ひさびさに恐ろしい小説を読んでしまった。内容は重厚だがぐいぐい引き込まれ、あっという間に最後まで読み進めてしまった。それは、『一〇一教室』(似鳥鶏 著・河出書房新社)である。

「爽やかさゼロのダークミステリ!!」というキャッチフレーズに惹かれて手に取ってしまったが、ここまで恐ろしい本だったとは……。


舞台となるのは、全寮制の中高一貫校「私立恭心学園」。
マスコミの寵児である教育者・松田美昭が作った私立学校で、その教育論に心酔する親がこぞって子どもを入れたがる。何せ、高い進学実績を誇り、ひきこもりや反抗的な態度まで治るというのだから……。

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