12月6日に発覚した明治製粉ミルク「明治ステップ」からの放射性セシウム検出のニュースは、とくに乳児を持つ親たちにとっては大きな衝撃をもって受け止められた。
ただ、報道各社の情報をまとめると、放射性物質の混入は、原材料が原因ではない模様である(同社粉ミルクの原材料は北海道産及びオーストラリアほかオセアニア地域からの輸入品)。
今回問題となった製品は、震災直後の3月14日から20日までの間に、埼玉県春日部市の工場で製造されたものであり、福島第一原発事故によって大気中に放出された放射性セシウムが、工場で外気を取り入れて乾燥させる、粉ミルクの製造加工工程で入り込んだことが原因ではないか、と推測されている。
「ほほえみ」「ステップ」ブランドの明治製粉ミルクは、市場シェアの約4割をもつトップブランドだ。そのほかの粉ミルクメーカー各社は、今回の騒動後、そろって自社製品の安全性についてリリースを発信した。その情報を抜粋してまとめたので、参考にしていただきたい。



※明治製粉ミルク騒動に合わせたリリースは現在のところなく、8月26日に発表された内容です。
わが子に与えるものにはたとえ微量でも放射性物質が含まれていない方を選び、内部被曝のリスクをできる限り避けてあげたいというのが親心だ。
その観点で今回の各社発表を横並びにすると、「はぐくみ」「チルミル」の森永乳業は放射性物質の検出限界が5Bq/kgと他社に比べて最も低いということ、「はいはい」「ぐんぐん」は放射性物質が最も拡散したと思われる時期に製造した製品がないこと、「ぴゅあ」「たっち」は「すこやか」「つよいこ」と同じビーンスターク・スノー製であるということ、「アイクレオ」については西日本の兵庫県丹波市の工場で製造されていることが明らかになった。
これまで粉ミルクは、調乳指導を受けたブランドをその後も続けて指名買いしていたり、ドラッグストアの特売で最も安いものを選んだりと、原材料の原産地や製造工場などを選んで買うようなことはおそらくあまりなかったかもしれない。
過去の粉ミルク市場において、森永と雪印は不幸な事件によって大きくその製品シェアを揺るがされた経緯がある。今回の明治の事件は各社とも決して他人事ではなく、今後の生産管理体制や製品情報公開における企業姿勢によっては、その勢力図が大きく変わる可能性すらあるだろう。
・関連記事:【速報】粉ミルク「明治ステップ」からセシウム、無償交換へ
ただ、報道各社の情報をまとめると、放射性物質の混入は、原材料が原因ではない模様である(同社粉ミルクの原材料は北海道産及びオーストラリアほかオセアニア地域からの輸入品)。
今回問題となった製品は、震災直後の3月14日から20日までの間に、埼玉県春日部市の工場で製造されたものであり、福島第一原発事故によって大気中に放出された放射性セシウムが、工場で外気を取り入れて乾燥させる、粉ミルクの製造加工工程で入り込んだことが原因ではないか、と推測されている。
「ほほえみ」「ステップ」ブランドの明治製粉ミルクは、市場シェアの約4割をもつトップブランドだ。そのほかの粉ミルクメーカー各社は、今回の騒動後、そろって自社製品の安全性についてリリースを発信した。その情報を抜粋してまとめたので、参考にしていただきたい。
森永乳業製:「はぐくみ」「チルミル」

3/11の震災以降に製造の製品につきまして、放射性物質の検査の結果、放射性物質は検出されておりません(検出限界5Bq/kg)。
弊社では、育児用ミルクは東京都東大和市の弊社大和工場にて製造しており、今後も行政によるモニタリング状況、関連情報を注視するとともに、安全性を確認した上で製品を提供してまいりますので、安心してご使用いただきますようお願い申し上げます。
http://www.morinagamilk.co.jp/
ビーンスターク・スノー製:「すこやか」「つよいこ」

「すこやか」「つよいこ」の原材料については海外と北海道産の乳原料を使用しております。
放射性物質が拡散されたと思われる時期に製造した粉ミルクについて検査を実施致しました結果、放射性物質は検出されませんでした。(検出限界10Bq/Kg)
弊社では震災後、使用する水、原料につきましては行政によるモニタリング状況、関連情報を逐次監視し安全性を確認しながら使用しております。今後につきましても品質の安全性を第一に考えた製品作りを徹底して行ってまいりますので、安心してご利用頂きますようお願い申しあげます。
http://www.beanstalksnow.co.jp/
和光堂製:「はいはい」「ぐんぐん」

震災以降に生産したものにつきましては、連続生産単位毎に代表サンプルを採取し、放射性物質の分析を行っております。これまでの分析で、放射性セシウムが検出されたことはございません(検出限界:10Bq/kg)。
今回の報道にございました放射性物質が拡散したと思われる時期には、上記商品の生産は行っておりません。震災後の初回生産品についても分析を行い、安全性を確認しました。
上記商品に使用している乳原料は、オランダやニュージーランドなどの輸入品及び北海道産を使用しています。
弊社では震災後、行政によるモニタリング状況や関連情報を逐次監視するとともに、使用する水や原料について安全性を確認しながら使用しています。
今後につきましても、現在の監視体制を継続するとともに、分析体制を強化し、安全な製品を提供して参ります。
http://www.wakodo.co.jp/
雪印メグミルク製:「ぴゅあ」「たっち」

弊社粉ミルクの原材料については北海道産と海外の乳原料を使用しております。
弊社粉ミルクは製造委託先のビーンスターク・スノー(株)群馬工場にて噴霧乾燥工程を経て、原粉(粉ミルクそのもの)を製造、その後、缶又はスティックタイプに充填をしております。
今回の報道にあった放射性物質が拡散されたと思われる同時期に弊社製品の原粉は製造しておりません。
尚、同工場で同時期に製造したビーンスターク・スノー社の粉ミルクについて検査を実施した結果、放射性物質は検出されませんでした。(検出限界10Bq/kg)
弊社では製造委託先と協力して、震災後、使用する水、原料につきましては行政によるモニタリング状況、関連情報を逐次監視し安全性を確認しながら使用しております。
今後につきましても品質の安全性を第一に考えた製品作りを徹底して行ってまいりますので、安心してご利用頂きますようお願い申しあげます。
http://www.snowbaby.jp/
アイクレオ製:「アイクレオのバランスミルク」「アイクレオのフォローアップミルク」

弊社は兵庫県丹波市の自社工場において、原料から製造・物流に至るまで徹底した品質管理体制を整えて生産しておりますが、この度の東京電力福島第一原子力発電所事故の状況を踏まえ、さらに安全性を確保するために放射性物質の確認を以下の通り実施しております。
国の登録検査機関による放射性物質検査を震災発生後から定期的に実施し、「不検出」の結果を得ております。
製造に使用する原材料については、供給元で安全に作られていることを確認した原材料のみを使用しております。
さらに放射線量測定器を導入し、8月からは工場環境、原材料及び製品について的確に放射線量をモニタリングしております。
また、乳原料の入手先についても多くのお問い合わせをいただいております。「アイクレオのバランスミルク」については米国産の乳製品を、「アイクレオのフォローアップミルク」については、米国産に加えて一部北海道産の乳製品を使用しております。
弊社は今後とも品質の安全性を第一に考えた製品づくりを徹底してまいりますので、安心して赤ちゃんの哺乳にご利用ください。
http://www.icreo.co.jp/
わが子に与えるものにはたとえ微量でも放射性物質が含まれていない方を選び、内部被曝のリスクをできる限り避けてあげたいというのが親心だ。
その観点で今回の各社発表を横並びにすると、「はぐくみ」「チルミル」の森永乳業は放射性物質の検出限界が5Bq/kgと他社に比べて最も低いということ、「はいはい」「ぐんぐん」は放射性物質が最も拡散したと思われる時期に製造した製品がないこと、「ぴゅあ」「たっち」は「すこやか」「つよいこ」と同じビーンスターク・スノー製であるということ、「アイクレオ」については西日本の兵庫県丹波市の工場で製造されていることが明らかになった。
これまで粉ミルクは、調乳指導を受けたブランドをその後も続けて指名買いしていたり、ドラッグストアの特売で最も安いものを選んだりと、原材料の原産地や製造工場などを選んで買うようなことはおそらくあまりなかったかもしれない。
過去の粉ミルク市場において、森永と雪印は不幸な事件によって大きくその製品シェアを揺るがされた経緯がある。今回の明治の事件は各社とも決して他人事ではなく、今後の生産管理体制や製品情報公開における企業姿勢によっては、その勢力図が大きく変わる可能性すらあるだろう。
・関連記事:【速報】粉ミルク「明治ステップ」からセシウム、無償交換へ
![]() | 深田洋介 学研の編集者、AllAboutのWebエディターを経て、サイバーエージェントの新規事業コンテストでは子育て支援のネットサービスでグランプリを獲得、その後独立。現在は子育て・教育業界×出版・ネット媒体における深い知識と経験・人脈を駆使して活動中。2001年生まれの娘の父。 |
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