太くて短かった2020年の夏休み、東京のベッドタウンである我がまちは、STAYとGo Toのはざまで、「都民じゃないから旅行してもよさそうだけど、新型コロナウイルスを拡散してたらどうしよう?」という問題に揺れている人が多かった。

会社では5人以上の会合を禁止されているが、満員電車に揺られて都内へ通勤する毎日。飛沫感染は防げても、接触感染はどうよ……? 答えのない問いに、親たちが、教育界で流行りの「自ら考えて動く力」を試されていた。


それは今夏のSNSに顕著に表れた。例年なら、海! 山! 花火! ビアガーデン、うぇ~い夏! と輝いているはずの画面が暗い。まず投稿数が著しく少ない。あったとしても、「家でパフェを作りました」、「パンを焼きました」、「この漫画にハマっています」など。批判リスクのない、安心安全なおうちコンテンツが目立った。

たまにいる「キャンプに来ました」報告でも、「貸し切りです!」とか「隣のテントとは離れています」などの文言を入れて「ちゃんと3密回避してますよおおお」とアピールしている。広告で炎上を起こす企業より、リスク管理にぬかりがない。みなさま、「どう見られるか」が分かっている。

続きを読む