先月2月14日のバレンタイン・デーに発生した、米国フロリダ州の高校で元生徒が銃を乱射し、高校生15人と教師2人が死亡した事件。3月24日には生き残った高校生たちが主導して、銃規制の厳格化を求める【March For Our Lives】が世界各地で同時開催され、私の住むワシントン州でもシアトルを含む約30都市で、合計数万人が行進に参加した。

「もういいかげんにしろ」「あとどれだけ子どもを死なせれば事態は変わるのか」「コロンバイン高校の事件以後、大人たちは何も対策をしていない」「銃規制をもっと厳格化しろ」「"thoughts and prayers"(=思いと祈り)だけでは解決しない。行動で示せ」と、団結した高校生たちがロールモデルとなったこの運動は、アメリカ人全員が銃による暴力を「仕方がない」と受け止めているわけでも、銃を野放しにしていいと思っているわけでもないことを、世界に見せることができただけでも大きな意味があったといえる。


「Guns don't kill people, people kill people.(=銃が人を殺するのではない。人が人を殺すのだ)」とは、米国憲法修正条項第2条に定められた、「武器を所持して携帯する権利」を根拠に銃規制に反対する、NRA(=全米ライフル協会)のスローガンだが、「NRAから献金を受け取っている議員を選挙に当選させないこと」が、【March For Our Lives】の次の目標のひとつとなっている。

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