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親になったから、見えるものがある。

性差

女だから/男だからの役割意識を越えるのではなく、壊せたら

このところの旅行の記憶といえば、もう100%子どもの行きたいところばかりが続いている。今年も行った先のメインは鉄道系の博物館。幸運にも本物の運転士さんがシミュレーターのエリアに来てくれる日だったらしく、息子が運転体験をしている様子を見守りながら、私は運転士の仕事や訓練などについていろいろと話を聞かせてもらえてしまった。

■自分でも意外だった根強い性別フィルター


体験時間が終わって「本物の運転士さんだって!すごいね~」と息子に言ったら、その運転士さんが、「あ、こちらも運転士です」と、息子の横で操作方法を指導してくれていた方を紹介する。おぉそうだったのか!となんだかバツが悪い。

ふたりとも運転士だなんて思わなかったとか、制服が同種に見えなかったいうのもあるけれど、もっと理由があった。その方は女性だったのだ。

今私が話している人は運転士、ということは、息子についてくれている「女性」は、教えてくれるスタッフ系の人なのか車掌さんとかなのかな……。そういう判断をなんとなくしていた。あぁ、私は確実にこの人を「女性」というフィルターで見ていたんだ。その自分の先入観にガツンと気づかされて、ちょっとショックだった。

そしてやたら「女性の運転士!かっこいい」的な反応をする自分がまたなんだか嫌になってしまう。

男とか女とか、生物として違うとはいえ、社会的な役割に関しては極力フラットでいたい、と常々思っているのだけれど、自分の根っこにはりついている、「女だから……ではない」とか「女なのに……ですごい」という感覚に、いまだにびっくりするほど左右されていることに改めて気づかされてしまった。


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男っぽいとか、女らしいとか、子どもたちはいつから身につけるのか?

「ジョセイタイインがね」、息子が言う。
ジョセイタイイン? あぁ、「女性隊員」か。
最近、1960~70年代の昔のウルトラマンシリーズに夢中だ。

「ジョセイタイインの仕事はね、現場にはあまり急行しない、コーヒーやお茶をいれたりする、コンピューターで調べたりする」。
おぉ、ひと昔前の、なんともステレオタイプな仕事っぷり!

40年以上前の類型化された性役割モデルを子どもが正確に読み取ってしまった事実に軽く焦り、「でも、南夕子は女性だけど北斗と一緒にウルトラマンエースに変身するよね?」と、何となくフォローしてみる。


■戦隊ものにおける女性


75年にスタートした「スーパー戦隊シリーズ」の初代「ゴレンジャー」では、5人のうちモモレンジャーが紅一点だった。80年代からピンク+イエローも女性になるケースが出始め、設定はさらに多様化しつつも、だいたい1~2人の女性が含まれている。

最近のシリーズ3代の女性隊員の変身前の姿を見ると、ピンクは「女子大生でお嬢様」や「元王女」という、いかにも女の子なのだ、け・れ・ど・変身するとすごい。イエローは、女の子な・の・に・「活動的」で「負けん気が強い」。

変身後同等に戦っていても、これらの設定で「女の子らしさ」という性役割イメージは、むしろ強調される。

さらに、「恋心」の概念すら無い幼い男児をターゲットにしながらも、ストーリーにはそんな要素もちりばめられる。

「アイドル姿で男性を『クラクラ~』とさせて、『骨抜き攻撃』する敵」が出現した時、息子に「今どうやって攻撃したの?」と聞かれた。その設定が理解できない男児に、「大きい男の人はかわいい女の子を見るとね……」なんて説明をしながら、こういう男と女の類型を一般化して解説するのもどうなんだろうなぁ、と自問する。


■同族意識をもち排他的になる子どもたち


性役割意識は、子どもたちの側からも押し寄せる。

男女の存在を理解し、相手の性別を判断するというのは、それなりに高度な認知のステップで、幼いうちはそれすらわからない。

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赤ちゃんへの声かけ、「女の子ですか?」が常識?

生後4ヵ月になる娘を連れて外に出ると、女性、とくに年配の方からよく声をかけられるようになった。出産してから一番の驚きと言ってもいいくらい頻繁に、駅で、スーパーで、コーヒー店で、道端で。

「何ヵ月?」「今日はお散歩日和だね」「私にも孫がいてね」
と、みな楽しそうに声をかけてくれる。

電車を待っているときに声をかけてくれたおばあさんは、娘をあやそうと歌まで歌ってくれたのだが、ニコニコする娘に、「僕、いいお顔だね~!」と話しかけた。

おばあさんは、娘を男の子だと思ったらしい。

たしかにその日の娘は、赤や緑、黄色などのカラフルなボーダー柄の洋服を着ていて、男の子っぽくも見える服装だったのだ。何せまだ髪の毛も多くないし、性差がハッキリしないのは当然のことだと思ったので、こんなこともあるよね、と受け止めていた。

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