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親になったから、見えるものがある。

産後クライシス

男だって子どもを理由に飲み会を断っていい ――小さい子のいるパパには周囲も声かけを

子どもが生まれてから私が参加した飲み会の数って、かなり少ない。

そもそも育児の最初の頃なんて、夜に限らず絶えず自分の時間なんてものはなくて、昼の予定だって赤ちゃん関連ばかり。出産後に夜の飲み会に初めて参加したのはいつだっただろう……。もう産後10年以上経ってずいぶん変化したとはいえ、それでも、なんだかんだといって、ずーっと私の「夜の時間」は子どものためのもののままだ。

■夜の用事が全然入れられない!


今だって、夜飲むような席にでかけるとしたら、自分の楽しむ領域よりも、仕事に関連するイベントやセミナー+懇親会とか、「用事」に近い状況の方が圧倒的に多い。

それでも、行くときはなるべく早いうちに夫の予定を確保して、夫が劇的に忙しい時なら参加を諦めることもある。頼んだ日近くにやたら「いそがしい!」を連発されれば、「ずっと前から言っといたのに!」と言いたくもなる。あぁ私の夜の予定をたったひとついれるだけでなんでこんなに面倒くさいのか……。


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話題のNスペ「ママたちが非常事態!?」が書籍化 ――最新科学で「育児の問題」を読み解く

NHKスペシャル『ママたちが非常事態!? ~最新科学で迫るニッポンの子育て~』が書籍化された。2016年1月に放送され、当サイトでも放送前に取り上げて話題を呼んだ番組だ。
【プレビュー】NHKスペシャル『ママたちが非常事態!? ~最新科学で迫るニッポンの子育て~』 ――産後・育児の孤独とイライラに科学で切り込む
http://mamapicks.jp/archives/52193866.html

放送後、番組を見たママたちからの大きな反響を受けて、すぐさま第二弾が制作・放送されたのだが、書籍には2回にわたって放送された内容に加えて、紹介しきれなかった情報や、取材の裏話などが収録されている。


今回は出版元であるポプラ社にて、編集担当の斉藤尚美さんと営業企画部の土橋恵さんに、書籍化に至るまでの経緯や本書制作上の裏話などを伺った。

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男性の“主体的な”育児参加にまつわる雑感


仲の良い男友だちのところに待望の赤ちゃんが誕生した。
付き合いが長い友人で、私にとっては弟のような存在なので、まるで親戚の赤ちゃんが誕生したような気分だ。

不要になった子育てグッズやサイズアウトした娘の服を譲ろうと、少し前に我が家まで来てもらったとき、「もう奥さんが里帰りしてしまうので、自分ひとりで保育園の見学に行くことになって、どういうところに着目したらよいのか教えてほしい」と尋ねられた。

早く子どもが欲しいという話もよく聞いていたし、そのぶん、保活や待機児童の問題にも関心があるようで、未知の世界だけに不安だとも漏らしていた。子どもが生まれる前からの保活についての是非はあるが、もはや都会で保育園に入れるためには当たり前となった感もある。

それでも、男親がこんなに主体的に動いている事例を、少なくとも自分の周囲で見たのは初めてで、「今も週一回くらいはリモートワークを試みている」「会社が推奨してくれているので自分も育休を取る」そして、「制度を利用するからには仕事のパフォーマンスも上げたい」と聞いたときは、彼の真面目な性格は前々から知っていたものの、「しっかりしてるなあ」と呆気に取られてしまった。

そんな彼を非常に頼もしいと思う一方で、そもそも育児に“主体的”だとか“前向き”って何なんだろうという気持ちにもなった。

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ふたりで育児のスタートは危機感の共有から ~産後って何がそんなに大変なの?と思うすべての人へ

さて問題、これは何の表でしょうか?


答えは、1日の授乳回数。知人から協力を得て、10人分の第一子生後3ヵ月頃の授乳記録を表にしてみた。ある1日の授乳のスタート時刻を1時間区切りでマークしてある。

■1日中エンドレス!


どうみても、授乳の丸印で埋まりすぎじゃないだろうか。

たまたま集まった10人分の記録でしかないけれど、1日に7~9回の人が多い。1日8回なら3時間ごと、9、10回なら2時間半前後ごとだ。

生後1~2ヵ月の頃はもっと回数が多い場合が多いから、少なくとも出産後3ヵ月、これ以上のペースも含む授乳生活を、1日の休みもなく繰り返してきたわけだ。そして、その先もいつ終わるかわからない。

この丸の連なりの向こうに、新米ママたちの過酷な現実がある。

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「今、求められる産後ケアの必要性」セミナー報告 ――誰もが抱える潜在的な「産後うつ」に言及

2016年7月14日、文京学院大学にて「今、求められる産後ケアの必要性」をテーマとする報道関係者向けのセミナーが開催された。登壇したのは、同大保健医療技術学部准教授の市川香織氏。当日の会場は、大手新聞各社の記者や業界有名誌の編集スタッフが出席し、この問題におけるマスコミの関心度の高さがうかがえた。


■産前産後の女性には安心できる環境を


市川先生はまず、毎日新聞による妊産婦自殺に関するショッキングな報道を受けて、妊産婦の自殺率が、健康問題からの妊産婦死亡率より高いことを指摘。産前産後の時期はホルモンの変化が大きく不安定な時期であるため、正常なホルモンバランスを保つためには、専門家による継続したケアや、家族や周囲に認められ大事にされる安心感が必要であることについて解説した。

また、周産期うつは潜在的に誰もが抱えており、約半数の産後女性は、産後1年くらいの間に、「自分が“産後うつ”だったかも」と感じた経験があるといった統計を挙げ、とくにピークである産後3ヵ月までは、母親自身が頑張りすぎないことについて喚起した。

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産後10年目に発見した感謝のことば ――男性の当事者意識は「巻き込まれる」ことから

週末の蒸し暑さで扇風機を出すことにした。しまい込んだ扇風機の箱の上に乗っていた古い書類の束に、出産した年の手帳を見つけて、開いてみたら「分娩後アンケート」という紙切れが出てきた。10年前に出産した総合病院で、一応書いたけれど出しそびれたものがそのままはさまっていたようだ。

■すっかり忘れていたこと


「ご出産の感想をご自由にお書きください」の項目にはこんなことが書いてあった。

「当初、夫の立ち会いは陣痛室までと思っていたのですが、マタニティクラスをふたりで受けて気が変わり、結局さいごまで立ち会ってもらいました。妊娠中を含め、夫の助けがあってこそやってこられたと思うので、大切な誕生の瞬間を独り占めせずに共有できたことが貴重でした。」

いかにも提出用の、よそゆきのつまらない感想だけれど、「夫の助けがあってこそ」に素直に触れているところがすごい。そんなストレートな感謝の意はこの10年の間にすっかり忘れていた。

■そういえば結構巻き込まれていた


妊娠した頃、夫婦ともフリーランスで家で仕事をしていたので、互いの日常も仕事も境目がなく、家事も適当に両方でやっていた。だから、一方が吐いていれば、もう片方が調理を担当するのは自然な成り行きで、私のダラダラ続くつわりに、夫はたしか長期間巻き込まれていた。

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産後からの夫婦関係における「気遣い」と「遠慮」のさじ加減


数ヵ月前に出産したばかりの新米ママとなった友人と話していたときのこと。
「出産祝いが届いたよ」の報告だったか、私から「内祝いありがとう」の返事だったか、どちらから連絡を取ったのか忘れてしまったが、遠方でなかなか様子も見に行けないので、せっかくだしいろいろ話を聞きたいなと、「初めての育児どう?」と振ってみた。

里帰りはせず、自宅で夫婦2人で初めての子育てに臨んでいるのだから、それは四苦八苦だろうと予想はついていた。家事や身の回りのことも自分でしなければいけないのだから、ハードでないわけがない。

「赤ちゃんのお世話以外はとにかく身体を休めてね。旦那さんにたくさん手伝ってもらうんだよ」と付け足すと、友人は遠慮がちに、「夫は料理も洗濯も掃除も何でもやってくれるんだけど、仕事で疲れて帰ってきてるし、翌日も仕事があるから、夜起こしたら悪いと思っちゃうんだよね」と漏らしていた。

ひじょうに細やかな神経の持ち主なので、彼女らしい発言だな、とは思ったのだが、「いやいや、今、その気遣い要らないから!! あなただって十分すぎるほど疲れてるでしょ!!! 自分の命を削りながら赤ちゃんに栄養与えてるようなもんなんだよ!!!!」と彼女の言葉にかぶせるように訴えかけてしまった。

そこからは、「ファミリーサポートなど、自治体のサービスで家事や育児のサポートをしてくれるものもあるよ」「保健師さんが来たときや役所に行くことがあれば話をきいてみるといいかも」など、夫婦での分担以外の話もしてみたが、その後は友人と話すたびに、「パートナーが激務のため、育児を全部自分が担っている」という状況を察して、何だか胃がギュっと縮こまるような思いだ。

とはいえ、「旦那さんに遠慮したらだめだよ」と先輩ヅラしたものの、自分自身も偉そうに言えた立場ではない。

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【プレビュー】NHKスペシャル『ママたちが非常事態!? ~最新科学で迫るニッポンの子育て~』 ――産後・育児の孤独とイライラに科学で切り込む

2016年3月27日(日)放送の第二弾『ママたちが非常事態!? 2 ~母と“イクメン”の最新科学~』 のプレビュー記事はこちら


「なんの地獄かと思った」「こんなの聞いてなかった」
……初めての育児中のお母さんの声だ。

多忙で不在の夫。赤ちゃんとふたりきりの時間を過ごすお母さん。夜も昼も眠れず身体はへとへと。初めてでわからないことだらけ。「かわいいね」「つかれたね」「ねむいよね」「これって大丈夫なのかな?」そんな他愛もない声をかけ合う相手が家にいない。

そういう「孤独な」子育て中のお母さんは今とても多い。むしろそういう人の方が圧倒的に多いだろう。

幸せの象徴のような新しくきれいなマンションの一室でさえ、赤ちゃんとふたりきりの密な時間は「なんの地獄?」と感じる空間になりうる。

孤独なんて言ったら贅沢?みんなもそうだし……なんて飲みこみがちなストレートなお母さんの気持ちを現状として見せた、NHKスペシャル『ママたちが非常事態!? ~最新科学で迫るニッポンの子育て~』が1月31日(日)に放送予定だ。


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女性は自動的に母にはならない ――母も父も始まりは皆、育児の素人

週末、電車でベビーカーの赤ちゃん連れ単独行動のお父さんに遭遇した。
町中には、園や習い事の送迎をするお父さん、子ども乗せ自転車で疾走するお父さんもあふれ、そんな男性の姿は、もうすっかり珍しくなくなってきた。

その割に、まだまだ男性が育児を「参加する」とか「手伝う」とか、補助的な言葉で捉えがちなのはなんでだろう。もしかして、けっこう本気で「女性は妊娠・出産すれば自然に母になる」なんてことを信じていたりするんじゃないだろうか。

■「突然さ」は男女とも同じ


よく、男性は妊娠とか出産をしないから「父親の自覚」を持つ間がない、というけれど、女性だって自動的に母親の感覚を持てるわけでは決してない。

多くの男性がイメージするのは、女性は妊娠や出産を経て「母性本能」とやらがじわじわ出て、だんだん母親化して、子どもが生まれた時にはもう、赤ちゃんの扱い方も何でも自然にわかるようになっている、というストーリーかもしれない。

でも、現実の女性の身にはかなり違うことが起こっているのだ。


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夫婦の平日の会話量「30分未満」が過半数、会話の満足度が高い夫婦ほどパートナーへの愛情が高い傾向

マーケティングサービス事業を展開する株式会社ドゥ・ハウスでは、未就学の子どもを持つ20代~60代の男女を対象に、「夫婦の会話」に関するWEBアンケートを実施、その結果を発表した。有効回答数は649人。

まず平日と休日の夫婦間の会話量についての質問では、平日は「15~30分未満(28.5%)」が最も多く、「30分~1時間未満(23.6%)」、「15分未満(21.5%)」が続いた。一方休日の場合は「1時間~3時間未満(28.5%)」が最も多く、次いで「30分~1時間未満(19.9%)」、「15分~30分未満(16.3%)」という結果であった。

ちなみに夫婦の会話の話題で最も多く挙げられたのは、男女ともに「子どものこと」であったが、第2位になると、女性の場合は「自分のこと」を挙げ、男性の場合は「パートナーのこと」を挙げたという。

また調査では、夫婦の会話について自身の満足度を100点満点で評価する質問もあり、こちらの結果の平均値は62.4点であった。

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