原発事故にともなう乳幼児や妊婦の被曝リスクについては、さまざまな情報が入り乱れている。今回、原子力の専門家でもジャーナリストでもなく、医療、しかも専門医の立場からの見解を求めて、このたび日本医療学会のご協力のもと、愛育病院院長の中林正雄先生と、東京慈恵会医科大学准教授で小児科医の浦島充佳先生による「乳幼児・妊婦の方の放射能問題を考える」Q&Aに回答いただいた内容を転載させていただくことができた。

水道水については?

「日本では乳幼児では100ベクレルを超えたら飲まないようにと言われていますので、その基準以下であれば飲み続けたとしても、あるいは基準を若干超える位でも短い期間(例えば何ヵ月単位、1年間)で飲んだとしても大きな影響はありません。

大きな影響ではないとは、日ごろ我々が宇宙からの放射線や医療によって受ける放射線で被曝している量と比べても大きくないと思われることです。比較の問題であり、水道水を飲むことが将来のリスクに絶対にならないということではありませんが、普段我々はそれより多いリスクを負っており、それに比較すると非常に小さいリスクと思われます。」
続きを読む