1019749東日本大震災から早や4か月近くが過ぎた。こうした予期せぬ天災や事件・事故に遭った後、子どもたちは心的ストレスによって、これまで見せなかったような反応を見せることがあるという。たとえば「怖がることが多い」「些細なことでもすぐ怒り出す」「地震ごっこをして遊ぶ」など。

もしかしたら、震災後のわが子のようすの変化が、いまだ気になる家庭も少なからずあると思う。そこで、民間企業として幼稚園・保育園への心理士巡回サービスに取り組んでいる「ママchan」の臨床心理士、関谷直子さんに、子どもの不安と家庭でできる心的ケアについてお話を伺った。
「大きな心理的ショックによる子どもの反応への対応方法ですが、まずは子どもの状態にあわてず冷静に対応すること、子どもが話しかけてきた時も、さえぎらずに最後まで話を聞くことを心がけましょう。もし赤ちゃん返りを起こした場合でも、叱らずに、子どもが満足するまでスキンシップを与えることも大切です。」

とくに関谷さんは、「悪いことをするとまた地震が来るよ」「悪いことをすると、ママと会えなくなるよ」など、天災や事件、事故を懲罰に結びつける発言は絶対にNGだという。こうした発言は子どもの不安を増強させ、心理的ショックを長引かせるだけだそうだ。

「地震ごっこ」は心理的ショックを軽減させる表現のひとつ


一方で、「子どもの中には、地震ごっこなどの遊びをする子もいるかもしれません。一見、不謹慎な遊びに見えますが、これも表現のひとつなので、特定の人を中傷してないのであれば、ある程度は容認してあげてください。」

天災や事件、事故について表現することは、心理的ショックを軽減させるという。心の中に留めるのではなく、お話をしたり、絵を描いたりと、なるべく表現することが大切なのだそうだ。

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「ママchan」幼稚園・保育園向け臨床心理士巡回サービス
深田洋介深田洋介
学研の編集者、AllAboutのWebエディターを経て、サイバーエージェントの新規事業コンテストでは子育て支援のネットサービスでグランプリを獲得、その後独立。現在は子育て・教育業界×出版・ネット媒体における深い知識と経験・人脈を駆使して活動中。2001年生まれの娘の父。