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親になったから、見えるものがある。

妊娠

なぜ、母親たちはニセ科学にハマるのか ――「母親たちの宗教戦争」に思うこと

世の中には怪しい情報が蔓延している。
特に美容や健康に関するものは顕著だ。いわゆる「ニセ科学」とか「トンデモ健康法」というやつである。


トンデモ健康法は、自分を実験台にするのだと割り切って、リスクを承知の上で、手のかかる子どものいないライフステージのときに、自分自身で試してみるだけならまだいい。

しかし、そうではないのなら話は別だ。親自身が万一健康を害すれば子どもの世話がおろそかになるし、拒否できない子どもに試せば、子どもにも健康被害が及ぶ可能性がある。

また、ニセ科学はマルチ商法とからんでいることもよくある。私のもとにも勧誘が来たことがあったが、そのたびに「マルチって友だちなくすよね……」とさみしい気持ちになる。マルチ商法にハマった親の子どもだって、友だちづきあいに支障をきたすことだろう。

しかし、たとえ明らかな健康被害を被っていても、友だちをなくして孤立しても、ニセ科学を信じている人に「それは怪しいよ」という忠告をするのは無駄というものだ。こういう人はたとえ医師などの専門家が忠告してもまったく耳を貸さない。

何せ、本人たちは「私は子どものために勉強を欠かさず、子どもにとって最もよい情報をつねに追い求め、それを実践しているよい母親だ」と思い込んでいる。だから、忠告したほうが悪の枢軸側の人間にされてしまう。

それを見るにつけ、この永遠に分かり合えない感じって、なんだか宗教戦争みたいだよなあ……と思うのだ。

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日本の妊娠出産界隈のダサピンク現象に思うこと

母親のイメージってどんなものだろう?
ピンクのもやがかかったような空間で、やさしげな微笑みを浮かべて赤ちゃんを抱っこしたり、大きなおなかをさすったり……。

もっぱら思い浮かぶのは、そんなシーンだ。そう、まさにマタニティマークに描かれた世界観。キーワードは、「幸せ」「癒し」「ほっこり」「ぬくもり」「甘い蜜月」……である。


一方で、私はこのようなほんわかした、とことん無毒化された世界観はどうもむず痒くて居心地が悪い。母親になったらガラッとスイッチが代わって、ピンクのもやの中に抵抗なく身を置けるようになるものなのだろうか。ああいったほっこりしたテイストのものが好きになるのだろうか。妊娠前からずっと疑問だったが、実際に妊娠してみてつくづく思った。

やっぱり「ほっこり」はムリ!

長年にわたって確立した自我や好みは実に堅牢なのである。

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キャッチコピー35本で訴求したい、重めのツワリ

天は人の上に人をつくらなかったらしいが、ツワリの上には、ひどいツワリをつくったらしい。

私は過去2回の妊婦時代において、一般的に言われているツワリとはひと味違ったツワリを体験した。第一子のときは、妊娠5週から吐き始めて、出産するその日まで。第二子のときは、妊娠4週から吐き始め、出産するその日まで。とにかく、ながーく、気持ち悪かった。

ツワっていた期間は、私の人生において合計約66週間。日数表記で460日ほど。減った体重は、合計約8kg(現在3kgしか戻らず、そこはウハウハ)。

なぜ、こんなに苦しまねばならないのか(吐)?という怨念は、出産後1年半を経て笑い話に昇華したけれど、ツワリ最中に体験した苦い思い出は脳みそに焼き付いている。


いま、まさにツワリの最中にいる読者諸姉はいるだろうか。つらいですよね、つらいですよね(文章なんて読めない状態かもしれないけど)。そのときに胸にたまったオリのような気持ちを言語化して、ツワリ妊婦ちゃんの気持ちに少しでも寄り添えたら光栄である。

私はコピーライターの肩書で仕事をしてきたので、産後にひっかけて35本のコピーで表現してみる。さて、重めのツワリの世界へいってみよう♪

※コピー:キャッチコピー、ボディコピー、タグラインなど広告に使われる文言の総称。今回ツワリは広告主にはならないので、社会に対してツワリとはこんなものですよ、と広告(報告)するという体裁をとらせていただく。コピーの下のカッコ内は、企画意図。


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女のハンデを納得するためにこそ「産みたい」気持ち

わたしが「子どもを産みたい」と思った理由のひとつは、「身体に出産機能がついているから、試してみたい」というものでした。以前もちょっと書きましたが、最新機能搭載の電化製品を買ったら、その機能を一度は使ってみたくなりますよね? それと同じような気持ちです。
【関連アーカイブ】「親のエゴ」でなく生まれる子はいない?
http://mamapicks.jp/archives/52172816.html


これにちょっと補足したいのですが、ただ「機能があるから使いたい」のでなく、そう思わざるを得ない、ちょっとせつない理由もあると思うのです。

というのは、この機能がついているために、女性はこれだけ社会でハンデをつけられてきたわけです。「女は子どもを産んだら、どうせ会社を辞めるから」という理由で、昇進に差を付けられ、職種に差をつけられ、採用に差をつけられてきました。


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どんなお産も素晴らしいお産 ――赤子が地球を救う

日本のドラマ史上、こんなにたくさん本物の新生児を登場させたドラマがあっただろうか。
現在TBSで放送中のドラマ『コウノドリ』である。

筆者が次男を妊娠中に通っていたクリニックに原作漫画が置いてあったこともあり、以前から内容を読んではいたが、テレビドラマに生まれたての赤ちゃんがたくさん出てくるたび、つい、孫を見る気分でニヤニヤが止まらなくなる。



……そして、バウンサーに座る9ヵ月のわが次男をちらりと見ながら、「お前もう、赤ちゃんじゃなくて、人だな」と思うのだ。

そんな『コウノドリ』、先日放映された第7話では、助産院での“自然なお産”をストイックに目指す妊婦が、最終的に医療介入での出産となり、葛藤する話が出てきた。

筆者はふと、5年前の自分を思い出すのだった。

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【米国発】求められているのは「仕事も子育ても“今”同時進行したい人」を全面的にサポートするシステム


先日、《日本のPR会社が女性社員の将来の妊娠に備えて卵子凍結保存の費用を補助する》というニュースが流れた。この事例は日本国内の民間企業ではおそらく初めてとのこと。

【参照記事】
卵子凍結保存を希望の女性社員に費用補助へ|産経ニュース
http://www.sankei.com/life/news/150707/lif1507070006-n1.html

昨年は米国のアップル社やフェイスブック社が、女性社員の卵子凍結保存費用を最大2万ドル負担する、という制度の導入を発表し、米国内の主要メディアでは賛否両論になったことから、「卵子凍結保存」が、私の日常でもにわかにホットな話題になった。

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二人目出産の「産休中やることリスト」反省会 【産後編】

今年のアタマに生まれた次男も3ヵ月児となり、すっかり丸くなって、腕や足のあきらかに関節ではない箇所に、赤ちゃんならではの輪ゴムをはめたようなシワができている。
(筆者夫婦はこれを「謎関節」と呼んでいる)

なかなか笑わないクールボーイであるが、先日、兄が怒られているさまを見て、声を出しての大笑い……という、微妙なタイミングでその笑顔を見ることに成功した。上の子もそうだったが、赤子というのはなんでこちらがカメラをすぐ出せないときに限って笑うのだろうか。とにかく、情緒は順調に育っているようなので一安心である。


さて、以前「二人目出産の『産休中やることリスト』反省会 【産前編】」というタイトルで、産休中にやってよかったもの、失敗したことなどを書かせていただいた。
http://mamapicks.jp/archives/52171514.html

今回は“やることリストのその後”についてお伝えしていきたい。
やはり育児は予定通りに進んでくれず、今もドタバタを繰り返している我が家である……。

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「親のエゴ」でなく生まれる子はいない?

唐突ですが、お尋ねです。みなさんは、どうして子どもを持とう、あるいは産もうと思われたのでしょうか? それはいつ頃からでしょうか?

筆者の場合は、わりと昔から「いつか子どもを持とう」と思っていました。ダンナはどっちでもいいけれど(いてもいなくても)、子どもは絶対欲しい、と。そう思ったのは、中学生くらいからだったでしょうか。



■「何か残したい」欲と、「機能を使いたい」欲


どうして子どもを持とうと思ったか? 筆者の場合は、こんな理由でした。

理由、その1。
いつか死ぬことが怖すぎて、自分の一部分を何かこの世に残せれば、安心して死ねるような気がしたから。自分の子どもを持てれば、それが叶うように思ったのです。

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二人目出産の「産休中やることリスト」反省会 【産前編】

おそらく、ほとんどの経産婦のみなさまは、計画的に予定を立てた上で産休に入り、ご出産されたものと思う。

恥ずかしながら第一子の際にまったくノープランなまま妊婦生活を過ごし、仕事に気を取られたまま産休に突入した筆者。

逆子だったのと里帰り出産だったため、産休に入ると同時に実家に帰っていてくれと医師に言われ、「あれもしたい!これもしたい!」を山ほど抱えたまま実家にこもり、実家と駅前のショッピングセンターの往復で1ヵ月を過ごした。

結果として予定日から2週間遅れて産まれたので、「こんなことだったらもっといろんなことができたのに!」というストレスだけが残り、「次のチャンスがあったら、絶対に計画立てて産休を過ごすぞ!」と決めていたのだ。

そして4年半ぶりにそのチャンスはやってきた。

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妊娠時に職場から勤務上の配慮について「十分に受けられた」は半数以下、就業形態別での差も明らかに

連合(=日本労働組合総連合会)では、妊娠しながら働いている女性の労働環境を把握するため、「働く女性の妊娠に関する調査」を実施し、その結果を発表した。調査対象は、働きながら妊娠をした経験がある20歳~49歳の女性1,000名。


まず、妊娠時に職場から受けた勤務上の配慮についての質問に、「十分に受けられた」と回答したのは半数以下の45.2%であった。次いで「受けられたが、十分ではなかった」という回答が28.9%、「一切受けられなかった」は約5人に1人となる19.3%、さらには「出血や切迫早産などで医師の指導があるまでは受けられなかった」という回答も6.6%にのぼった。

なお、「十分に受けられた」と回答した人を就業形態別にみたところ、【正社員・正職員】だと39.6%であり、他の就業形態での回答割合【契約社員・派遣社員】(51.5%)、【パート・アルバイト】(50.3%)に比べて、10ポイントあまり低いことが明らかになった。
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