前の某意識高い系ママ雑誌の、とあるページである。

キャリアを積むママが、会社で着る服のポイントを説明しているもので、
「仕事着で、最も大切なのはママに見えないこと」
「ハイヒール靴は、会社に3足常備しています」
とある。

■女性性の象徴アイテムは、まだ必要なのか


大企業でバリバリ働くお母さんたちは、お母さんに見えてはならず、キャリアウーマン然とした格好、つまりコスプレをしないといけないのか!? ……と三度見して愕然としたものだが、彼女たちの気持ちも分からないではない。


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夏休みがつらい ――小1親、キッズウィークについて考える

これを書いている時点で、夏休み開始から数日であるが、もうすでにつらい。早く新学期がはじまらないかなあと思っている。

なにがつらいかといえば、弁当である。
幼稚園を経由して入学されたご家庭ならば、どうってことない日々のルーティンなのだろう。しかし食事面では至れり尽くせりだった保育園から小学校に上がり、はじめての長期休暇を迎えた今、力尽きそうなほどのつらさである。


普段であれば家を7時45分に出るところ、学童は8時15分開門なので(※学童の場所は小学校の中なので、通う場所は同じ)15分ほどの猶予があるのに甘えて、ついつい弁当作成に時間がかかってしまう。

「遠足じゃないから、いいよね?」と了解を取り、冷凍の“おにぎり丸”を突っ込んだら大きくなってしまったおにぎり、スーパーで売っている“切れてる卵焼き”を2切れとチーズはんぺんをおもむろに詰め込み、別のタッパーにミニトマトを入れる。凍らしていた飲むゼリーを保冷剤代わりに入れて完成……。

「大丈夫だよ、野菜もたんぱく質も炭水化物もある!上等!」と自分に言い聞かせる。

長男は気をつかって「べつに、かったおべんとうでも、いいんだよ?」と言ってくれるが、普段まったく料理をしない筆者の、せめてもの母としての役割を、“手作り弁当”でチャラにしようと思っているのかもしれない。

よく考えりゃ、子どもを産んだ時点で、ワタシ“お母さん”なのにな。

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『ママの名は。』 ――「私、入れ替わってく!?」

先日、映画『千と千尋の神隠し』が地上波で放送されていた。
筆者は公開当時に映画館で見たのだが、そのときには気にもしなかった“名前を奪う”という行為が妙に引っかかった。

≪……ああ、結婚して子どもを持った今、名前については敏感かもしれないなあ。≫

しばらく経ってからそのことに気づく。

筆者は働きながら子どもを育てている、いわゆるワーキングマザーであるが、旧姓のまま勤務を続けている。今は独身時代に勤めていた会社には所属しておらず、職場も違うのだが、狭い業界を転々としているという事情もあり、長年使ってきたビジネスネームを残している。

名字が珍しいので覚えられやすく、まず他人とかぶらないので、職場でのメールアカウント作成時にもなかなか便利だ。

ところが、最近になってそれが揺らぐ事態がおきた。
名前の似た方が職場におり、メールアカウントも1文字違い、頻繁に“誤爆メール”が届くようになった。

……きっとポピュラーな名字の方はこういう思いを日ごろされていたのだなあ、と思い、“自分の名前”というものについて少し考えるきっかけにもなったのだ。


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“フルタイムマザー”の働きどき

ワーキングマザー(=ワーママ)が感じる子育てと仕事の両立の大変さは、その障壁ごとに“◯◯の壁”とネーミングされることが多いが、専業主婦の子育てにおいてはどうだろうか?

以前より興味があったテーマであるが、ちょうど先日、小学生ママの就業意識について、とても興味深いお話を聞く機会があった。皆さん、もともとはフルタイムで働いていたが、妊娠・出産を機に仕事を辞めて家庭に入り、子育てに専念してきた方々。言わば“フルタイムマザー”である。

■“フルタイムマザー”が感じる『自己有用感』のモヤモヤ


一昔前なら、「高校や大学卒業後、就職せずに結婚して専業主婦に……」という人も少なからずいただろうが、現在はそのようなケースは非常にまれで、ほとんどのフルタイムマザーは就業経験がある。仕事のやりがいやその大変さも知っているが、家庭を優先してキャリアを断念している人が多いようだ。

一度仕事を辞めてしまうと、“保育園への扉”は閉ざされてしまうため、小学校入学までは基本的に子どもの生活には“ママの手”が必要不可欠となる。延長のない幼稚園であれば14時にはお迎えに行かなければならず、アフター幼稚園の習い事やお友だちと公園で遊ぶのも、すべてママが同伴となるため、フルタイムマザーは終わりのない家事と子育てで自分の時間を使い果たす生活が続く。

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働くママの「幼稚園」という選択

今年で3歳になった上の娘は、この4月から近所の認証保育園に通っている。
切迫流産の入院、出産予定日直前のインフルエンザ羅患など、ハプニングの多かった第二子出産までの道のりで、一番印象に残っているのは、予定帝王切開の前日に受けた「保育園内定」の電話だった。

それは、「天からの光を感じた!」と言っても過言ではない出来事だった。認証保育園の合否は、2月中旬の認可保育園の内定通知の後、認証への申し込みをキャンセルする人たちからの連絡を待って決まるため、「2月末から3月頭くらいに電話します」というアバウトなことになる。

しかも、その「内定」の電話をたまたま受け取れなかった場合、残念ながら次の順位の人に回ってしまうというのが基本ルール。「不承諾(落ちた)」の場合は連絡なし、ということになるので、ドキドキしながら、かかるのかかからないのか分からない電話を、3月まで待ち続けるしかないのだ。


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ワーママのキャリア・シフトチェンジ考 ――ワーママ向け人材紹介サービスも登場

ある調査によるとワーママの多くが「しんどい」と感じながら仕事をしているそうだ。
私自身、子どもを授かるまでの前職ではハードに働いていたが、やりがいがあるからこそ働き過ぎてしまう自分をうまくコントロールできず、第一子の妊娠を機に会社を退職した。私が関わっていた職種の場合、時短勤務を選択したとしても、とてもワーク・ライフ・バランスを取りながら働けると思えない、とキャリアの継続を諦めたのだ。

世の中“時短”というと、週5×一日6時間(10~16時)という勤務体系が定番とされていて、フルタイム定時帰りとの差はわずかに2時間。実際には、自宅に仕事を持ち帰ったり、勤務時間外にも仕事のことが頭から離れないという状況もあるなか、たった2時間の時短の代償として減額される給料の影響は、「割に合わない」と感じるワーママの友人も少なくない。


一方で、私の元同僚のワーママの中には、「定時帰りを前提としたワークコントロールを自分自身で実現しながらフルタイム復帰」を果たす人も多い。しかし、やはり残業ゼロというわけにはいかず、保育時間の延長をして子どもは夕食まで保育園で食べさせてもらったり、退社後に保育園までタクシーを飛ばすこともしばしば。仕事でやりがいを感じることができても、子どもと過ごす時間の少なさに葛藤を覚えることも多いと聞く。

さらに、「二人目が生まれてより一層しんどくなった」というワーママもとても多い。とくに子どもが小さいうちは、「1+1=2」という方程式は成り立たず、「1+1=∞」の負荷がかかる時期もある。一人目のときはなんとか回せていても、二人目の復職後に火を噴いてしまうという話をよく聞く理由はそこにあるようだ。

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