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親になったから、見えるものがある。

専業主婦

サブスクリプション家族 ――昭和夫と平成妻の悲劇

私はママ友と井戸端会議で談笑するより、「子あり人生、どう生きていく?」を(酒を片手に)語らうことが多い。フツーの人のフツーじゃない家族価値観をさぐる「結婚インサイト」で、ママ友たちにインタビューしているせいもある。

その席で必ず飛び出てくるのが、夫と妻のアンフェアネスだ。端的にいえば、「就労妻に家事育児がのしかかり、精神的にも体力的にもヤバい、夫の理解がなくてツラい」というもの。

私はこれを「昭和夫と平成妻の悲劇」と呼ぶことにした。


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「子どもができたら妻には家にいてほしい」と断言する20代男性に、母になった私が思うこと

「子どもができたら妻には家にいてほしいので……。」
「自分の子どものことをよく知らない保育士に育てられたくないって思っていて。」
「僕はお母さんが家にいてめちゃくちゃよかったので、母親が家をしっかり見ていてほしいです。」
「子どもがある程度の年齢になるまではつきっきりでいてほしい。矛盾ですけど、奥さんには好きなことをやって輝いてほしい。でも家にはいてほしいです。」

こんな発言を聞いて、どんなことを思うだろうか。実はこれ、昨年末に朝日新聞DIALOGに掲載された「男子のホンネ座談会」から抜粋した、20代前半男性のリアルな発言だ。

おそらくこの引用部分だけでげんなりしたり怒りたくなった人もいると思うのだけれど、できればこのコラムを読んだ後にでも、前後編、なるべくフラットな気持ちで読んでみて欲しい。

「男子のホンネ座談会」【前編】
http://www.asahi.com/dialog/articles/00003/00001/
「男子のホンネ座談会」【後編】
http://www.asahi.com/dialog/articles/00003/00002/

■「育児と家事は女性の役割&責任」がこうも根強いとは!!


これが50代60代の男性の発言なら「世代がね……」と思えるけれど、これは大学生を含む20代の男性。正直に言えば私も一瞬かなり面食らった。「育児と家事は基本的には女性の役割」という大前提がちっとも過去のものになっていなくて、こうも「若い人たち」の頭の中にがっちり入っているとは……。

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刷り込まれた母親像 ――昭和のサザエさんと平成のみさえさん

国民的家族アニメの筆頭といえば、疑うことなく『サザエさん』だろう。
父母、子、祖父母、孫の視点がすべてそろっていて、主役は持ち回り。視聴者家族のメンバーの誰もが「自分ゴト化」して見られる点において、最強アニメといっても過言ではない。

そのうち視聴者が思春期にさしかかると、偉大なるご近所マンネリストーリーより、トキめく青春物語を求めて「離脱」するが、自分の家族を持つと日曜7時、再びサザエさんに新規顧客(子ども)を連れて帰ってくるというリピートも見込まれ、この良循環においても右に出るものはいないと思う。

長谷川先生、そしてアニメ脚本家の皆々さまはなんというモンスター漫画をお描きになったのか……。

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プレミアムフライデーは誰のもの?

2017年2月24日の金曜日から、「プレミアムフライデー」が始まる。
経済産業省が経団連などと連携して検討してきた施策で、毎月、月末の金曜日は15時に退社をし、消費活動を促そうというものだ。


去年の12月、ニュースを聞いてまっさきに思ったのは、
「あ……保育園から『15時に退社できるんだったら、まっすぐお迎えに来てくださいねっ』って言われそう……」
ということだった。

というのも、私の娘の通う保育園は、「保護者が休みの日は、子どもも休み」「勤務先から保育園へは、買い物などの寄り道せずにまっすぐお迎えに行くこと」「家に買い物の荷物を置いてお迎えに行ってもダメ」というルールがあるからだ。

保育園によって、このあたりのルールの厳しさはさまざまだと思うが、私の通う園のルールは決して珍しくはないと思う。

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“フルタイムマザー”の働きどき

ワーキングマザー(=ワーママ)が感じる子育てと仕事の両立の大変さは、その障壁ごとに“◯◯の壁”とネーミングされることが多いが、専業主婦の子育てにおいてはどうだろうか?

以前より興味があったテーマであるが、ちょうど先日、小学生ママの就業意識について、とても興味深いお話を聞く機会があった。皆さん、もともとはフルタイムで働いていたが、妊娠・出産を機に仕事を辞めて家庭に入り、子育てに専念してきた方々。言わば“フルタイムマザー”である。

■“フルタイムマザー”が感じる『自己有用感』のモヤモヤ


一昔前なら、「高校や大学卒業後、就職せずに結婚して専業主婦に……」という人も少なからずいただろうが、現在はそのようなケースは非常にまれで、ほとんどのフルタイムマザーは就業経験がある。仕事のやりがいやその大変さも知っているが、家庭を優先してキャリアを断念している人が多いようだ。

一度仕事を辞めてしまうと、“保育園への扉”は閉ざされてしまうため、小学校入学までは基本的に子どもの生活には“ママの手”が必要不可欠となる。延長のない幼稚園であれば14時にはお迎えに行かなければならず、アフター幼稚園の習い事やお友だちと公園で遊ぶのも、すべてママが同伴となるため、フルタイムマザーは終わりのない家事と子育てで自分の時間を使い果たす生活が続く。

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「女性活躍」の今、「働くお母さん」について考えた

日ごろ、仕事で企業の人事や経営者を取材することが多い。テーマはダイバーシティ、女性管理職、女性活躍のための男性管理職への教育など。「働く母」や人事部のエライ人の話を聞いていると、さまざまな思いが浮かんでくる。こぼれた思いをつづってみたい。

■働かざる者食うべからず?


そもそも「働く」ことに関して個人的な思いを言うと、

「働かざるもの食うべからず」

自分の食いぶちは自分で稼げ、と言い聞かせてここまできた。

そう思う背景には生い立ちが影響している、と思っている。
父は教員、母は専業主婦……だったはずだが、私が小6くらいのころから母がパートを始めた。郊外に大きな家を購入した時期と重なる。きょうだいは4人。すぐ下の弟は野球少年で、野球の強い私立中学への進学を希望していた。

母は自分のキャリアのためでも、社会との接点を求めるためでもなく、経済的な理由から働き始めたのだった。ファミレスのパートから、やがて保険の外交員となり、やりだしたら性にあったらしく、楽しげにのめりこんでいった……と、娘としては思いたいが、口癖は「あなたはお金持ちと結婚しなさい」「女性もずっと働けるから公務員になりなさい」。
お金には相当苦労していたようである。

食卓のカレンダーには、父と母の間での「お金の貸し借り」が記載されていた。
ほとんどは「母が父に借りたお金の金額」であった。母が不憫に思えた。自分で稼ぎ、自分で経済設計したい。オトコの稼ぎに左右されたくない。いつからか、そう思うようになった。

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「男が女を幸せにする」っていうの、そろそろやめにしませんか ~平等志向夫婦の生きづらさ

NHKの朝ドラ『とと姉ちゃん』がそろそろ終わる。主人公の常子は三姉妹の長女で、早くに父を亡くし、ふたりの妹の父代わりをするという設定。大人になって戦後、ふたりの妹が結婚するのだけれど、そこで典型的な二大セリフを聞くことになった。

■典型的な結婚のセリフの古さ


次女の鞠子のときは、常子が「幸せにしてやってください」と言い、夫になる人が「僕は鞠子さんを一生かけて幸せにします」と決意を込めて力強く言う。

三女の美子のときは、夫になる人が「美子さんを僕にください」と言い、常子は「ふつつかな妹ですが」と返す。

時代設定的にもごく当たり前な表現でしかないのだけれど、なんだか2回とも、妙にひっかかった。あぁ、なんだか、この「幸せにします」とか「僕にください」とかっていう「男が女を幸せにする」的な図式、もう、あまりにも古い!ふたりで仕事も子育てもするような時代には全然合ってない!!……なのに、もしかして、この「男が女を幸せにする」的な図式に、私たち自身がまだまだ結構引っ張られているんじゃないか……と、ちょっとヒヤリとした。


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夫婦の役割分担、はっきりしている方が楽?

夏の小旅行、帰りの新幹線で駅弁の夕食を済ませ、遅い帰宅をした。その日は楽しい疲れでぐったりで、いつもなら息子が寝入ったあとにそのまま自分も寝てしまうパターン。でも、2泊分の真夏の洗濯物が気になって起き出した。洗濯機2回分、夜中にありったけのハンガー類で無理矢理干す。

そんなことをしている間に夫は寝入っている。普段ならこのシチュエーション、「なんで私だけが洗濯を!!」とイラっとしそうなパターン。ところが、どうやらなんだか違う。「まあ、私がやっとくよ」と、結構素直な気分。……一体これは、なんでだ?


■旅行中のはっきり役割分担が効果?


旅行の間、普段とはちょっと違う役割分担が生じた。

目的地で利用したレンタカーは、全面的に夫が運転した。私はペーパードライバーなので頼るしかない。とはいえ普段車無し生活だから、久々の運転で疲れただろう。夫の旅行バッグには重いものばかりが配分されていたし、仕事の疲労度合いも重なって、彼の体力消耗度は明らかに、高い。

一方私の体力的負担は、息子が乳幼児期に比べたら激減した。子どもが自分で歩きリュックを持ち、抱っこや幼児的なぐずりの心配がない年齢になったのは大きな違いで、気持ちの負担も軽くなった。

全体として、夫が体力面全般を担当、計画や各種手配・準備などソフト面は私が担当というきれいな構図が出来上がったわけだ。

運転能力・腕力で私より明らかに勝っているから、いいよね!よろしく!と、私の側も割り切って罪悪感なく頼ってしまえて少し気楽。だからその分、まぁ疲れたよね、ゆっくり休んでよ、と自然に感謝もして、夜中に大量な洗濯をしてもブツブツ独り言を言わずに済んだのだろう。

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主婦の休日感に関する調査、「まったく休日がない」の回答が過半数に

象印マホービン株式会社は、「主婦の休日感に関する調査」を実施し、その結果を発表した。同社のこのテーマによる調査は、1986年、2001年と、15年ごとに実施しており、休日感の変遷を見ることができる。調査対象は首都圏の主婦(成人前の子どもをもつ専業・有職主婦)で、有効回答総数は600件。


調査ではまず、主婦業から一切解放される休日があるか質問。「まったくない」と回答した主婦が50.2%で、調査開始から初めて5割を超えた(15年前は41.7%、30年前は39.0%)。「あるが非常に少ない」は39.0%で、(15年前は48.0%、30年前は45.7%)「主婦に休日なし」という実態に変化がないことが明らかになった。なお、この「休日感」についての思いは、仕事をしている/していない、未就学児がいる/いないに関わらない傾向だ。

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こんどは「ワーキングマザー」がキラキラなんですか!―― 変化する「素敵な母親」像

電車のドアの上方、広告用の小さなスクリーンが視界の隅で動いている。パリッとしたスーツを着た、いかにも美しい感じの女性がきりりと現れ、その手前に現れた文字列で、「私は仕事も育児も趣味も全部実現」といった趣旨の表現が展開され……。

何のCMだったか見る間なく一瞬の出来事だったけれど、その、執拗なまでにキラキラした背景に、白系スーツと黒いロングヘアで立っている誇らし気な女性を見て実感した。

これは完全に「素敵な母親=仕事と育児両方」イメージにシフトしたな、と……。


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編集者&ライター、気象予報士。母親向けお天気教室の講師や地域向け防災講師も務める。家族は夫と2014年生まれの長女、2018年生まれの長男。
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